ディープインパクト死す(享年 満17歳)

訃報を知ったのは昼休み。

ネットのニューストピックに載っていた。

言葉を交わす同僚の中に、競馬好きはいない。

じっとしていられなくなったから、馬仲間が集まるあの店に行って、

気持ちが収まるまでとりとめなく話をして話を聞いて

時間をつぶしたかった。

でも、それが叶わないのでこれを書いている。

 

私はディープインパクトのファンではない。

ディープインパクトの現役時、同じ02年産で応援していたのは

アドマイヤジャパンアドマイヤフジシックスセンスだ。

けれど、ディープインパクトは壁として敵として大きすぎる存在だったから、

薬物問題で凱旋門賞3位入線が失格になった時には、

“知っていて黙っていた、様子を見ていた”と思しきフランス人を非難し、

(熱発時、レースが近い場合に処方する薬物について、

 外国人であるディープ陣営が現地の競馬関係者に尋ねないはずはないから)

ディープ陣営を擁護した。

心無い人はその後もディープインパクトを薬物馬と揶揄したが、

発端が何にせよ落ち度は人間の側にあり、馬に責任はない。

 

ディープインパクトは満17歳と4ヶ月だった。

もしサラブレッドが、無理に走らされることなく、

身の安全を保証され食住足りる中で過ごし、

犬猫などのペット同様医療も受けられたなら、25、6歳までは生きるだろう。

それを想うと早い死だ。

昨年の暮れごろから、ディープの健康状態に不安があるとの噂が出回っていたが、

競馬サークルの中にいるわけでなし社台系のクラブメンバーでもないこちらには

情報の真偽を確かめる術がなかった。

 

「首の手術を受けて、それは成功したが首の骨折が見つかった」というのが

外野の私にはなんとも解せない(なぜ首の手術? 首の骨折は何が原因?等)が、

今年の種付けではバランスを崩す場面が多かったらしい。

その原因を頸椎の異常とみて関係者は手術に踏み切った。

しかしその頸椎異常、“種付け回数の多さ”が影響していた可能性はないだろうか。

(牡馬が自分の体をほとんど動かさず種付けを済ますことはありえない)

 

種牡馬としてほぼ同じ年数働いて、

同じ馬齢で亡くなった元競走馬を例にとってみよう。

 サンデーサイレンス

種牡馬供用期間:1991年~2002年(12年間)

総種付け頭数 :1837頭

ディープインパクト

種牡馬供用期間:2007年~2018年(12年間)

総種付け頭数 :2771頭

JBIS種牡馬データによる)

 

2019年の種付け頭数はJBIS種牡馬データでは載っていなかった。

なので昨年度実績までの比較になる。

同じ12年間で、ディープインパクト

サンデーサイレンスより 934頭も 多く種付けをこなしていた

年数で大雑把に割ると、サンデーサイレンスは年間153頭、

ディープインパクトは年間230頭

年間と書いたが、実際は種付けシーズン(3ヶ月前後)だけで

それだけの頭数をこなしているのだ。

今年は、フラついてはいても心臓麻痺で倒れたわけじゃなし?、

20数頭に種付けさせ、しかしこれ以上は無理ということで中止になったという。

 

人間でも「痛い」と訴えないと痛いことがわかってもらえない。

ましてや馬。「痛い」と言えない。

我慢することが習い性になっていれば、

触診されてるときでも痛みを我慢することがあるだろう。

(人間はいつから、コトバに頼りすぎて観察をおろそかにするようになったのか)

 

いくら医療技術やホルモン・神経系の投薬知見が

1990年代や2000年前後より飛躍的に発達したとて、

生物としての体には限界があり、

種牡馬はそれが仕事」だとしても無理すぎたのではないだろうか。

 

ディープインパクトは、バブル崩壊で個人馬主の多くが消え、

馬が売れなくなった時代に生まれた。

競馬ファンの多くも会社倒産やリストラに遭い、競馬どころでなくなった。

そのような日本競馬の危機の時代にあって、

競馬に人を呼び戻したのがディープインパクトだった。

 

ポルトガルのアルガ山での野生馬の研究によれば、

野生ウマの社会:霊長類との比較から | 京都大学霊長類研究所 - チンパンジーアイ

野生馬は、オス1頭につきメス5頭の群れだそうだ。

これを仮に、食住足りていない(餓死や襲われての死もある)から

オス1頭につきメス5頭だとしよう。

では、食住足りていればどうなるか。

それでもオス1頭につきメス100頭にはならないだろう。

50頭、いや30頭にもならないかもしれない。

 

