2019年 優駿牝馬(オークス)

このところ馬柱や調教を確認する時間がとれない。だからオークスもレース後感想だけにとどめるのが無難なのだが、そこはやはりクラシックの魔力。形だけでも参加したい。というわけで、とりいそぎのアップ。

どうせ、このごろの芝G1は、何も考えないほうが当たる。下手な考え休むに似たり――というより、「下手な考え墓穴掘り」と言ったほうがいいかもしれない。

 

今回のノーザン外厩

2番 クロノジェネシス(しがらき)

3番 コントラチェック(天栄)

12番 ウィクトーリア(天栄)

13番 ラヴズオンリーユー(しがらき)

16番 ビーチサンバ(しがらき)

18番 フィリアプーラ(天栄)

 

上記ノーザン外厩組では、12番ウィクトーリアに妙味を感じる。

今どうこうでなく「注目の素質馬」的な目線で見れば、非ノーザン(シャダイだけど)の10番カレンブーケドールをはじめとしていろいろいそうだし、フレンチの血を3代内に持ってる子らも気になるが、それらはレース後感想記事に書くことにする。

 

【感想】 2019年 NHKマイルカップ

平成最後の国内G1春の天皇賞が、‘中小牧場の穴馬を探せ’派の期待を完膚なきまでに打ち砕いてわずか1週間。あれは時代替わりの刻印レースだったが、これ(NHKマイルC)も同じ意味で象徴的なレースだった。

外国人騎手の戦国時代到来。外国人 vs 日本人ではない。外国人 vs 外国人である。日本にはすでにデムルメというレギュラー外国人がいるのに、春季G1シーズンに合わせて身長165cm以上の20歳代が二人も短期免許で馬乗りに来た。二人はオーストラリア人。日本とは季節が真逆だから、日本の春クラシックにはいつでも乗りに来れる。交付基準を満たして、望めば毎年。

彼らの身元引受調教師はいずれもノーザンや社台と緊密な人物(堀師、池江師)で、契約馬主は、かたやノーザン吉田勝己氏の妻、かたや社台創業者・吉田善哉氏の妻(御年97歳!)。もしオーストラリアの二人がノーザン上層部のお眼鏡にかなえば、ノーザンの期待馬はデムルメの手から彼らに渡る――。

今年、デムルメはそろってどこかおかしかった。デムーロは、度重なる粗暴騎乗でノーザンの機嫌を損ねた(?)うえ、プライベートで何かがあったらしく、しょんぼりおとなしくなった。ルメールは春先まで、昨年の勢いはどこへやら、ポジション取りのミスや追い出しのタイミングずれが目立ち(どんな馬に乗っても上位人気になってしまうから、というのもある)、3月の頭には斜行で大事故のきっかけをつくってしまった。

デムーロは、見たとおり、気分感情が騎乗ぶりや成績に直結する。一方ルメールは、自制が利き、立ち居ふるまいが相対的に理性的である。しかしそのぶん無理をしているらしく(昨年の勝利数や周囲の評価にこだわるがあまりの焦りか)、その無理が大舞台での落差激しいラフプレーになってあらわれているようだ。 

 

今年のNHKマイルカップは、出走全馬が自身の持ち時計を更新したスピードレースになった。一応フルゲートだが、このレースは、実質ルメールデムーロ・川田の三人のマッチレースだった。川田はルメールをマークし、外枠のデムーロルメールと川田の二騎をマークしていた。

3コーナーでの位置取りはルメールが前から5頭目の内、そのすぐ斜め後ろ(外)に川田。ここで、それまで後方からルメールと川田を見るポジションだったデムーロが進出を開始、二頭ぶんほど間をあけてルメールと並ぶ形になった。

後のタックルにつながる事態は4コーナーから直線に向かうところで始まった

コーナーを回りながら馬を外に出してルメールに並びかけた川田に、デムーロが外からフタ。川田の前には福永トオヤリトセイト(ピンク帽に白メンコ)。これで川田の馬は直線の上り坂で馬群がバラけるのを待つしかなくなったが、川田はさすが、ここで腹をくくった。

