【反省】 2019年 有馬記念

いやあああああ

タケ来ないでぇぇぇぇぇぇぇ

タケさん、ここで来るデスカ? 来たデスカ?

……あまりのショックに、ルメール語が脳裏をこだました。

 

三連単と三連複を逃したのはデカイ。

アーモンドアイが3着内に入ると配当は激安になる。赤字にならないために相手を絞らなきゃならなかった。

武をヒモに加えるなら池添やヴェロックス(川田ではない)も入れなきゃならない。そうすると福永まで怖くなる。ヒモ4頭とヒモ8頭、どちらを選ぶかといったらそりゃ前者だ。的中と儲け、どちらも欲しい。そうだ、外国人。こんなときこそ外国人。少ない投資で85%(推定)の自信があった。

……甘かった。日本人が「日本のコースは自分の庭だ」と強く自覚し、外国人の隙を狙ってどんどんアグレッシヴになってることをもっと重視すべきだった。

普段のG1では三連単どころか馬単すら滅多に買わない。当たらないことを前提にしてちまちまやってるのに、有馬記念ということで気が大きくなって、保険をかけなかった。「リスグラシューだ!イケる!これでイケる!」。人は何故、興奮すると万能感に満ちてしまうのか。こんなことなら馬単にガッツリいっときゃよかった。

 

16頭のうち、6頭はこれで引退。第二の馬生に幸あれ。

リスグラシュー、最後に素晴らしいレースをありがとう。まだまだ走れそうに思ったよ。繁殖生活に入るなら、じゅうぶん体が緩んでからにしてもらえたら、と願う。

レイデオロ、使い分け?候補になってしまってリズムを崩したな。弱いとは思っていない。いろいろしんどかったね。お疲れさまでした。

クロコスミア、あらためて戦績見ると、なだらかなコースが得意だったんだな。まだ体に余力があるうちに引退させてもらえてよかった。繁殖生活ではすぐに結果は出ないかもしれないが、功労馬として長く可愛がってもらえることを願ってます。

アルアイン、コースと枠番で買える買えないがわかったのは今年の大阪杯だった。せめて4枠くらいだったら掲示板下に来れたかも。お疲れさまでした。

アエロリット、気風のいい果敢な逃げ、今回も見せてもらいました。でも最後の激走、脚と体が心配です。君のおかげでG1が楽しかった。お疲れさまでした。

シュヴァルグラン、大外8枠16番から6着。君も福永も意地を見せた。戦績見たら、意外にも下位条件からたたき上げでG1の常連になった馬だった。若いころは苦労したんだな。お疲れさまでした。

2019年 有馬記念

豪華すぎる有馬記念。 

16頭中、ノーザン産馬は12頭。うちノーザン外厩に放牧に出されて戻ってきたのが10頭で、そのうちの4頭に外国人騎手が乗る。

枠順発表前はアルアインかスティッフェリオを狙うつもりでいたが、アルアインは外枠7枠13番になってしまった。

スティッフェリオは、騎乗予定の丸山が、昨日の中山メイン、グレイトフルSでロサグラウカ(牝4 ノーザンF産 馬主サンデーR)に騎乗、逃げて1着になった。グレイトフルSは有馬と同コース同距離。スティッフェリオは右回り得意な馬で、2走前の中山オールカマーで逃げて1着になっている。丸山はロサグラウカで有馬記念の試走をしたとみなすことができるが、かえって他陣営に警戒されるのではないか。その警戒が裏目に出てスティッフェリオ馬券内もありえないことはないが、グレイトフルSと有馬記念とでは馬&騎手のメンツが違いすぎる。なによりも丸山が二日連続メインで馬券になるとは私にはちょっと考えづらい。