サンデーサイレンスが死んだとき、競馬ファンの間では

「勃起させすぎ、種付けさせすぎが原因じゃないか」と囁かれた。

種付け意欲を呼び起こすためのホルモン投与が

カルシウム不足と免疫系の不全を招いたのではないかという声もあった。

 

ディープインパクトの冥福を祈ります。 

【感想】 2019年 宝塚記念

ダミアン・レーンの『勝つための騎乗』が鮮やかな夏のグランプリだった

前に行くだろうとは思っていたが、あんなに前につけるとは思わなかった。

5、6番手だったら勝ちはなかった。チャンスを待つのではなく、勝てる条件に自分を持っていった。結果、先行押しきりで完勝。ダミアン・レーン天晴れ。リスグラシューも天晴れ

レース後の調教師インタビューで、リスグラシューを預かる矢作調教師は「(あの騎乗は)日本人にはできない」と言ったらしいが、実は日本人にもできないことはない。『できないことはないけれど、やっちゃいけないと教えられ、そう育てられてきた』社会的土壌で、過去には「レースを壊した」「指示に従わなかった」と責められて騎乗機会を無くした騎手だって多くいたはずだ。ダミアン・レーンにしても、キャリアの中で「差し脚で勝ち負けになってきた馬をレースでいきなり脚質転換させて失敗した、怒られた」ことが無いとは限らない。センスは天賦のものだが、経験の蓄積天才がひらめきを開花させるため、凡人がセンスに近づくための必要条件である。

JRA短期免許の最後だからできた冒険ではあろう。しかしこれまでに試してみないとわからんもんな、俺は赦すと言える ‘上の人’ がどれだけいたか、そういう社会環境の違いは大きい

キセキは残念だった。スタートがいい馬でないのは確かだが、今回は特に行き脚がつかなかった。スティッフェリオ丸山は様子をうかがいつつ一旦先頭に立ちながら、押していくのを躊躇してキセキを待ったが、このタイムロスが、レーンに考えて判断する一瞬の猶予を与え、終始キセキ川田をつつくポジション取りをさせたのではないだろうか。

キセキの脚質、川田のこだわりを考えると、これからも大レースではつつかれる展開が続くだろう。キセキにはもう、G1勝ちの上乗せは無理かもしれない――そんな思いもよぎる。キセキファンであり母系祖母ロンドンブリッジの血族のファンでもある私は、そう思ってしまう自分が辛い。

3着にはスワーヴリチャードミルコ・デムーロの意地を見た。いつ追うのをやめるか、G1でもハラハラさせる最近のミルコだが、スタートしてまもなく外を上がっていく隣の桃帽を見て『ハートに火がついた』ようだ。もとより、スワーヴリチャードはスタートで大きな不利があった昨年の秋天以外は、中山競馬場でしか馬券になっていない馬。おかしな不利さえなければチャンスは十分。ただ、‘ 追われながら坂を上がる ’ のが苦手なので、ヨレ癖を修正しながら追わなければならなかったのが痛かった。

4着アルアイン。勝ち馬から1秒1も離されての入線だったが、これは通ったコースが悪かった。コースの最内、ここを通った馬はみな伸びあぐねている。映像でも、芝が剥げ、土が飛んでいるのがよくわかる。レース前、アルアインには距離不安が噂されていた。鞍上の北村友一もそれを怖れて最内を選択したのかもしれないが、もしスワーヴリチャードの真後ろにでもつけていたら、3着とはもう少し差が縮まっていたはずだ。

5着1番人気レイデオロ。全キャリア13戦のうち、関西圏への遠征はわずか2回。1着1回、3着1回。能力は高い。でも生き物。直線に向かうところではルメールが幾度となくムチを振り上げていた。騎手を含めた、陣営の失策によるギリ掲示板だった。

※いま気づいた。訂正。レイデオロは最終オッズ2番人気で、1番人気はキセキでした。わしが投票した日曜朝はレイデオロが1番人気だったのに、どうりで配当安いはずですわ。

 

6着ノーブルマーズ。2019宝塚の結果を除くと、大敗したのは3歳青葉賞時と昨年のジャパンカップのみ。それ以外は負けても0.7差に踏みとどまっていた。何が理由かはわからないが、4歳で1600万下を勝ち上がり、5歳でOP~重賞のひとつぐらい勝っても不思議ない力量の馬なのに、OP以上を未勝利のまま6歳を迎えてしまった。もしこの馬にずっと乗り続けている騎手がいるなら、この馬の引退までにせめて1勝、勝ち星を加えてやるのが責務だと思うがどうだろうか。

