2019年 皐月賞の審議の件

1着馬サートゥルと2着馬ヴェロックスの攻防では、着順確定までに長い長い審議があったらしい(仕事中なのでリアルタイムで観られなかった)。

帰る道々、馬友に電話で聞いたところでは「中継観とったけど、そんなひどなかったで」という話だったのに、パトロールビデオを観ると、ヴェロックスは最後の坂でサートゥルに結構強く当てられ、弾かれていた。サートゥルがヴェロックスに接触したのはルメールが左鞭をふるったすぐあとだ。好意的に見れば、ルメールはヴェロックスと併せ馬の形をとりたかったのかもしれない接触してから右手に鞭を持ちかえていた。

最後の直線、3頭の叩きあいと直後で伸びあぐねるマーズ、4頭の絵面は「力上位馬がそれぞれの力を出し切ったいいレースだった」と言うにふさわしかった。が、審議の原因になった場面を観たあとでは釈然としない気持ちが残る。

「あんなんで降着なっとったらなんもできん」「あのぐらいの接触はよくあること」等の意見に真っ向から異を唱えられるほど私は競馬に詳しくないし、肝もすわっていない。が、このままでは気持ち悪いのでここに自分の見方を書いておくことにする。

テレビ中継では、斜行や接触や不利の度合いがわからない。映す角度の違いで、馬がよれて走っても真っ直ぐ走っていたように見えてしまう。

「この程度では降着にならない」とはどの程度を指すのか私にはわからない。「降着にならなかったのは、サートゥルのほうが、接触がなくても着順は入れ替わらなかったとはっきりわかる伸び方をしていたからだ」は、ますますわからない。

「サートゥルのほうがヴェロックスより脚が前に出てた」という声(あくまで馬券買いの声であって関係者の声ではない)もある。

あの上り坂を、ヴェロックスは真っ直ぐ走っていた。パトロールビデオを直線からゴール入線まで観ればわかるが、直線を向いて少し行ったところでヴェロックスがやや外に寄れ(接触はしていない)、それを修正した後、川田は終始真っ直ぐ走らせる努力をしていた馬にとって、上り坂は斜めに走った方が登りやすくスピードも出やすい真っ直ぐ走らせる努力をしなくていいなら川田ヴェロックスがサートゥルに先着していた可能性だってあるしルメールがサートゥルを真っ直ぐ走らせる努力をしていたら、川田ヴェロックスに負けていた可能性もある

川田が愚直でルメールがクレバーだっただけなのか

ルメールには過怠金5万円が課せられたが、安すぎると感じたのは私だけだろうか。

JRA、いっそ「上り坂では、すぐに軌道修正すればヨレ放題ぶつかり放題OK」と明文化すればいいのに。落馬事故が起きて死傷者や予後不良が出てから審議、降着等の制裁なら、どんな馬券買いや馬主からも文句の出ようがない。

 

長い審議の末、「到達順位の通り確定」となったのは、ヴェロックスの馬主さんが諍いから降りたからじゃないかと私は思っている。

川田は口惜しかろう。

2019年 皐月賞

アーリントンCって2月じゃなかったのか。新聞でエイシンキャメロン以来の懐かしいレース名を見て不思議な気がした。どうやら昨年から開催時期が変更になったようだ。前々回のブランクからの復帰時には、中京記念が3月から7月に移行していて面食らった。芝レースばかりG1昇格が増えてるし、なんだろね、必然性あるのかね。

 