問題はルメールルメールの前左(内)には秋山プールヴィル、前右(外)には内田ワイドファラオがいた。直線に向いて馬群がやや外に広がったとき、ルメールは馬を外に持ち出して内田ワイドファラオと福永トオヤの間を割ろうとした。が、直後に内田ワイドが外によれて福永トオヤに接触

進路がふさがったので、ルメールは仕方なくワイドファラオのよれた隙をつくべく、内に進路を変更。すると今度は、内田ワイドは内側に大きく馬を戻した(このときの内田の動きを見ると、意図的に進路を塞いでいるように見える)。

おそらくルメールは、発汗がひどく、かかってもいたアレグリアに分の悪さを感じとっていたのだろう。これは馬の個性からくる欠点なので、ジョッキーの責任ではない。が、馬は1.5倍の断トツ一番人気で、調教師は機嫌のいい時は天にも昇るようなウキウキぶりや鷹揚さを見せる藤沢和。その大風呂敷を本気にとった(?)馬主のサンデーレースホース(=社台+ノーザン)のグランアレグリアに賭ける期待も重々承知。結果、ルメールは重圧でキレた

川田が気の毒すぎる

直接的にはルメールだが、間接的には日本人騎手のルメール包囲網がダノン川田を馬券外にしたようなもんである。とはいえ、ルメールが日頃から川田にどれだけ脅威を感じているか明らかになったレースでもある。皐月賞で川田にタックルかましたのは、決してたまたまではないと誰の目にもはっきりした。

川田に脅威を感じているのはデムーロも同じだが、デムーロは情緒部分がルメールよりやや日本人寄りなので、川田に対しては他の日本人騎手と同じく ‘別の意味の脅威’ も感じているのだろう。デムーロがわざわざ川田に不利を仕掛けたという話は聞いたことがない。

それにしても今年のルメールは、昨年のデムーロ顔負けの危険騎乗の主人公になってしまった。ために、ヴィクトリアマイルはおろか、オークスもダービーも乗れない。大丈夫か、ルメール。家族も日本にいて、子どもは京都の外国人学校に通っているのに。家庭内で何かモメ事が発生していないことを祈る。

 

あと、個人的には、今回の降着劇の御沙汰と、ルメールが騎乗停止になったことによるクラシックでの騎乗馬乗り替わり御沙汰には、クサいクサいビジネスの匂いと怪訝な思いがぬぐえない。「配当に関わらない順位で繰り上がりと降着にしましょ、ルメールの騎乗停止は長くなっても無問題、新外国人のお手並みを拝見するいい機会」――胴元と一体化している競馬関係者の腹の中はどうせこんなもんである。勝負の世界などという甘いもんじゃない、広告代理店やマスコミを使ってどう持ち上げようと、騎手もJRA厩舎も馬券買いの平民もみんなビジネスの駒、経済動物なのである。

それでも競馬がある限り、競馬好きは馬券を買う。

‘廃用になった競走馬が可哀想でしょ’ と、馬の命を人質にしたビジネスも始まってるようだし、自分の業も含めて「あ~あ」という感じだ。 

 

シャケトラが死んだ

突然すぎて現実感がない。

つい先日、ウオッカが15歳の誕生日を迎える直前に亡くなったばかり。シャケトラ安楽死の報の後にはヒシアマゾン死去のニュースが走った。

ヒシアマゾンは満28歳での死去である。誕生日は3月26日だからちゃんと満年齢を迎えていた。それに、馬の28歳は大往生と言っていい。アマゾンの仔は2011年産が最後なので、馬主の阿部雅一郎氏は、「繁殖としてのアマゾンは20歳で引退、21歳からは功労馬として余生を送る」選択をしてくださったようだ。預託されていたアメリカのポログリーンステーブルというところも、アマゾンを大切にしてくれていたことは想像に難くない。だから、アマゾンについては素直に冥福を祈ることができる。

ところが、生半ばと思える馬の冥福を祈ことは、私には難しい

特に、何とか未然に防げたのではないかと思える病死や事故死、好きな馬や期待した馬の死は、がくりと自分の中の一部が欠け落ちたように感じてしまう。

シャケトラはマンハッタンカフェの仔だ。マンハッタンカフェは、青鹿毛と呼ばれる漆黒のビロードのような毛色(日本の伝統色名でいうと「濡羽色」がもっとも近い)が特徴の、品のある姿形をした馬だった。競走生活を引退後は種牡馬として生きていたが、4年前に17歳で病死している。