スティッフェリオ丸山は、逃げるのをやめて『ついて回る』ことに徹した。それで7着。陣営的には大崩れするよりはよかったのだろうが、「なんだかなー」。こういうレースの向き合い方をしていると、スティッフェリオがポテンシャルとして持っているものを引き出せずに終わるだろう。馬の5歳は「下手したらあとがない」。騎手丸山が知らないはずはないのだが。

 

<おまけ:2019宝塚記念出走時の5歳馬のキャリア

キセキ 16戦4勝

レイデオロ 12戦7勝

アルアイン 15戦5勝

スティッフェリオ 20戦7勝

クリンチャー 14戦3勝

スワーヴリチャード 14戦5勝

リスグラシュー 194勝

勝ち鞍の数より、総出走数を見て驚いた。リスグラシュー、いつのまにこんなに走っていたのか。タフで、けっこう苦労馬。牡馬混G1を勝てて本当に良かった。 

2019年 宝塚記念

出てきたら、グローリーヴェイズとブラストワンピースを買おうと思ってた。

グローリーヴェイズは、母系から、春天よりグランプリのほうが合いそうだったのに春天に出て2着。疲れが取れないのだろうか。

ブラストワンピースは春の2戦が「こんなはずじゃなかった」からなのか。行く可能性が低い凱旋門賞の話題が先行している。

 

宝塚記念の枠番はまたしても川田とルメールが隣り合わせ。エタリオウの鞍上がMデムでないだけ、スタートから不穏てことにはならなそうだが、そのエタリオウの隣に北村友一。内に癖のある役者?が揃いすぎてて怖い。ノリさんが他の思惑何ぞ気にせずに飄々と出し抜いてくれると面白いんだが、ノリさんだからアテにはできない。

外枠に目を向けると、8枠11番にMデムのスワーヴリチャード。12番にレーンのリスグラシュー。Mデムは強引な騎乗を自制するようになったぶん、勝つための競馬を早々にあきらめるようになった。若いレーンが勝ち星をどんどん増やす中で、年齢と体格的なハンディを強く意識するようになってしまったのかもしれない。スワーヴに馬券の目があるとすれば漁夫の利を狙うしかなさそうだ。

中心は12番のレーン騎乗リスグラシュー。馬場状態を問わないし、阪神との相性もいい。牝馬は乗り替わりが懸念材料になるが、リスグラシューの場合、これまで外国人騎手がテン乗りして馬券内を外したことはない。あえて気になるところを探せば、半年のあいだに2回、香港で激しいレースを体験していることだが、距離的にドバイやヨーロッパよりはマシ。勝つまでは厳しくても馬券内は外さないと見る。

上半期G1の最後なので、リスグラシューを軸に手広く流すつもりだ。

JRA競走馬の飼料から禁止薬物 156頭が競走除外へ

 15日の朝に知ったのだけれど、ヤフーがいつまでも記事をあげてるから、競馬をしない一般人にひどい誤解が広まりだしてる。16日の新聞見出しでまたそういう層が増えるかと思うと気分が萎える。

便乗して騒ぎを拡大させたい連中が「想像と事実をまぜこぜにして」ネットで叫び出してるもんで、ミスリードにひきずられる怖さも感じる。

そこで、自分なりに現時点で事実と思われることをまとめ、感想なども付記してみる。

 

<明らかになっていること>

検出された「禁止薬物」はテオブロミン競走馬理化学研究所の分析で、『グリーンカル』というサプリメントに含まれていることが確認された。『グリーンカル』は、競走馬の普段の餌に添加する栄養剤のようなものである。

テオブロミンはココアやチョコレートにも含まれている成分で、カフェイン同様、覚せい作用や気管支拡張作用を持つ。ごくごく微量ならともかく、生体に影響が出る(興奮作用で疲れを感じにくくなる、呼吸がしやすくなり、運動で息があがりにくくなる等)ほど摂取すると尿検査でひっかかる。