今日は皐月賞皐月賞は、流れが弥生賞と違うらしい。弥生賞では瞬発力があれば勝ち負けできるが、皐月賞では「持続力と底力が必要」らしい。私はこの「底力」ってやつがわからん。きょうだいや近い親戚に重賞をいくつも勝った馬がいれば「底力」なんだろうか。もしそうなら「底力」とは「母系血統の競走実績」を指すのか。だとしたら皐月の勝ち馬はもう決まりみたいなもん。そこに昨年の最多勝ジョッキーを乗せれば鬼に金棒、皐月攻略なんて簡単だ。……と、うまい具合にいったらいいけど、あんた、アーリントンじゃ藤沢カズ&ルメールタッグの1番人気が16着だよ、ググってみたら天栄馬だよ!……皐月出走馬の中では11番ラストドラフトが中山2000で一番速い時計を持っている。でも鞍上シュタルケ。こりゃ買えねーなと思ったのにそのシュタルケが7番人気で2着。阪神外回りと中山では同じマイルでもウマ走らせる難しさ段違いだけど、うまいこと迷わせるね、いやらしいよ競馬。

で、私の狙い馬だけど、これが1頭や2頭に絞れない。迷うと外れる。迷わなくても外れるけどね。ま、仕方がない。

現時点(朝6時)の4番人気以下では7番ヴェロックス、10番シュヴァルツリーゼ、17番アドマイヤジャスタがいいと思う。ヴェロックスは56kg背負って2連勝なのがいい。敵はこれまで少頭数でしか戦ったことがないこと。シュヴァルツリーゼはキャリア2戦でしかないけど前走の内容がいい。重馬場で外を走れたから2着に来れたとみることもできるが、レースよく見たら、この馬、重は得意でない走り。それで2着。アドマイヤジャスタは母系が長距離系。母系長距離系は皐月では用なしのことが多いけど(往々にして晩成でもあるため)、ホープフル2着なのを忘れてはいけない。ホープフルの時の鞍上ルメールがサートゥルを打診されてそちらに乗り替わった以上、ジャスタに勝ち目はないとみるのが妥当だが、「サートゥルに勝てるわけがないから馬券にも絡まない」ってことにはならない。3着はあるかもかも。

あとは騎手が怖い2番サトノルークス。サトノルークスの母系は日本ではまだ登場して2、3年しかたってなく、海のものとも山のものとも知れないけれど、海外では芝の中長距離を得意としている。前走すみれS組は軽視されやすいが、ルークスは芝1800で(2.1.0.0)。アウェイの熱気で萎縮しなければ、池添の戦略次第。

おまけで8番ニシノデイジーと9番メイショウテンゲンも挙げておこう(どんだけ言うねん!)。この2頭は騎手という大きなハンディを背負っている。勝浦には勝負勘がなく(不利や落馬負傷をおそれてる?)、三浦は西部劇か南北戦争のような追い出し方、ムチの当て方をする(=物理を考えず、単純な物理パワーに頼りすぎ)。彼らが「自分が馬をリードする」気持ちを捨てて、馬の走る気を扶助する扶助者に徹することができれば展開的に漁夫の利を得ることが可能。

なお(まだ言うか)、5番ランスオブプラーナは瞳が美しいので応援してやりたいが、ちょっとそこまで手を広げられない。というか、松山がこの大一番で出遅れるような気がして怖い。6番クラージュゲリエは全出走馬中1頭だけ血統的に毛色が違って、しかも鞍上ノリなので大荒れを願って買うことも考えられるが、ちょっとそこまで手を(以下略)。16番タガノは厩舎の入念な馬づくりに好感と敬意を抱いたので一瞬買いたくなったが、鞍上を見て即やめた。13番ブレイキングドーンは、ちょっと前まで皐月の穴に指名する予定だったが、この枠順では隣12番サートゥルナ―リアの壁になっていただきたく。ホープフル観返したら、福永はサートゥルのことムダにフタしてたように思えたし(ミルコがドーンせざるをえなかった気持ちが少しわかった)。

 

結論:観るだけのレースにしてもいいんじゃないですかね。←結局それかい!