 心情的に気になっていた馬はアエロリット、クロコスミア、キセキ、リスグラシュー

アエロリットはがんばる牝馬。ここは距離が長いのと東京じゃないのとで難しいかなと思っていたら、枠番大外8枠になった。逃げ馬にこれはしんどい。しかも天気予報では午後から次第に雨模様になるらしい。父クロフネ母父ネオユニで重馬場苦手なはずはないのに、彼女は力がいる馬場は得意でも雨や水残りが苦手なようだ。

クロコスミアは、この馬の買い時がわからないまま今日まで来てしまった。G1ではオサエとかなきゃならない馬と知ったのは、ついこのあいだのエリザベス女王杯。時すでにお寿司。やはり逃げて波乱を演出することが多い馬なのに外寄りの6枠12番。藤岡佑がどう乗るか。わからん。やっぱりわからん。

キセキは川田が乗らないのが衝撃だった。何故? 左回りに若干良績が偏ってるが、ヴェロックスよりキセキのほうが出る目がありそうに思うんだが。川田が選ばなかったのか選ばなかったのか、情報を詳しく見てないのでわからないが、これも去年から逃げ粘りの馬になってるのに外寄りの6枠11番。

 

で、リスグラシューリスグラシューには恩がある。この馬とレーンのおかげで宝塚記念をとれた(安かったけど)。だからここでもリスグラシューを中心視する。騎乗するレーンは、今日が初めての中山参戦。そのうえ乗るのは8Rと11Rの有馬、二鞍のみ。

普通には、ナメとんかって話である。が、二鞍とも芝2500m。そして調教師は曲者ギャンブラー矢作である。レーンは矢作のたつての願いで、特例の短期免許を得て再来日した。短期免許が交付されるとわかったときから、いや、その前から、矢作は中山2500の攻略のための情報をレーンに送っていたに違いない。初中山なのに同距離二鞍だけの騎乗というのも矢作の必勝戦略だろう。

なぜそう言えるかというと、矢作師が競馬界に飛び込まず大学を出て予備校講師になってたら、とんでもない Super Teacher になってただろうと思うからだ。アタマの偏差値が同じだと仮定すると、角居師は研究者向き、矢作師はギャンブル性を併せ持つ業種のネゴシエーター向きだ。ネゴシエーターに、有能教師的な資質は必須。

レーンはリスグラシューの性格や脚質を自分の手の内に入れている。あとはあのメンツの中で中山2500をどう乗るかだけだ。よって、矢作は東大文科二類(さすがに一類とはよう言わん)合格圏にあと30点足りないレーンに8Rという直前模擬試験を課すことで、不足を補わせる戦略に出た。と観る。

 

今年最後のG1ではないが、今年最後のグランプリである。そのバクチに乗りたい。

脇は外国人騎手で固める。外国人騎手は高額ジャパンホースマネーが欲しくて日本に来ているのだから。

【反省】 2019年 朝日杯FS

もひとつ信用できないはずのムーアが勝った。

もっとも不安点が少ないはずのレッドベルジュールは10着。

結局、人気どころを連のBOX、保険で下位人気馬3頭(グランレイ、タガノビューティ、ラウダシオン)の複勝を買った。池添グランレイのおかげでプラスになったものの、人気馬の取捨がドへたくそなのはどうしたものか。競馬をひさしぶりに再開した去年のほうがマシだった。新鮮だったからだろうか。

去年の初めのほうの記事を見直すと「淡々」としていた。今は「執着」に満ちている。当てたいという見栄と欲だ。それらが余計な不安を呼び寄せ、重箱の隅をつついたり脳死で大きな欠点を見えなくさせたりする。その典型例を、自分のブログに発見できてしまった(*_*)

 

レースラップは

12.2-10.5-11.1-11.6-11.8-11.8-11.6-12.4

逃げたのは藤岡祐介騎乗のビアンフェ。前半(4ハロン)を45秒4で飛ばした。

ゴール前の坂で脚があがったビアンフェはそれでも7着に踏みとどまったが、先行してついていった馬たちは、4番手につけたサリオス以外、11着以下に惨敗。あの流れで最後突き抜けるサリオスが異常だ。血統的には2歳マイル戦に出てくる馬じゃない。