●当該飼料『グリーンカル』使用厩舎は、美浦栗東21

●なのでその飼料を使っている厩舎出走全馬が公正競馬の観点から除外対象になり、その数が今週土日合計で156頭

『グリーンカル』は競走馬用サプリとしては一般的で、現在は他のものに替えているが、かつては使用していた厩舎がある(松田国英厩舎など)。

●『グリーンカル』の外袋には「材料に禁止薬物は入っていない」ことが明記されており、トレセン売店のJRAファシリティーズ(JRA関連会社)でも売っている

『グリーンカル』利用厩舎は、『グリーンカル』をトレセン売店のJRAファシリティーズ(JRA関連会社)で買っていた

●『グリーンカル』の販売元は三菱商事連結子会社である日本農産工業株式会社、製造元はニッチク薬品工業株式会社である。

JRAのトレセン厩舎で使用される飼料やサプリについては、販売前に競走馬理化学研究所が内容分析を行い、「規制薬物」や「禁止薬物」が検出された場合、JRAはその取扱い(販売・使用)を認めていない

●『グリーンカル』を使用していたため、今回所属馬が競走除外になった厩舎は以下の通り(*は函館組のみ競走除外)

美浦…大江原、小桧山、杉浦、田中剛、土田、的場

栗東…安達、飯田雄*、池添兼、大根田、大橋、昆、佐々木、鮫島、笹田、須貝、鈴木孝、高野、西橋、西園、西浦、服部、藤沢則、南井、宮、安田隆*、山内、湯窪

 

<真偽未確認だけど15日朝の時点で伝わってきたこと>

●件のサプリは、理化学研究所の検査を通過する前にトレセン売店で売られていた。

  

これについてはJRA裁決委員が取材に答えた記事がある

eonet.jp

 

 

そして15日夜、販売元の日本農産工業株式会社は、同社HPにて「原材料にテオブロミンは使用していない」「現時点では原因を特定できておらず、原因究明のため調査中」である旨を発表(PDFファイル)。

 https://www.nosan.co.jp/information/pdf/00000107_1.pdf

 

 

解せぬ…

『グリーンカル』はけっこう以前からJRAトレセン厩舎で使用されていたサプリとのことだが、理化学研究所で検査を受けたのは今回が初めてだったのか?

『グリーンカル』が以前に理化学研究所の検査に合格していたとして、今回検査対象になったのはロット変更か仕様変更があったからなのか?

それならそれで、検査中のサプリが、検査を済ませて「流通可、使用可」となる前にトレセン内で売られていたのは何故なのか。

販売元とトレセンに納入する業者は同じなのか違うのか。同じとすれば販売元の責任は免れえないし、違うとすれば、納入業者に未検査のサプリを納入させたのは販売元なのかトレセンなのか。

納入されるトレセン側(JRAファシリティーズ)は、サプリや飼料が検査済みか否かチェックしないでただ受け取って売るだけなのか? JRAファシリティーズに理化学研究所と横の連絡をとりあう部署はないのか? トレセン内にサプリや飼料の流通を管理監視する、JRAファシリティーズからも独立した権限を持つJRA職員はいないのか?

日本農産工業(株)がリリースした文書(記事)によると、日本農産工業(株)に競走馬理化学研究所から「おたくんとこのサプリから禁止薬物が検出されました」と連絡があったのは14日午後。社会常識・ビジネスの常識として、JRAや農林水産省のJRAを監視する部署に、同じ連絡がほとんど同時に入ったものと考えられるが、そのとき、JRAはどう動いたか。農林水産省のJRAを監視する部署はどう動いたか。緊急性を理解していたならトレセン日本農産工業(株)またはニッチクの倉庫に急行し、両方の場所で情報と現物サンプルの収集につとめ、新たに入手したサンプルを理化学研究所に検査依頼するはず。それをしていたかどうか。

 

禁止薬物が混ざったサプリを使用していたために、今回所属馬が競走除外になった厩舎は、須貝厩舎と安田隆厩舎を除き、リーディングランキングとはあまり縁のなさそうなところばかりである。ランキング上位でなければ大手牧場生産馬や大手牧場系馬主と縁が薄い。縁が薄いということは、入ってくるお金が少なく、自転車操業のような経営を余儀なくされている厩舎もあるということだ

なので、

『グリーンカル』は、大手馬主ご用達のリーディング上位常連厩舎が常用するサプリと違って安いんだろうなあ

と思った。

そしたらなんか

 

  

泣けてきた。 

 

 

※上記記事を投稿したのは16日午前2時台。7時間後の午前9時台に以下を追記。

その後、「使用実績のあったグリーンカルは、以前は陽性が確認されず、昨年12月出荷分から禁止薬物が含まれていた」と報道された。

ということは、「今年の初めからテオブロミンの影響を受けたままレースに出走した馬がいた。それも大量」の可能性はまったく否定できない。

最近の事例では、安田記念ロジクライ(須貝厩舎)の “スタート直後にゲート横切り事件” 、あれはテオブロミン成分の影響を受けて起きたのかもしれない。

競走馬理化学研究所がグリーンカルの成分を検査していたのは、4月に販売元・日本農産工業が御自ら検査を申請したかららしい。でも、昨年末から流通してたのに4ヶ月経ってから検査申請したのは何故?