【反省】 2019 桜花賞(シゲル項に追記あり)

敗因は、藤沢和と8枠の軽視に尽きる。グランは買ったけれど「外厩しがらき」勢を上位にとってしまった。

8枠にはシゲルとプールヴィルがいた。シゲルは「前走で力を出し切ったろうから出がらし状態に違いない。それにフルゲートG1の8枠じゃ経験不足が露呈するだろう」、プールヴィルは阪神JF以来の期待馬だが「410kg台の小柄に大外18番は厳しい」と見て切った。クラシック緒戦を(馬券的に)勝って弾みをつけるには、買い目を減らす必要があって、そのためには極端な枠の馬を切り捨てるのが手っ取り早い。8枠を軽視することで検討対象を1枠~7枠の馬たちに限定できる。しかし賢いやり方をしているつもりでバクチに負けた。

 

1着 グランアレグリアルメール

朝日杯でデムーロ&マーズの強襲に遭い、3着。デムーロルメールアレグリアを意図的に脅したように見えたので、強いといっても2歳牝馬、メンタルが心配だった.

馬は感情記憶が強いらしいが、3か月半のブランクはリセットにちょうど良かったようだ。レース映像を観ると、グランアレグリアは朝日杯時に比べて「直線を向いたときの脚のもたつき」が小さかった。朝日杯は東京マイルを2度圧勝して臨んだ初の右回り、そのもたつきの瞬間をデムーロに狙われたのだが、外厩でしっかり右回り対策と「いきなりの接触」対策が施されたのだろう。

レース後、ルメールアレグリアオークス展望について問われて言葉を濁している。血統的には、前向きすぎる気性をバックパサの陰支援で抑えているので2400mを「こなせないことはない」。が、勝ち負けとなると、ルメールとしてはフラワーカップを勝ったあの馬の方がいいのかもしれない。

 

2着 シゲルピンクダイヤ(和田)

チューリップ賞の翌日、馬友と「シゲル馬がクラシックで2着や3着にでもなったらおもろいな」と話した。直線で猛追した脚には見どころがあったし、調教師はナリタトップロードの主戦だったナベちゃん、鞍上はかつてテイエムオペラオーの主戦で 今は<刺客忍者>と化した和田なのが好感度大。いやが上にも盛り上がって、そのときは結構本気でピンクダイヤを(何かのヒモで)買うつもりだった。なのに本番が近づくとすっかり忘れた。←競馬あるある。

終いの脚が使えたのは出遅れが幸いした面がある。しかしそれだけではなく、4コーナーから直線、後ろから4、5頭目の外を走っていたピンクダイヤは、和田のリードに従って周囲のどの馬よりも速くポジションどりを開始、馬群を縫って、内回りコースの内ラチが延びるところでは前から5頭目の内目に進出している。和田の技術と判断力はもちろん、ピンクダイヤの「ひるまなさ」も大したもの。いくら大胆で巧い騎手が乗っても、馬が指示どおりに動けなかったらどうしようもない。

シゲル冠名馬には使い倒されのイメージがあった。たくさんの馬を安く買いたたいて、たくさん走らせて小銭を稼ぐ、それがシゲル馬主さんのイメージで、まさか秋のデビューからチューリップ賞までにわずか2走しかさせない馬がいるとは思わなかった。これまでのパターン?では、連闘でデイリー杯2歳S、そこで負けたら500万下に出して、また負けて500万下やオープンに出走、3月には5、6走していても不思議ではなかったからだ。ピンクダイヤがそういうローテを組まれた馬ではないことで「シゲルの期待馬」なのはわかったが、私の深層にチューリップ賞2着をフロック視したい気持ちがあったのだと思う。

調べてみると、ピンクダイヤのセリ取引価格は税込み1,728万円。国内産のシゲル冠馬にしては破格に近い高値だ。ピンクダイヤの母ムーンライトベイは、もともとノーザンの輸入牝馬の産駒(初仔)だが、繁殖として第3仔出産まではノーザンにいて、2013年のジェイエス繁殖馬セールでディープブリランテの仔を受胎した状態で売りに出され、357万円(税別?)で天羽牧場に買われた。