その仔、シャケトラを知ったのは2年前の日経新春杯。名前が名前だからネタ馬かと思ったら、デビューは遅かったもののとんとん拍子に出世して1000万下を勝ち上がった準OPの身分で重賞にでてきた馬だった。そこでシャケトラは、勝ち馬と斤量差はあったもののクビ差の2着に健闘した。

「配合された牝馬の長所を引き出す」とされるマンハッタンカフェの子どもたちは、なぜか毛色も牝馬側に影響されて、鹿毛(茶色系)が強く出ている仔が多かった。しかしシャケトラは父に似た青鹿毛。本家よりやや茶系が濃いものの、走る姿は汗で黒光りしてカッコ良かった。

その後、シャケトラは2017年暮れの有馬記念後に骨折が判明、治療休養のための1年のブランクを経て、今年1月に復活した。しかし春の天皇賞を前にした4月17日、調教中に左第1指骨の開放骨折と種子骨の複雑骨折を同時発症して安楽死の処置がとられた。

痛くて暴れたわけではないらしい。競馬記者の目撃談(SNS)には、3本の脚で立ち、静かに馬運車を待っていたとある。 

たとえ人間の場合のように、チタンで成型した骨型や固定具を入れる手術に成功しても、競走馬は立って寝るのが普通の姿だから、どうしても残った健全な脚に負担がかかる。負担がかかると蹄葉炎(ていようえん)や関節炎になる。寝かせたら寝かせたで、500kg前後の体、褥瘡(じょくそう)ができるのは人間より早い。そのうえ、治療に国からの補助が出るわけじゃなく、犬猫よりはるかに大型だから莫大な医療費がかかる。結局、莫大な医療費と時間と人手をかけたうえ、当の馬を苦しんだまま死なせてしまうことになる――。

それゆえの安楽死処置。同じ左前肢を2度目だから、大きな負荷がかかった途端、ボルトで固定した箇所が割れてしまったのかもしれない。

21世紀は、安楽死が一般的になるほど、競走馬の疾病や故障に際しての福祉が進んだ。

競走馬にも苦しい死より安らかな死を。

わかっている。それはわかってる。

けれどどこか釈然としない気持ちが残る。

1度目の骨折の後に復帰し、調教中にまた骨折して安楽死の処置がとられた有名馬にはジョワドヴィーヴルがいる。シャケトラが最初に骨折してから安楽死処置までの経過はジョワドヴィーヴルと同じだ。

こういう事故で安楽死処置がとられるたび、テンポイントの事例が引き合いに出されるが、それも釈然としない気持ちに拍車をかける。引き合いに出す人は、「これが現実だよ。だからあきらめなさい」と、悲嘆するファンを説得にかかる。

しかし、テンポイントの時代から、一体何年が過ぎているのだろう?

テンポイントの死は1978年。人間の重度骨折手術でも、髄内釘(ずいないてい)固定やプレート固定の技術や術後(予後)知見は今のように広まっていなかった。ましてや固定具の素材にチタンを使うことなど費用面からも技術面からも考えられなかった時代だ(素材はステンレスが先端技術で、まだ竹を使っていた医療機関もあったようだ)。

いつまでもテンポイントの時代をひきずって思考停止していたくない。

シャケトラはノーザンファームの生産馬である。1回目の骨折時の治療では最新かつ細心の医療を施されたに違いない。それでも競走馬として復帰すると、次の骨折まで運と時間の問題でしかなくなる。

それを承知でなお、なんとかならなかったのか、というのが私の正直な感情だ。

本気には、時間とカネがかかる。競走馬の予後不良~安楽死を少しでも食い止める本気が次のパラダイムを拓くまで、私はシャケトラのみならず沢山の彼ら彼女らの冥福が祈れない

2019年 皐月賞の審議の件

1着馬サートゥルと2着馬ヴェロックスの攻防では、着順確定までに長い長い審議があったらしい(仕事中なのでリアルタイムで観られなかった)。

帰る道々、馬友に電話で聞いたところでは「中継観とったけど、そんなひどなかったで」という話だったのに、パトロールビデオを観ると、ヴェロックスは最後の坂でサートゥルに結構強く当てられ、弾かれていた。サートゥルがヴェロックスに接触したのはルメールが左鞭をふるったすぐあとだ。好意的に見れば、ルメールはヴェロックスと併せ馬の形をとりたかったのかもしれない接触してから右手に鞭を持ちかえていた。