そもそもグリーンカルへのデオブロミン混入が、単に混入なのか、それとも勝手に仕様変更されて混ぜ混ぜされたのかがわからない。

 

昨日の朝の段階で、私は「他にも理化学研究所の検査結果を待たずに、あるいは理化学研究所を通さずに使われている飼料・サプリがあるのではないか。今回のグリーンカル・テオブロミン混入発覚はそれらに対する警告的意味合いがあるのではないか」と思ったのだけども(なんせグリーンカルを使ってる厩舎はエリート厩舎じゃないところがほとんどだから)、これもまた成り行きを見なければわからない。

 

使ってた厩舎だけを処罰・制裁対象とするのはやめてよね、JRA。

もしかしたら、JRAファシリティーズにも日本農産工業にもニッチクにも農水省やJRAの退職組が天下りしてるかもしれんでも、だからそこに矛先を向けられない、なんてやめてよね、JRA

2012年にピンクブーケ事件があったのに、

その後も納品物に対するチェックが機能しなかったのが

問題の本質

 

そこをちゃんとしないなら

それこそ公正競馬じゃないからね。

騎手が何で頭を下げなきゃならんのよ。

この問題で騎手に頭下げさせるのは違うよ、競馬マスコミ。

騎手が自ら頭下げたら、「あんたのせいじゃないだろ」ぐらい言ってくれ。

連帯責任てやつは、問題の本質をうやむやにして、上位組織を守るためにある。

高校出てるならそれぐらい理解してくれ。

 

ちな、この問題についてすっきり整理してる意見記事があった。

ネット競馬のコラムはあんまり見たことないけど、これ ↓ はすごく腑に落ちた。

news.netkeiba.com

供用停止になった種雄馬たち(2016年度)

ちとショックを受けた。

競馬から離れていた間に、なじみの種牡馬たちが多数引退していた。

そのほとんどが、現役時代に馬券で一喜一憂させられた思い出深い馬。

 

競馬ブログを始めたおかげで、種馬のケツを拝みたい嗜好が再燃、

ジャパン・スタッドブック・インターナショナルのサイトを覗いて知った。

見てよかったのか悪かったのか、心中複雑。

 

 

<2016年度に供用停止になった種雄馬

死亡のためカネヒキリスマートボーイネヴァブションローマンエンパイア

輸出された馬カリズマティック、サダムパテックダノンバラード

用途変更アサクサキングスイシノサンデーカフェオリンポスキャプテントゥーレスズカフェニックススマイルジャックダイシンオレンジダンスインザダークネイティヴハートベストタイザンボストンハーバーメイショウオウドウ

 

亡くなった馬のうち、スマートボーイは特に好きな馬だった。ダート1800重賞はダート戦の花形。層が厚いうえに短距離や長距離からも参戦してくるから予想のし甲斐がある。そこでスマートボーイは逃げる。とにかく逃げる。そして場内を沸かせる。美浦馬だが、右回り巧者だから京都や阪神にもよく来てくれていた。21歳でのご逝去、死亡日が4月30日だから種付けシーズン。ご老体にムチ打って…と怪しまれるが、大事にされてのお亡くなりであったと信じたい。

ネット競馬(  netkeiba.com - 競馬データベース  )のデータベースで「父馬スマートボーイ→詳細検索」で「現役」ボタンを押すと、2019年現在、スマートボーイの産駒で現役なのは9頭と出る。しかしここ、データベースとしてはかなり不完全なようで、5年以上出走していない馬や、すでに繁殖として産駒を送り出している馬まで現役馬に含んでいる。

もうひとつの競走馬データベース、JBISサーチで「スマートボーイ種牡馬情報:産駒一覧(現役馬)」とやると、馬名や生年・性別・所属などとともに前走のレース名と着順が表示される( 種牡馬情報:産駒一覧(スマートボーイ)|現役馬|JBISサーチ(JBIS-Search))。どうやらJBISサーチのほうが信頼性が高い