ノーザンがムーンライトベイを放出した事情はよくわからないが、ムーンライトベイの産駒で、競馬で勝利したのは地方・中央含めて第6仔のシゲルピンクダイヤが初めて。ピンクダイヤの母系三代母の父がノーザンテーストと父~母父まで同血の  The Minstrel なので、ノーザンテーストを母父に持つダイワメジャーとの配合で「走る遺伝子」が覚醒したのだろうか。

レースレコードになった桜花賞で、シゲルピンクダイヤは上がり3F最速を記録した(32.7)。これでピンクダイヤは、未勝利~チューリップ賞桜花賞と、3戦連続で上がり最速の脚を繰り出したことになる。

なかなかに世知辛い出生背景を持ち、大手外厩とは縁がなさそうな、こういう駿馬を買えなかったのは痛恨の極みだ。

※追記 シゲルさんは2016年産47頭購入。いずれも宝石の名前か宝石にかかわる擬音をネーミング。うち、「シゲル○○…ダイヤ」と命名された馬は購入価格が1000万円を超えていることが判明。シゲルさんの中で一体どういう心境の変化があったのか。なお、高額馬のうち、シゲルクロダイはこれまでどおりのシゲル&ブルベアローテで現在13戦未勝利

 

3着 クロノジェネシス(北村友)

いい馬である。過去記事にも書いたが、日本の馬場には重めと感じられる血統馬が好みである。 

tumaranaimonodesuga.hatenablog.com

母父がフレンチデピュティ系のクロフネなのもいい。牡馬は競い合うことをあまり好まなさそうな、のっそり晩成になりがちだが、牝馬はレースでしぶとく粘る。そこに切れる脚もあるから、クロノは悪くても2着は確実だと思ったが……。

北村クロノは直線入り口で外をかぶされ前は詰まって、進路取りに迷った一瞬の隙をついて右外を和田ピンクダイヤに抜かれた。そのあとも緑帽が壁になり、接触もあって外に出したいのに出せない状態が続いた。クロノジェネシスはゴールまであと150mというところでぐんと伸びていた。それだけにもったいないレースだった。

北村友にいい意味のちゃらんぽらんさがあれば、ごちゃついた中でも活路を見いだせたのではないだろうか。

 

4着 ダノンファンタジー(川田)

チューリップ賞に出ることを知って、「何故わざわざ?」と感じた。桜花賞の出走に、ダノンファンタジーの賞金は十分すぎるほどある。チューリップを使うことで、前哨戦をまったく使わないグランアレグリアより疲れが残るのではないか。外厩でどれほどハードな模擬戦をしようと、1回の実戦に比べれば神経的な疲労度は小さい。実戦には長時間の待機があり、いつもざわついていて、沢山の人の目と沢山の大声、(馬には)奇矯な音にしか聴こえない演奏が神経をすり減らさせる。

ダノンファンタジーの馬体重は今回が+2kgになっただけで、前4走は増減なしで来ている。厩舎サイドの努力もあろうが、体質は強い。しかし体質とメンタルはまた別のものだ。

すでに除外されないだけの賞金を持っている2歳~3歳の有力馬に前哨戦を使うことの是非を問うつもりはない。ただ敵に勝ちたいのに敵にハンディをくれてやった形で臨んだのが残念だ。

 

5着 ビーチサンバ(福永)

福永騎手のレース後コメントのどこを読んでも、残り1000mで前に進出した理由がわからない。結果論だが、新馬クイーンCで鋭い上がりを発揮しているのだから、馬群が固まる3コーナーから4コーナーでポジションを上げて直線に賭けてもよかった。

あるいは、もしかしたら……オークスを照準にして “どれだけ長い脚を使えるか” 試走してみたのかもしれない。それが実を結ぶかどうかはフタを開けてみないとわからないが。

 