最後の直線、3頭の叩きあいと直後で伸びあぐねるマーズ、4頭の絵面は「力上位馬がそれぞれの力を出し切ったいいレースだった」と言うにふさわしかった。が、審議の原因になった場面を観たあとでは釈然としない気持ちが残る。

「あんなんで降着なっとったらなんもできん」「あのぐらいの接触はよくあること」等の意見に真っ向から異を唱えられるほど私は競馬に詳しくないし、肝もすわっていない。が、このままでは気持ち悪いのでここに自分の見方を書いておくことにする。

テレビ中継では、斜行や接触や不利の度合いがわからない。映す角度の違いで、馬がよれて走っても真っ直ぐ走っていたように見えてしまう。

「この程度では降着にならない」とはどの程度を指すのか私にはわからない。「降着にならなかったのは、サートゥルのほうが、接触がなくても着順は入れ替わらなかったとはっきりわかる伸び方をしていたからだ」は、ますますわからない。

「サートゥルのほうがヴェロックスより脚が前に出てた」という声(あくまで馬券買いの声であって関係者の声ではない)もある。

あの上り坂を、ヴェロックスは真っ直ぐ走っていた。パトロールビデオを直線からゴール入線まで観ればわかるが、直線を向いて少し行ったところでヴェロックスがやや外に寄れ(接触はしていない)、それを修正した後、川田は終始真っ直ぐ走らせる努力をしていた馬にとって、上り坂は斜めに走った方が登りやすくスピードも出やすい真っ直ぐ走らせる努力をしなくていいなら川田ヴェロックスがサートゥルに先着していた可能性だってあるしルメールがサートゥルを真っ直ぐ走らせる努力をしていたら、川田ヴェロックスに負けていた可能性もある

川田が愚直でルメールがクレバーだっただけなのか

ルメールには過怠金5万円が課せられたが、安すぎると感じたのは私だけだろうか。

JRA、いっそ「上り坂では、すぐに軌道修正すればヨレ放題ぶつかり放題OK」と明文化すればいいのに。落馬事故が起きて死傷者や予後不良が出てから審議、降着等の制裁なら、どんな馬券買いや馬主からも文句の出ようがない。

 

長い審議の末、「到達順位の通り確定」となったのは、ヴェロックスの馬主さんが諍いから降りたからじゃないかと私は思っている。

川田は口惜しかろう。

2019年 皐月賞

アーリントンCって2月じゃなかったのか。新聞でエイシンキャメロン以来の懐かしいレース名を見て不思議な気がした。どうやら昨年から開催時期が変更になったようだ。前々回のブランクからの復帰時には、中京記念が3月から7月に移行していて面食らった。芝レースばかりG1昇格が増えてるし、なんだろね、必然性あるのかね。

 

今日は皐月賞皐月賞は、流れが弥生賞と違うらしい。弥生賞では瞬発力があれば勝ち負けできるが、皐月賞では「持続力と底力が必要」らしい。私はこの「底力」ってやつがわからん。きょうだいや近い親戚に重賞をいくつも勝った馬がいれば「底力」なんだろうか。もしそうなら「底力」とは「母系血統の競走実績」を指すのか。だとしたら皐月の勝ち馬はもう決まりみたいなもん。そこに昨年の最多勝ジョッキーを乗せれば鬼に金棒、皐月攻略なんて簡単だ。……と、うまい具合にいったらいいけど、あんた、アーリントンじゃ藤沢カズ&ルメールタッグの1番人気が16着だよ、ググってみたら天栄馬だよ!……皐月出走馬の中では11番ラストドラフトが中山2000で一番速い時計を持っている。でも鞍上シュタルケ。こりゃ買えねーなと思ったのにそのシュタルケが7番人気で2着。阪神外回りと中山では同じマイルでもウマ走らせる難しさ段違いだけど、うまいこと迷わせるね、いやらしいよ競馬。