そのJBISサーチによると、スマートボーイの現役産駒は22頭。JRA所属産駒はミックベンハー(2015年産♂)のみで、残り21頭はすべて地方所属である。スマートボーイがそうだったように、産駒も早や仕上がりの早熟馬とは思えない。馬主や厩舎側の諸事情があると百も承知で、急がない使い方をしてほしいと願う次第である。

 

種牡馬から用途変更になった馬のうち、社台系牧場で乗馬や展示馬になった馬についてはそれほど心配していない。業界のトップ企業にはメンツがあるし、何より外部からの注目度がハンパないから所属馬の広報活動にも力をいれる。気になるのはやはり、情報が少ない非社台系と社台系から外に出されてしまった馬。

上記の用途変更馬のうち、もっとも気になるのはボストンハーバーの現在。日本で走ったわけではないけれど、チーフズクラウン系(ダンチヒ系)のチーフベアハートと並ぶ「粘りが身上のゆっくり成長型」。好きなんだよねぇ、こういう系統。父としてもいいし、母父になったらもっといい。2005年の新種牡馬リーディングではアグネスタキオンクロフネに次ぐ3位につけたのに、当時はまだ「米国産馬(の産駒)は早熟だから2歳戦でバンバン使う」十把一絡げ思考が一般的。結果、3歳夏~秋には出がらし状態が大量発生。自分らでそうやって使っておきながら「やっぱり早熟は早枯れなんだ」とレッテル貼りしてダメ種牡馬決定。この馬を輸入したのは日本軽種牡馬協会だったかな。生産者自身の輸入ではないから、配合に頭を悩ませることもしなかったし、預託された厩舎は産駒の成長曲線などの特徴も観なかった……というお定まりの「あなた任せコース」だったのかもしれない。

サイト『競走馬のふるさと案内所』を覗くと静内種馬場にまだ繋養されているようだが、年齢的には確か満25歳。まさか……昔のまま更新してないってことはない、よね? 

ロクロクの独り言

SNSやネットで馬の情報を漁ってたら、「社台系 vs 日高とその他」や「社台・ノーザン系の繁殖牝馬は○○だけど日高の繁殖は●●」との文言をよく目にする。前者はまだいい。その他大勢の雑魚の一員である私は、歴史的経緯は別にして判官びいきでつい日高を応援したくなり、そういう対立図式でレースを観、馬券を買うことがあるから。

でも後者の弁はちょっと気分がよろしくなくなる。●●なのはまるで「馬のせい」と言わんばかりだ。いや違うだろと、そもそもの配合から出生環境、生育飼養環境、育成環境、出産環境、もろもろがその馬の体質や能力に関わってくるんじゃねーの?と思うのだ。

んなこと言うと、「わしらにこれ以上どう努力しろと言うんだ、アレはこうなったしコレはああなったし、八方塞がりでカツカツなんじゃ!」「文句言うならお前が金出して馬を買ってくれるのか、わしら家族を養ってくれるのか」と怒鳴り込んでくる人がいそうで怖い。でも私も今は田舎暮らし、いろいろ社会を経験して、大正生まれの祖父がよく奴隷根性とイコールな意味合いで百姓根性という言葉を使っていたのを思い出す。

祖父は、「百姓は奴隷だ」と言っていたのではない。小作農・自作農・地主がいた時代の、小作農と小規模自作農の精神性について言っていたのだ。それが農地解放を経た戦後数十年も基礎メンタルのまま改善されないから怒り狂っていた。もっとも、祖父の激烈な性格では、周りが奴隷でなくなったら寝首かかれてただろうけど(彼は家でも絶対君主の恐ろしい存在だった)。

なんとなく、なんだけども、上位者が狡知にも長けた実力者だったら顔色見てへつらって、番頭気取りのコバンザメになって周りに対してふんぞり返り(いわゆる虎の威を借るってやつ)、上位者がただの性善説主義者か世間知らずならおだてて取り入り、ウマい汁だけ吸う。そして旗色が悪くなったら罵りながら離れていく。そういうのが馬産地にも多いと思うのね。社会的動物の性だけどさ。

 

昔、日高には

一世を風靡したけど資金繰りが悪化して横領事件を起こしたヨソ者馬産家がいたらしい。その人の全盛期は知らないが、競馬雑誌などに載った倒産事情と現地の混乱はうっすらと記憶している。