6着 プールヴィル(秋山)

大外から逃げて良く頑張った、としか言えない。

桜花賞全出走馬の中で、父系母系のどこにもサンデーサイレンスが入ってないのはこの馬だけである。体も小さい。なのに大外18番。枠順を知って「いじめか!」と思った。

阪神JFを振り返った過去記事の中で、私は “今回の当日馬体重426kg、体重はこれを下限にしてもらいたい。” と書いたが、410kg台のほうが頑張れるようだ。

馬体の壁、マイルの壁が立ちふさがっている以上、これから先も厳しい戦いが待っている。しかし先祖帰りを企図したような配合に馬産家のプライドと執念が見てとれるので、ここで見離すわけにいかない。1400が得意そうなので、距離をもし伸ばすなら400で割れる距離でなく、1500や1800、そして真ん中より内目の枠が引けたらなんとかなりそうな気がするが、どうだろうか。

 

7着 エールヴォア(松山)

内枠を生かせず後ろからになったのが全て。追い切りこそそれなりだったが中間の調教は慣らしのみ。遠征後の中2Wではまだ疲れが残っていたと考えるのが自然。

この馬、母フィーリングトーンの仔としては初の中央勝ち産駒(第5仔)。

マイルは未勝利なれど1800と2000で勝利していて(いずれも阪神)、2回関東に遠征して2回とも3着以内なのが面白い。フラワーCの勝ち馬に逆転は難しかろうが、2週間と少しだけでもリラックスと馬体メンテに努めれば、5月東京で健闘がありうる。

 

8着 ジュランビル(松若)

猛烈なスピード馬である。桜花賞では、マイル未経験の鉄砲娘が馬券に絡むことがままある。2週連続で強い調教を施してさえいなければ、買い目に加えていた。厩舎サイドの不安はわからないでもないが、勢いに任せすぎた。

この馬も、母馬の初中央勝ち産駒である(第7仔)。母アリーの出す仔の馬体は、いつもそんなに悪くないのにさっぱり結果が出なかった。血統書詐欺を疑ってアメリカに怒鳴り込んでもおかしくなかったが、これまでは相性の難しさがあったのかもしれない。

 

9着 シェーングランツ武豊

馬が寂しがっている。

 

10着 アウィルアウェイ(石橋)

マイルが未経験なことより、武器(特性)がはっきりしないのと、父系母系全体でみて3歳で頭角をあらわすタイプではないと判断したので買わなかった。しかし高野厩舎の調教の工夫には好感を持った。前走フィリーズレビューでは、2週連続強い調教をした。そのせいかどうか、レースでは興奮してかかりっきりになり、1番人気7着。今回は中間と追い切りを、ダリア賞の時と同じくらいのメリハリをつけた内容に変えてきた。本番・桜花賞では結果が出せなかったが、外厩まかせにしないことで蓄積できる「知」はきっとある。

2019年 桜花賞

アラレと雹とみぞれと雨の数日が過ぎた木曜日、春の陽気が戻ってきた。次の日にはGW並みの暑さ。温かさが続くのは悪くないが、一度収まったスギ花粉がまたひどく降ってきて、花粉症の私は頭痛と鼻水がひどい。黄砂のせいか急激な温暖化のせいか、子どもの頃より量が増えたか毒性を持ったと思える花粉、人間に近い哺乳類への影響はどうなんだろうか。そのうち馬の花粉症が発見されるような気がしてならない。

数日前には蕾のままだった桜が今日は満開。例年、桜ぼんぼりの時季には測ったように雨風が襲い、あっという間に花びらを散らしていく。空模様を見ると、今年もきっとそうなる。

桜と言えば競馬好きには桜花賞桜花賞と言えば私にはレジネッタが印象深い。新馬時の調教の良さと名前の可愛らしさで追っかけ馬券を買うようになった馬だが、出走するたび馬体重の増減が激しく、桜花賞当日はG1未勝利の小牧が騎乗するとあって結構な不人気だった。こちらもレジネッタに関しては応援と義理の惰性馬券になっていたから「5着くらいに入ってくれれば…」程度の気持ちだった。