で、私の狙い馬だけど、これが1頭や2頭に絞れない。迷うと外れる。迷わなくても外れるけどね。ま、仕方がない。

現時点(朝6時)の4番人気以下では7番ヴェロックス、10番シュヴァルツリーゼ、17番アドマイヤジャスタがいいと思う。ヴェロックスは56kg背負って2連勝なのがいい。敵はこれまで少頭数でしか戦ったことがないこと。シュヴァルツリーゼはキャリア2戦でしかないけど前走の内容がいい。重馬場で外を走れたから2着に来れたとみることもできるが、レースよく見たら、この馬、重は得意でない走り。それで2着。アドマイヤジャスタは母系が長距離系。母系長距離系は皐月では用なしのことが多いけど(往々にして晩成でもあるため)、ホープフル2着なのを忘れてはいけない。ホープフルの時の鞍上ルメールがサートゥルを打診されてそちらに乗り替わった以上、ジャスタに勝ち目はないとみるのが妥当だが、「サートゥルに勝てるわけがないから馬券にも絡まない」ってことにはならない。3着はあるかもかも。

あとは騎手が怖い2番サトノルークス。サトノルークスの母系は日本ではまだ登場して2、3年しかたってなく、海のものとも山のものとも知れないけれど、海外では芝の中長距離を得意としている。前走すみれS組は軽視されやすいが、ルークスは芝1800で(2.1.0.0)。アウェイの熱気で萎縮しなければ、池添の戦略次第。

おまけで8番ニシノデイジーと9番メイショウテンゲンも挙げておこう(どんだけ言うねん!)。この2頭は騎手という大きなハンディを背負っている。勝浦には勝負勘がなく(不利や落馬負傷をおそれてる?)、三浦は西部劇か南北戦争のような追い出し方、ムチの当て方をする(=物理を考えず、単純な物理パワーに頼りすぎ)。彼らが「自分が馬をリードする」気持ちを捨てて、馬の走る気を扶助する扶助者に徹することができれば展開的に漁夫の利を得ることが可能。

なお(まだ言うか)、5番ランスオブプラーナは瞳が美しいので応援してやりたいが、ちょっとそこまで手を広げられない。というか、松山がこの大一番で出遅れるような気がして怖い。6番クラージュゲリエは全出走馬中1頭だけ血統的に毛色が違って、しかも鞍上ノリなので大荒れを願って買うことも考えられるが、ちょっとそこまで手を(以下略)。16番タガノは厩舎の入念な馬づくりに好感と敬意を抱いたので一瞬買いたくなったが、鞍上を見て即やめた。13番ブレイキングドーンは、ちょっと前まで皐月の穴に指名する予定だったが、この枠順では隣12番サートゥルナ―リアの壁になっていただきたく。ホープフル観返したら、福永はサートゥルのことムダにフタしてたように思えたし(ミルコがドーンせざるをえなかった気持ちが少しわかった)。

 

結論:観るだけのレースにしてもいいんじゃないですかね。←結局それかい!

【反省】 2019 桜花賞(シゲル項に追記あり)

敗因は、藤沢和と8枠の軽視に尽きる。グランは買ったけれど「外厩しがらき」勢を上位にとってしまった。

8枠にはシゲルとプールヴィルがいた。シゲルは「前走で力を出し切ったろうから出がらし状態に違いない。それにフルゲートG1の8枠じゃ経験不足が露呈するだろう」、プールヴィルは阪神JF以来の期待馬だが「410kg台の小柄に大外18番は厳しい」と見て切った。クラシック緒戦を(馬券的に)勝って弾みをつけるには、買い目を減らす必要があって、そのためには極端な枠の馬を切り捨てるのが手っ取り早い。8枠を軽視することで検討対象を1枠~7枠の馬たちに限定できる。しかし賢いやり方をしているつもりでバクチに負けた。

 

1着 グランアレグリアルメール

朝日杯でデムーロ&マーズの強襲に遭い、3着。デムーロルメールアレグリアを意図的に脅したように見えたので、強いといっても2歳牝馬、メンタルが心配だった.

