【感想】2020年 フェブラリーS
前記事、赤面するほどおセンチ(←昭和風)な記事になっていた。
感傷のだだ漏らし。恥ずかしすぎる。
多忙焦燥をきわめたこの1ヶ月のせいだ。新型コロナのせいだ。
まぁしかし、人馬の数だけドラマがある……のはホントだ。
ただ、今年のフェブラリーSで描かれたのはヴェンジェンスと幸ではなく、
最低人気で2着に食い込んだケイティブレイブと長岡騎手だった。
ケイティブレイブ。2年前ならきいた名前だ。
地方競馬で強い馬。ドバイで開腹手術を受けた馬。
この馬の力は、近6走の馬柱や左回り実績の4着以下数字ではわからなかった。
競走成績をさかのぼってみると、3年前のフェブラリーSで、
幸の手綱で0.5差の6着に入っていて(勝ち馬ゴールドドリーム)、
2年2ヶ月前のチャンピオンCでは
福永を背に0.3差の4着(勝ち馬ゴールドドリーム)。
ゴールドドリームを基準にすれば少しずつ差を詰めていたのがわかる。
しかも今回、ゴールドドリームをはじめとするノーザンの主力は
高額賞金狙いでサウジに行っていて、国内のダートG1は空き巣狙いが可能だった。
しかし、たとえそれらを考慮したとしても、
やはりケイティブレイブを買い目に入れるのは難しかったと思う。
‘ケイティは逃げ・先行脚質の馬’ だという観念が頭に染みついているし、
「(近走を観て)開腹手術の影響あるよな」
「騎手・長岡って誰だよ」と、どうしてもそこに引っかかってしまう。
長岡禎仁。
この名前、知ってる競馬ファンはどれほどいるのか。
私はまったく知らなかった。この3年以内にデビューした新人かと思っていた。
禎仁。これでヨシヒトと読むのか。
私はテイジンと読んでいた(繊維メーカーか!)。
レース映像見て、
「初G1のくせに戦法変えてくるなんて度胸あるな」と感心したのだが、
どうやらこの脚質変更作戦は、馬主である瀧本和義氏の発案らしい。
使うレースと戦法と騎手を指定するぐらいだから、
瀧本氏はここ2戦の惨状がよっぽど腑に落ちず、また腹に据えかねてもいたのだろう。
記事内の談話 ↓ にそのときの切実さがにじみ出ている。
「騎手は長岡でいってほしい、とお願いしました。結果が出ていない馬なのでトップジョッキーだと乗ってくれなかったかもしれないし、こちらの思いは伝わらなかったと思う」
‘学校内における自分の子どもの現状に歯がゆさを感じている親’ に近い感覚である。
35人の中の1人や今までの教え子の中の1人ではなく、
『その子』の可能性を見て対策を模索してほしい――というような。
ケイティブレイブの母馬ケイティローレルは、
冠名からもわかるように瀧本氏の所有である。
浦河荻伏の家族経営牧場で生まれ、JRAでデビューしたものの、
JRAのレースは未勝利(途中で園田転籍、そこで2勝を挙げて中央復帰)。
引退後は繁殖として静内のやはり家族経営の小さな牧場に預託され、
そこで産んだ初仔がケイティブレイブ。
………(TдT)
これが愛でなくてなんなんだ。
重賞に顔を出したような エリート牝馬なら
自前で繁殖にする馬主は結構いるのだろうが。
また1頭、応援したい馬が増えてしまった……(´Д⊂ヽ
ところで例のヴェンジェンス。1.8差の10着。
左回りが苦手で、砂かぶると走る気をなくすのに加え、
今回は幸が位置取りを考えすぎたか迷ったか。
右回りのダートG1が中央競馬にない以上、
G1ウィナーの称号がほしけりゃ地方交流で獲るしかないが、
小足を使えるタイプじゃないのがネック。
とりあえず出直して、右回りG2を勝つことから始めにゃなるまい。