そういや小牧の桜花賞勝利ジョッキーインタビュー、あれ You tube から消えてるようだ。あの涙とタオル、「吐くまで呑みます」発言は、おまけの単複豆券しかゲットできなかった私でも感動した。誰か再アップしてくれないだろうか。

 

さて今日の桜花賞

全18頭のうち、社台系は13頭出走、うちノーザン9頭。

ノーザン生産馬の中で、前走後にノーザン直轄の外厩に入って戻ったのが5頭。天栄組はグランアレグリアとフィリアプーラしがらき組はクロノジェネシス、アウィルアウェイ、ビーチサンバ阪神JFの覇者で唯一の4勝馬、ダノンファンタジーは今回栗東内で調整されている。

私はしがらき組の2頭、クロノジェネシスとビーチサンバを中心にするつもりだ。そこにダノンと天栄組のグラン、乗り替わり岩田のノーブルスコア、社台ファーム外厩(グリーンウッド)を使ってきたアクアミラビリスを少し。

調教の字面ではアクアミラビリスとダノンファンタジーが目につくが、アクアミラビリスはMデムーロがいつもの調子ですっ飛ばした勢い時計に感じるし、ダノンファンタジーは調教の全体時計は速くても、馬がかかっている感じがした。走りたくてたまらないというより、刑を執行するなら早くしてくれ、みたいな??

逆に、いい感じだったのはクロノジェネシス。落ち着いて安定したラップを踏んでいた。ビーチサンバは「しまいのみ」だったが、そこは厩舎と騎手の実績と信頼関係に賭ける。

予報では、今日の阪神地方の天気は午後から崩れやすくなるようだ。

湿り気を含んだ馬場が不得意じゃなくても、雨が体に当たるのがイヤな馬もいる。いつもなら興奮しすぎて制御が利かないのに、脚もとが滑って怖いからジョッキーの指示に素直に従うようになる馬もいる。

馬券のための予想だが、基本、どの馬も応援したい。

【感想】 2019年 大阪杯

無理。無理無理無理無理無理。

騎手が信用できなくて切った馬が1着。

本線と保険で頭にした馬が2着3着。ワイドや複勝は買ってない。

北村友一よ、おのれはワシをますます貧乏にするためにおるんか(-_-;)

 

3月31日のWIN5配当は26万9810円であった。安い

ひとつめの阪神9R明石特別で7分の1超フルイにかけられたのはわかるが、大阪杯は9番人気が1着である。ワシとは反対に、荒れると予想した勝ち組が多かったってことか。

 

1着 アルアイン(5歳)

前週に制裁を受けた騎手で、来週のG1にも乗鞍のある騎手は、思い切った騎乗がしにくいものだ。しかし、14頭という少頭数で、ゴール前に2度目の上り坂がある阪神内回り、4コーナーを回って馬群がばらけ、前を行くのが戸崎エポカドーロだったのが良かったのだろう。内ラチから2頭分くらい開けて逃げる戸崎の内を抜け、キセキとワグネリアンの追撃を封じ、鞍上の北村友一は中央G1を初勝利。

北村友のスタート直後は相変わらず落馬しそうな格好だった。が、体勢を整えてからはそつなく無難に立ち回っていた。意外だったのは、最後の直線でステッキを一切使わなかったこと。昨年のJF、北村友はクロノジェネシスに容赦なくステッキをふるっていた。追い比べで勝利したダノンファンタジーの騎手に比べて、北村クロノは「扶助をステッキに頼ったぶんの追い負け」に見えた。