馬は感情記憶が強いらしいが、3か月半のブランクはリセットにちょうど良かったようだ。レース映像を観ると、グランアレグリアは朝日杯時に比べて「直線を向いたときの脚のもたつき」が小さかった。朝日杯は東京マイルを2度圧勝して臨んだ初の右回り、そのもたつきの瞬間をデムーロに狙われたのだが、外厩でしっかり右回り対策と「いきなりの接触」対策が施されたのだろう。

レース後、ルメールアレグリアオークス展望について問われて言葉を濁している。血統的には、前向きすぎる気性をバックパサの陰支援で抑えているので2400mを「こなせないことはない」。が、勝ち負けとなると、ルメールとしてはフラワーカップを勝ったあの馬の方がいいのかもしれない。

 

2着 シゲルピンクダイヤ(和田)

チューリップ賞の翌日、馬友と「シゲル馬がクラシックで2着や3着にでもなったらおもろいな」と話した。直線で猛追した脚には見どころがあったし、調教師はナリタトップロードの主戦だったナベちゃん、鞍上はかつてテイエムオペラオーの主戦で 今は<刺客忍者>と化した和田なのが好感度大。いやが上にも盛り上がって、そのときは結構本気でピンクダイヤを(何かのヒモで)買うつもりだった。なのに本番が近づくとすっかり忘れた。←競馬あるある。

終いの脚が使えたのは出遅れが幸いした面がある。しかしそれだけではなく、4コーナーから直線、後ろから4、5頭目の外を走っていたピンクダイヤは、和田のリードに従って周囲のどの馬よりも速くポジションどりを開始、馬群を縫って、内回りコースの内ラチが延びるところでは前から5頭目の内目に進出している。和田の技術と判断力はもちろん、ピンクダイヤの「ひるまなさ」も大したもの。いくら大胆で巧い騎手が乗っても、馬が指示どおりに動けなかったらどうしようもない。

シゲル冠名馬には使い倒されのイメージがあった。たくさんの馬を安く買いたたいて、たくさん走らせて小銭を稼ぐ、それがシゲル馬主さんのイメージで、まさか秋のデビューからチューリップ賞までにわずか2走しかさせない馬がいるとは思わなかった。これまでのパターン?では、連闘でデイリー杯2歳S、そこで負けたら500万下に出して、また負けて500万下やオープンに出走、3月には5、6走していても不思議ではなかったからだ。ピンクダイヤがそういうローテを組まれた馬ではないことで「シゲルの期待馬」なのはわかったが、私の深層にチューリップ賞2着をフロック視したい気持ちがあったのだと思う。

調べてみると、ピンクダイヤのセリ取引価格は税込み1,728万円。国内産のシゲル冠馬にしては破格に近い高値だ。ピンクダイヤの母ムーンライトベイは、もともとノーザンの輸入牝馬の産駒(初仔)だが、繁殖として第3仔出産まではノーザンにいて、2013年のジェイエス繁殖馬セールでディープブリランテの仔を受胎した状態で売りに出され、357万円(税別?)で天羽牧場に買われた。

ノーザンがムーンライトベイを放出した事情はよくわからないが、ムーンライトベイの産駒で、競馬で勝利したのは地方・中央含めて第6仔のシゲルピンクダイヤが初めて。ピンクダイヤの母系三代母の父がノーザンテーストと父~母父まで同血の  The Minstrel なので、ノーザンテーストを母父に持つダイワメジャーとの配合で「走る遺伝子」が覚醒したのだろうか。

レースレコードになった桜花賞で、シゲルピンクダイヤは上がり3F最速を記録した(32.7)。これでピンクダイヤは、未勝利~チューリップ賞桜花賞と、3戦連続で上がり最速の脚を繰り出したことになる。

なかなかに世知辛い出生背景を持ち、大手外厩とは縁がなさそうな、こういう駿馬を買えなかったのは痛恨の極みだ。

※追記 シゲルさんは2016年産47頭購入。いずれも宝石の名前か宝石にかかわる擬音をネーミング。うち、「シゲル○○…ダイヤ」と命名された馬は購入価格が1000万円を超えていることが判明。シゲルさんの中で一体どういう心境の変化があったのか。なお、高額馬のうち、シゲルクロダイはこれまでどおりのシゲル&ブルベアローテで現在13戦未勝利

 

3着 クロノジェネシス(北村友)