彼の人がおちぶれたのは、「おだてに乗ることで地域に良く思われようと」して、そこから足元を見られていって、自分は足元を見られなくなったからじゃないか、なんて思う。

当時(1970年代?)、東京の私大を出てカナダに私費留学した、本州民の中でも上流のお金持ちに属する青年と北海道民、背景が違いすぎるから同じ日本語をしゃべってても相容れるわけがない。気さくな上流民は悪気がない。自分の「普通」が相手には馬鹿にされたと感じることだったり、「良かれ」が屈辱と妬みの原因になることがわからない。そうして溝は見えないところで深まっていく。つながりはお金(仕事)だけ。

目利きのお大尽様と祭り上げられ、足下の火を「どうにかなる」と無視して浮かれていたらバブル崩壊。うーん。

種牡馬や繁殖導入で失敗も多かったろうけど、成功した種牡馬や繁殖はやっぱり今ふりかえっても偶然にしちゃ出木杉だと思う。壮大な青写真を描ける人が同時に経理全権を握って自爆したいい例だ。そういやバブル時代はリスク分散なんてコトバ、今ほど一般的じゃなかったもんな。職務上の上下関係に縛られてたら難しいけど、横の関係で助言なり苦言なりを呈してくれる人がいたら、運命はまた違ったものになっていたんだろうか。しかし資生園早田牧場天栄ホースパークがまだあるパラレルワールド、残念ながら想像できない。それが全てか。

尻拭いは社台さんがしたんだっけか。社台は善哉さんじゃなくて照哉さんの時代になってた……かな? よくわからん。でもよく買い取ってくれたもんだ。闇に流れた債権もあったろうに、債権整理に携わった人は寿命が十年は縮んだんじゃないかしら。

 

他の日高のそこそこ名のある牧場といえば、マイネルコスモさんとこは一時より話題にならなくなって久しいし、ダーレージャパンも、設立当初は「おっ」と思ったけど、よくわからんことになってるようだ。

マイネルコスモさんとこは 総帥がな~…総帥がな~…総帥が……どっち向いてはるのかわからない。

ダーレーは、地元対策はまぁわからんこともないけど、そのやりかたがちょっと間違ったかも。外国資本が日本の田舎メンタルに染まってどうするの。公設市場的な、改革も解散もできない自縄自縛体制になってる気がする。よく知らんけど。

改革するより引き揚げるほうが面倒が少ない状態になってなければいいけどね。

他にも名のある牧場はたくさんあった気がするが、私が競馬を始めた頃に馬柱でよく見かけた牧場の大半はすでに無い。

  

同じ非社台の中小や零細でも、日高に限らず、工夫しながら頑張ってるとこは頑張ってるんだろう。十把ひとからげにはできん。できんが、いい話が少ないのが残念だ。 

 

【感想】 2019年 安田記念

これは事故だ。

荒れた。というか、例年とは違う荒れ方をした。

人気的には単勝4番人気以内で決まったので「穴」が来たわけではない。

しかし。1番人気が3着で、2番人気は16着で入線後に下馬。結果、馬単で1万3千円、三連単は4万3千円もついた。三連複は安かったけど。

もしあのスタートの不利(事故)がなかったら……

(勝負事やギャンブルで出た結果に「たられば」は不要、と言われているが、競馬はそこそこ自分の意思と感情を持つお馬さんの競走をたらればで予想するのだから、結果をたらればの目で見るのもアリだと思う。それを次にどう生かすかは本人次第)

 

スタート直後のロジクライの挙動は変だった。犬が飼い主に呼ばれて一所懸命走っていくような、そんな内側への急転回と一目散ぶり

トロールビデオを観て最初に浮かんだのは、「オウム真理教が、人気馬の目にレーザーを照射して大波乱を起こし、多額の配当をゲットする計画を立てていた」という昔の週刊誌の記事だ。レーザー光線がどこかから発射されていないか、JRAにスタートからゴールまで検知ゴーグルをつけてレースを監視する係がいないと、今のご時世、平気でそういうことをする輩がいると、そう思った。でもよく見るとロジの挙動は ‘それでパニックを起こした’ 種類のものではなかった。

係員が驚かせた、観客の歓声に驚いた、ロジの大斜行の原因には諸説あるが、私はロジと武のコミュニケーションにズレがあったと観る。

隣の人気馬ダノンプレミアムは、‘常にゲート出がいい馬’ ではないが、ロケットスタートが決まったときの速さで知られる馬だ。ロジクライに騎乗した武は、ダノンの機先を制して、またはスタートを決めたすぐ後ろから「早々に内にポジション取りする」作戦を立てていたのだろう。それが手綱からハミを通して伝わったロジクライは、ゲートを出てすぐさま、「よっしゃ、左に行くんだな左に行くんだな、それっ」と、周りの動きを見ることもなく横に切れ込んだ。武としてはスタートから3~4秒の間に内のバラけたところに入るつもりだったと推測されるが、馬に細かい考えなどわかるわけもなく、ロジは ‘素直に自分が受け取ったとおり’ ゲート前を横切った。