大阪杯のレース終了後のコメントで、北村友は「(馬の)気を害さないようにしながらゴールまで追いました」と語っているが、何がきっかけの心境の変化だったのか。馬も生きて意思がある。これでどのレースでも雑さが抜ければ、もともとセンスを評価されていた北村友一、勝ち数に実質が伴ってくるはずだ。

北村友は向こうっ気の強さが顔に出ている。録画を観るまでは、川田に対する意趣返しの意図があったに違いないと思っていた。川田は前週の高松宮記念で北村友の斜行によって不利をこうむっていて、川田の性格的に、当日は不愉快さを態度で直截にあらわしただろうから。が、観たあとは、「それも少しはあっただろうが、レースそのもの、馬を追って1着でゴールさせることには無心だった」と見方をあらためざるをえなかった。

 

2着 キセキ(5歳)

戸崎エポカの逃げにつきあってしまったぶんの2着か、それとも逃げても控えても2着3着が性分なのか。キセキに菊花賞以来のG1、関係者だけじゃなくファンもほしいぞ。

 

3着 ワグネリアン(4歳)

検討時、ワグネリアン単勝7.3倍の3番人気。神戸新聞杯以来の出走で音沙汰が無かったからせいぜい6、7番人気と思っていたので驚いた。これも「天栄・しがらき帰りは長休明けでも走る」が定着した証か。

私がこれを○扱いにしたのは、「外厩を使っても厩舎できちんと仕上げる友道を基本的に信頼している」「主戦・福永は個々の馬を見る目が細やかで、ワグネリアンについても厩舎と緊密に連携しながら育てる姿勢でいる」「中京2000の7月新馬でドスローとはいえ上がり32.6を出して勝利した馬がこのまま終わるはずはない」「さらに母系祖母がブロードアピール。よって早枯れなどほぼありえない」からである。

本調子はまだ先のことになろうが、じりじりとでも良くなってくれれば幸いである(そういや、新馬戦でワグの着差なし2着だったヘンリーバローズはどうなった??)。

 

4着 マカヒキ(6歳)

かつての岩田を知っているから、岩田マカヒキの1枠1番がおそろしかった。結果4着で胸をなでおろすも、1着馬を買ってないんだから結果は一緒だったが。

「ディープ×フレンチ」の相性の良さを知らしめたのはこのマカヒキだったように思う。相性の良さ(特に合う組み合わせはニックスと言うらしい)では他に「ディープ×ストームキャット」も有名だが、どちらが先でどちらがより好相性かは記憶があやふやだ。個人的に偶然と必然(?)のふたつの要因でフレンチが好きなので、この先、岩田とのコンビで「マカヒキはまだ終わっていなかった」を証明してもらえたら嬉しい。

 

5着 エアウィンザー(5歳)

5番人気内だったが、この馬は買わなかった。ここ2、3年でめっきりやつれた(老けた?)鞍上・浜中の顔がちらついて、とてもじゃないけど私には買えない。それでも浜中は人気どおりには持ってきた。世の中には、叩かれやすい人と叩かれにくい人がいる。叩く側は切り上げどきを考えないと、大胆になれる時期に伸びるはずの若手や中堅を潰すことになる。

 

6着 ブラストワンピース(4歳)

3コーナーのあの位置、直線での大外ポジション。阪神内回りでそこから馬券になる馬はディープインパクトオルフェーヴルくらいのもんである。単勝が2倍台に下がらなかったのは、斤量増や鞍上の“吹き”を怪しんだ人が多かったからだろう。

 

7着 スティッフェリオ(5歳)

名前が覚えにくい。

 

8着 ムイトオブリガード(5歳)

これも名前が覚えにくい。短縮させて「ムイトブ」ならインドネシア語風の造語になって、馴染めば風情が出たと思う。角が立たず、それなりに意味が通るムイトボンならさらにハッピー。

 

9着 ダンビュライト(5歳)

大外枠が全て。今から休ませて夏と冬に照準を合わせてはどうか。

 

10着 エポカドーロ(4歳)