いい馬である。過去記事にも書いたが、日本の馬場には重めと感じられる血統馬が好みである。 

tumaranaimonodesuga.hatenablog.com

母父がフレンチデピュティ系のクロフネなのもいい。牡馬は競い合うことをあまり好まなさそうな、のっそり晩成になりがちだが、牝馬はレースでしぶとく粘る。そこに切れる脚もあるから、クロノは悪くても2着は確実だと思ったが……。

北村クロノは直線入り口で外をかぶされ前は詰まって、進路取りに迷った一瞬の隙をついて右外を和田ピンクダイヤに抜かれた。そのあとも緑帽が壁になり、接触もあって外に出したいのに出せない状態が続いた。クロノジェネシスはゴールまであと150mというところでぐんと伸びていた。それだけにもったいないレースだった。

北村友にいい意味のちゃらんぽらんさがあれば、ごちゃついた中でも活路を見いだせたのではないだろうか。

 

4着 ダノンファンタジー(川田)

チューリップ賞に出ることを知って、「何故わざわざ?」と感じた。桜花賞の出走に、ダノンファンタジーの賞金は十分すぎるほどある。チューリップを使うことで、前哨戦をまったく使わないグランアレグリアより疲れが残るのではないか。外厩でどれほどハードな模擬戦をしようと、1回の実戦に比べれば神経的な疲労度は小さい。実戦には長時間の待機があり、いつもざわついていて、沢山の人の目と沢山の大声、(馬には)奇矯な音にしか聴こえない演奏が神経をすり減らさせる。

ダノンファンタジーの馬体重は今回が+2kgになっただけで、前4走は増減なしで来ている。厩舎サイドの努力もあろうが、体質は強い。しかし体質とメンタルはまた別のものだ。

すでに除外されないだけの賞金を持っている2歳~3歳の有力馬に前哨戦を使うことの是非を問うつもりはない。ただ敵に勝ちたいのに敵にハンディをくれてやった形で臨んだのが残念だ。

 

5着 ビーチサンバ(福永)

福永騎手のレース後コメントのどこを読んでも、残り1000mで前に進出した理由がわからない。結果論だが、新馬クイーンCで鋭い上がりを発揮しているのだから、馬群が固まる3コーナーから4コーナーでポジションを上げて直線に賭けてもよかった。

あるいは、もしかしたら……オークスを照準にして “どれだけ長い脚を使えるか” 試走してみたのかもしれない。それが実を結ぶかどうかはフタを開けてみないとわからないが。

 

6着 プールヴィル(秋山)

大外から逃げて良く頑張った、としか言えない。

桜花賞全出走馬の中で、父系母系のどこにもサンデーサイレンスが入ってないのはこの馬だけである。体も小さい。なのに大外18番。枠順を知って「いじめか!」と思った。

阪神JFを振り返った過去記事の中で、私は “今回の当日馬体重426kg、体重はこれを下限にしてもらいたい。” と書いたが、410kg台のほうが頑張れるようだ。

馬体の壁、マイルの壁が立ちふさがっている以上、これから先も厳しい戦いが待っている。しかし先祖帰りを企図したような配合に馬産家のプライドと執念が見てとれるので、ここで見離すわけにいかない。1400が得意そうなので、距離をもし伸ばすなら400で割れる距離でなく、1500や1800、そして真ん中より内目の枠が引けたらなんとかなりそうな気がするが、どうだろうか。

 

7着 エールヴォア(松山)

内枠を生かせず後ろからになったのが全て。追い切りこそそれなりだったが中間の調教は慣らしのみ。遠征後の中2Wではまだ疲れが残っていたと考えるのが自然。

この馬、母フィーリングトーンの仔としては初の中央勝ち産駒(第5仔)。

マイルは未勝利なれど1800と2000で勝利していて(いずれも阪神)、2回関東に遠征して2回とも3着以内なのが面白い。フラワーCの勝ち馬に逆転は難しかろうが、2週間と少しだけでもリラックスと馬体メンテに努めれば、5月東京で健闘がありうる。

 

8着 ジュランビル(松若)

猛烈なスピード馬である。桜花賞では、マイル未経験の鉄砲娘が馬券に絡むことがままある。2週連続で強い調教を施してさえいなければ、買い目に加えていた。厩舎サイドの不安はわからないでもないが、勢いに任せすぎた。