後方に構えた馬のうちタイセイビジョンとタガノビューティ―が猛追して2着4着。後方2番手を追走してタガノより仕掛けを遅らせたグランレイが3着。

2着武豊、3着池添、4着和田。逃げた藤岡祐介も含めて、栗東の手練れ。

武豊は朝日杯でまたしても空気を読まない外国人に敗れた。が、最強の50歳。この寒さに50歳の体が縮こまらないはずはない、なんて考えは、自分基準でしかなかった。44歳越えたらフツー寒さが身に沁みるやろ!超人か!……超人でした、武豊。今年フェブラリーも菊花賞も獲ってるし。なんだかんだ足引っ張られながらも、すごい人だよ、この人は。

実はムーアの年齢を、私は武豊と同じか少し上だと思っていた。なぜならムーアは老けて見える。苦みばしっている。ほとんど表情を変えず、いつも何かに怒ってるようでおっかない。録画を観たあと、ウィキペディアを覗いたら1983年生まれの36歳。絶対見えねえ。日本人が、池添とか松若とか若く見えすぎるんだろか。

 

2着タイセイビジョンタートルボウル産駒。タートルボウルは私が競馬から離れていた間に種牡馬入りし、日本に来て5年くらいで 亡くなったようだ。なぜか「産駒はダート馬」という先入観があったが、欧州では芝マイラー、日本では芝ダ兼用種牡馬らしい。

3着グランレイは、馬柱を確認したときに最初に「こいつ面白い」と思った馬だ。が、他馬の柱を見ていくうちに、“グランレイだけが特別の穴馬” とは思えなくなってしまった。グランレイの買い要素は、逃げた新馬から距離短縮で見せた変わり身、武豊の隣枠になった騎手池添。買いづらい要素は、相手関係が弱かったからできたのかもしれない前走の楽勝ぶり、初の阪神、母父ファルブラヴ。もし、この朝日杯で何かの事情で池添が乗れなくなって誰かに代わっていたら、3着は無かっただろう。スナイパー池添。池添、怖い。

4着タガノビューティ―は、前2走ともダートオンリー馬らしからぬレースぶり。初心者時代からこの手の若馬が芝戦に出てきたら複勝で買うことにしていて、半兄にタガノブルグとアイトーン(どちらも芝馬)がいるのも心強かった。しかしグランレイの急襲に遭い、惜しくも馬券内ならず。それでも芝馬相手に上がり2位の脚力を見せた。関係者はこの結果で、タガノビューティ―を芝転向させる方向に傾いたかもしれない。しかし馬の将来を考えると、ダート路線を究めたほうが良いように思う。NHKマイル2着後、精彩を欠いたまま地方にいった半兄の二の舞をさせてはいけない。上手に育てればダートレースの頂点に立てる素質馬だ。

5着プリンスリターン。前走ききょうSの勝ち方がよく、時計も良かった。だが原田和馬という騎手を知らなくて、調べてみたら重賞や特別戦どころか平場もほとんど勝ってなかった。なので速攻で消した。すまん。騎乗機会に恵まれなかっただけなのね。

 

複勝買いした3頭め、ラウダシオン8着。買い要素はもちろん、「しがらき帰りでルメール続投なのに人気薄」。2歳のマイルG1で8枠は不利、という話が頭のどっかに残ってたので複勝にした。レースでは行き場をなくしていたようだ。母系の影響が強いとすれば、適性は1400mがギリかもしれない。

 

そして問題のレッドベルジュール10着大敗である。この原因について、スミヨンの不調や喉鳴りの影響との説がある。私はそこにもう二つ加えたい。

ひとつは大敗後に知ったことだが、レッドベルジュールは前走+28kgでの出走だった。新聞を読み返すと陣営は「成長分」と語っていたが、あのゲート出のモタモタぶりと後方追走が精いっぱいなレースぶりは、成長分というより “寒い時期はどっこいしょ” なのではないか。前走を大幅体重増で勝てたのは、結果的に、緩い流れだったこととメンバーが薄かったことに尽きそうだ。