戸崎の人の好さは十分に伝わった。

 

11着 ペルシアンナイト(5歳)

イタリアの夏は暑い。

 

12着 サングレーザー(5歳)

起用ミスが全て。

 

13着 ステイフーリッシュ(4歳)

矢作なのでいつかどこかで巻き返す、だろう。

 

14着 ステルヴィオ(4歳)

この馬が穴人気(6番人気)していたのは、ワグネリアンやブラストワンピース同様、天栄帰りだったからだろうか。マイラーには “外枠+前目のポジション取り+2度の坂越え” はキツかった。騎手も阪神コースに慣れておらず、目立った実績がなかった。

春天に出るわけじゃなし、陣営がここを使った理由がわからない。

2019年 大阪杯

アーモンドアイがドバイターフで勝利したらしい。

賞金は日本円にして3億9600万円。ノーザンは名誉より実利を獲るし、実利が伴う名誉ならさらに欲しがるし、この15年くらいの間に知り合った何人かのシルク会員は投資・投機での回収が大好きで競馬も投資・投機ゲームのひとつにすぎない人らだったし、金無しヒマ無しとしては遠い目で「良かったねぇ」しか言うことがない。

で、たぶん、アーモンドアイの生産牧場&馬主&外厩つながりで、現在3.5倍台の7番ブラストワンピース単勝オッズは、馬体重発表とパドックののちにグワンと上がり、投票締め切り直前にまた上がって2倍台に突入することだろう。

ブラストワンピースはいい馬である。競走能力はもちろん高いんだろうが、特筆したいのは「素直さ」である。ブラストワンピースの位置取りは、毎レース変わる。逃げや極端な後ろポツンの追い込みがないだけだ。これはおそらく鞍上池添の智略によるもので、コースと距離、相手関係で融通無碍に位置取りを決めていると思われる。その指示に従い応える素直さが、ブラストワンピースの最大の長所ではないかと思う。

ブラストの見解はここまでにして。

私の狙い穴馬だが、当初は8番サングレーザーにしようと思っていた古馬になり、久しぶりに距離を2000に伸ばした昨夏からの内容がいい(香港4着はしゃあない)。約3ヶ月の休養明け成績が(2.1.0.0)、母父デピュティミニスターも追い風だ。が、鞍上ミナリクと知って躊躇した。ミナリクは今日が初めての阪神ではなかったか。マーフィーなら同じ初でも一か八かで買える。しかしミナリク。ドイツ人だからイタリア人より寒風には強いだろうが、浅見師、外国人なら誰でもいいのか。

結論。このレースは、たぶん荒れない。3着まで単勝5番人気以内で決まる。もし6番人気以下で突っ込む馬がいるとしたら3番アルアインくらいだが、これも鞍上が問題。高松宮記念三連単配当をWIN5より高額にした立役者、北村友一である。危なっかしくて買いづらい。馬はいい、ヒトをなんとかしてくれ。

今日のG1は、自分の好きな馬を頭や軸にして買う、楽しみのためのレースになるだろう。私は6番キセキ頭を本線、2番福永ワグネリアン頭を保険とする。

 

 

 

【反省】 高松宮記念

 競馬は怖い… 

2着3着に思ってもみなかった馬の名前を見つけた時、

何が起きたのかわからんかった…

有力馬、人気馬が故障発症、落馬か??? そう思った…

体の芯から魂が抜け ふわふわと定まらない脳みそ

現実を受け容れられない状態、

仕事以外で久しぶりに味わったぞ!

 

前記事でミスターメロディ以外に挙げた2頭が2頭とも不利をこうむったようだ。

不利が無かったら馬券内に来ていた、かどうかはわからない。

ただ、なんか疲れた。

反省は、

「検討にあまり入れこまないこと」

「一瞬が致命的になるスプリント戦では買わないことも選択肢に入れる」やね。

 

寝る。