2019年 皐月賞の審議の件

1着馬サートゥルと2着馬ヴェロックスの攻防では、着順確定までに長い長い審議があったらしい(仕事中なのでリアルタイムで観られなかった)。

帰る道々、馬友に電話で聞いたところでは「中継観とったけど、そんなひどなかったで」という話だったのに、パトロールビデオを観ると、ヴェロックスは最後の坂でサートゥルに結構強く当てられ、弾かれていた。サートゥルがヴェロックスに接触したのはルメールが左鞭をふるったすぐあとだ。好意的に見れば、ルメールはヴェロックスと併せ馬の形をとりたかったのかもしれない接触してから右手に鞭を持ちかえていた。

最後の直線、3頭の叩きあいと直後で伸びあぐねるマーズ、4頭の絵面は「力上位馬がそれぞれの力を出し切ったいいレースだった」と言うにふさわしかった。が、審議の原因になった場面を観たあとでは釈然としない気持ちが残る。

「あんなんで降着なっとったらなんもできん」「あのぐらいの接触はよくあること」等の意見に真っ向から異を唱えられるほど私は競馬に詳しくないし、肝もすわっていない。が、このままでは気持ち悪いのでここに自分の見方を書いておくことにする。

テレビ中継では、斜行や接触や不利の度合いがわからない。映す角度の違いで、馬がよれて走っても真っ直ぐ走っていたように見えてしまう。

「この程度では降着にならない」とはどの程度を指すのか私にはわからない。「降着にならなかったのは、サートゥルのほうが、接触がなくても着順は入れ替わらなかったとはっきりわかる伸び方をしていたからだ」は、ますますわからない。

「サートゥルのほうがヴェロックスより脚が前に出てた」という声(あくまで馬券買いの声であって関係者の声ではない)もある。

あの上り坂を、ヴェロックスは真っ直ぐ走っていた。パトロールビデオを直線からゴール入線まで観ればわかるが、直線を向いて少し行ったところでヴェロックスがやや外に寄れ(接触はしていない)、それを修正した後、川田は終始真っ直ぐ走らせる努力をしていた馬にとって、上り坂は斜めに走った方が登りやすくスピードも出やすい真っ直ぐ走らせる努力をしなくていいなら川田ヴェロックスがサートゥルに先着していた可能性だってあるしルメールがサートゥルを真っ直ぐ走らせる努力をしていたら、川田ヴェロックスに負けていた可能性もある

川田が愚直でルメールがクレバーだっただけなのか

ルメールには過怠金5万円が課せられたが、安すぎると感じたのは私だけだろうか。

JRA、いっそ「上り坂では、すぐに軌道修正すればヨレ放題ぶつかり放題OK」と明文化すればいいのに。落馬事故が起きて死傷者や予後不良が出てから審議、降着等の制裁なら、どんな馬券買いや馬主からも文句の出ようがない。

 

長い審議の末、「到達順位の通り確定」となったのは、ヴェロックスの馬主さんが諍いから降りたからじゃないかと私は思っている。

川田は口惜しかろう。