この馬も、母馬の初中央勝ち産駒である(第7仔)。母アリーの出す仔の馬体は、いつもそんなに悪くないのにさっぱり結果が出なかった。血統書詐欺を疑ってアメリカに怒鳴り込んでもおかしくなかったが、これまでは相性の難しさがあったのかもしれない。

 

9着 シェーングランツ武豊

馬が寂しがっている。

 

10着 アウィルアウェイ(石橋)

マイルが未経験なことより、武器(特性)がはっきりしないのと、父系母系全体でみて3歳で頭角をあらわすタイプではないと判断したので買わなかった。しかし高野厩舎の調教の工夫には好感を持った。前走フィリーズレビューでは、2週連続強い調教をした。そのせいかどうか、レースでは興奮してかかりっきりになり、1番人気7着。今回は中間と追い切りを、ダリア賞の時と同じくらいのメリハリをつけた内容に変えてきた。本番・桜花賞では結果が出せなかったが、外厩まかせにしないことで蓄積できる「知」はきっとある。

2019年 桜花賞

アラレと雹とみぞれと雨の数日が過ぎた木曜日、春の陽気が戻ってきた。次の日にはGW並みの暑さ。温かさが続くのは悪くないが、一度収まったスギ花粉がまたひどく降ってきて、花粉症の私は頭痛と鼻水がひどい。黄砂のせいか急激な温暖化のせいか、子どもの頃より量が増えたか毒性を持ったと思える花粉、人間に近い哺乳類への影響はどうなんだろうか。そのうち馬の花粉症が発見されるような気がしてならない。

数日前には蕾のままだった桜が今日は満開。例年、桜ぼんぼりの時季には測ったように雨風が襲い、あっという間に花びらを散らしていく。空模様を見ると、今年もきっとそうなる。

桜と言えば競馬好きには桜花賞桜花賞と言えば私にはレジネッタが印象深い。新馬時の調教の良さと名前の可愛らしさで追っかけ馬券を買うようになった馬だが、出走するたび馬体重の増減が激しく、桜花賞当日はG1未勝利の小牧が騎乗するとあって結構な不人気だった。こちらもレジネッタに関しては応援と義理の惰性馬券になっていたから「5着くらいに入ってくれれば…」程度の気持ちだった。

そういや小牧の桜花賞勝利ジョッキーインタビュー、あれ You tube から消えてるようだ。あの涙とタオル、「吐くまで呑みます」発言は、おまけの単複豆券しかゲットできなかった私でも感動した。誰か再アップしてくれないだろうか。

 

さて今日の桜花賞

全18頭のうち、社台系は13頭出走、うちノーザン9頭。

ノーザン生産馬の中で、前走後にノーザン直轄の外厩に入って戻ったのが5頭。天栄組はグランアレグリアとフィリアプーラしがらき組はクロノジェネシス、アウィルアウェイ、ビーチサンバ阪神JFの覇者で唯一の4勝馬、ダノンファンタジーは今回栗東内で調整されている。

私はしがらき組の2頭、クロノジェネシスとビーチサンバを中心にするつもりだ。そこにダノンと天栄組のグラン、乗り替わり岩田のノーブルスコア、社台ファーム外厩(グリーンウッド)を使ってきたアクアミラビリスを少し。

調教の字面ではアクアミラビリスとダノンファンタジーが目につくが、アクアミラビリスはMデムーロがいつもの調子ですっ飛ばした勢い時計に感じるし、ダノンファンタジーは調教の全体時計は速くても、馬がかかっている感じがした。走りたくてたまらないというより、刑を執行するなら早くしてくれ、みたいな??

逆に、いい感じだったのはクロノジェネシス。落ち着いて安定したラップを踏んでいた。ビーチサンバは「しまいのみ」だったが、そこは厩舎と騎手の実績と信頼関係に賭ける。

予報では、今日の阪神地方の天気は午後から崩れやすくなるようだ。

湿り気を含んだ馬場が不得意じゃなくても、雨が体に当たるのがイヤな馬もいる。いつもなら興奮しすぎて制御が利かないのに、脚もとが滑って怖いからジョッキーの指示に素直に従うようになる馬もいる。

馬券のための予想だが、基本、どの馬も応援したい。