忠犬ロジクライ。誰がそこまでガンバレ言うた。

 結果、15番ダノンから12番ロードまでの4頭が著しい不利を被った。ロードクエストは昨年6月から約1年間、休みなしにレースに出ていたからどのみち二桁着順だったろうが、ペルシアンナイトアーモンドアイダノンプレミアムには大災難だった。当日、乗り鞍を2鞍に限定して臨んだ武自身も不幸。武は、ロジクライを悪くても掲示板下に持ってくる腹でいたのではないか。実際ロジクライは、左回りをマトモな状態でマトモに走ればこの面子でも掲示板に入る程度の力はある(と思う)。ただ、7歳8歳を迎えた時、「自分に待ってる運命はこれまでのレースの結果次第で人間が決める」と知らないだけだ。

グリーンチャンネルで、ダノンプレミアムの返し馬の歩様を「おかしい、硬い」と指摘した解説者がいたらしい。そのため、ダノンのゲート出が速くなかったことと歩様の問題を重ね合わせ、「ダノンがあんなところにいなかったら他馬も影響を受けることはなかった、またはその影響が少なかった」とみる向きがある。が、この大斜行問題に関して、川田ダノンプレミアムとその調教師に責任の矛先を向けるのはまったくの筋違いである。

それにしても、あのような不利を受けて想定より後ろにつかざるをえなかったアーモンドアイは、負けたにしても強かったルメールの追う腕もすさまじい。直線で外に進路を取らざるを得ないロスもありながら、1着2着とタイム差なし。天栄で本邦最高峰のケアを受けたとしてもドバイ帰りの牝馬、アーモンドアイはグランアレグリアやサートゥルナ―リアとは別次元の馬だとつくづく思った。

スタートのやり直し、俗にいうカンパイができれば良かったが、発馬機(ゲート)の誤作動や故障、馬のフライング以外でのカンパイは行われていないらしい。

カンパイ (競馬) - Wikipedia

 

ロジクライがかけた迷惑のほうが大きかったからか、福永インディチャンプの直線での動きがあまり話題になっていない。福永は昨年のMデムーロばりの強引な競馬をしているが、審議になっておらず制裁も受けてないから、パトロールビデオを観た人でないとわからないかもしれない)

 

東京競馬場で行われるG1の中で、

安田記念は本来一番おもしろいレースだ

グリーンチャンネルに加入してなくて、予想ソフトも端末に入れてなくて、頼りはもっぱらスポーツ新聞、諸事情で日曜(の特に午後)はテレビもネットも観られない人でも高配に巡り合う可能性の高いレースである。

投資競馬、勝つための競馬を究めたい人は別にして、遊びで少額競馬をやってるけど「検討してるうちに混乱してくる人」や「単系馬券は怖くて手が出せない人」に向いている。今年はたまたまアーモンドアイとアエロリット、精神的に強靭な牝馬が2頭いて、その2頭ともが馬券内に入ったので三連複は安めについたが、枠連馬連の配当は三連複より高かった。それに、当日の新聞が手元にあれば近3年の安田記念の三連複配当を見ていただきたい。Mデムやルメールが東京マイルの流れに慣れた昨年の三連複は安いが馬連は高くつき、2017年2016年はともに1万円を超えている。

人気馬が故障したからとか昨日のような大斜行があったから荒れた、のではなく、大抵は人気馬が「人気薄の逃げ馬の様子を見すぎた」「直線の坂で脚があがった、または不利があった」のが原因で伏兵が台頭して荒れた。

昨日のレースで圧倒的1番人気馬が負けたのは、大外枠馬が大斜行した結果だから、もしそれがなかったら1番人気馬が勝っていただろう。しかし来年はわからない。再来年もわからない。アクシデントも込みで「安田記念は荒れるのが普通」と決めてかかったほうが当たりや勝ちに近くなる。

馬券の種類はたくさんある。買い方も複数の種類から選べる。1点100円の多点買いだって、当たりゃいいのだ。勝てればもっといいその自由度が一番高いG1が、安田記念だと思う

競馬が好きで、好きな馬もいて、

だけど自分を「馬券下手の素人」と思っている人にこそ

安田記念は当ててほしい。