ふたつめはレース映像で気がついたこと。これはまったくの私見なので逆の見方をする人もいるだろう。輪乗りの時の映像が残っていたらレッドベルジュールの挙動を確認していただきたい。サリオスを見てビビったように見えないだろうか。首を上下に振って気合い乗りを表現していた時の挙動と明らかに違う。もしこれがただの思い込みでなければ、サリオスが関東馬でクラシックに向かう予定なのが幸い、今からでも立て直しが可能だ。その際はもちろん、せめてミドルペースに対応できるように心肺を鍛えていただければ幸いである。

2019年 朝日杯FS(訂正あり)

天栄帰りはいなくて “しがらき” 帰りが頭。ジュンライトボルト、サリオス、タイセイビジョン、ラウダシオン

阪神JFでエライ目に遭ったから、サリオスでその轍は踏みたくない。サリオスもあの馬リアアメリアと同様、少頭数(10頭未満)のスローペースなレースを上がり最速で勝ってきた馬。2戦2勝も、シルクの一口馬なのも同じ。違うのは、性別と、関東馬なことと、母系がND系の強いドイツ産馬であること(アメリアの母はミスプロ色が濃い米国産馬だった)、母産駒にJRAで1勝以上を挙げている馬がいること。さらに父馬や鞍上が違うし、なによりあの馬は栗東厩舎での在厩調整で、過程が違う。

母系血統的にはサリオスのほうが買える。調教も、1週前と直前、ともにいい時計を出していて、少頭数で高速馬場の東京だったとはいえ前走の走破タイムは優秀だ。

リアアメリアは、10頭以上の馬と走るのが初めてで大勢の人間の目にさらされ奇妙な音(音楽)を聴くのも初めて、好奇心のほうが先立ち、レースに気が向いていなかったようだが、牡馬のサリオスはその興奮が闘争心に向かう可能性がある。

主に1200m戦を戦ってきた馬が多いのも追い風になる気がする。前半が狂ったようなハイペースで進んだら、ゴール前200mで後ろからズドンとごぼう抜きが可能だ。

ただ、鞍上ムーアがもうひとつ信用できない。先週、世界的な知名度ではムーアに三枚落ちする川田を選んどいてこういうことを言うのはなんだが、日本の馬場でスミヨン、マーフィー、ルメールより信用できる感じがしない(あくまで感覚的に、ね)。馬もどちらかというと「今この時期」ではなく、3歳初夏以降に大きく成長する血統でもある。かといって軸流しよりボックスを選ぶとトリガミになりそうだし、『羹に懲りて膾を吹く』になるのもイヤだ。馬券種選びが難しい。

穴ではメイショウチタンを狙いたかったが、馬柱をよく見ると中1週。何を慌ててここに出してきたのか。ジュンライトボルトはしがらき帰りとはいえ前走の激闘疲れが心配だし、タイセイビジョンは鞍上が…50歳。サリオスの次を選ぶなら、ノーザン外厩帰りではなく、やや外枠よりなのが気がかりだが、レッドベルジュールがもっとも不安点が少ない。

7番人気以下のをチョイスして複勝買いするのが楽しみ方としては無難かもだ。

【反省】 2019年 阪神ジュベナイルステークス

仕事中だったが、

このレースはタブレットを借りてリアルタイムで観た。

そのあと、自分の携帯を取り出そうとして、

指から物が滑り落ちる現象を体験した。

ああ、俺ショックだったんだなぁ。。。とわかった。

こんなことなら日本じゃなくて香港のレースの

日本馬の複勝脳死で全部買ってたほうがマシだった。

疲れたよ、ママン。

 

 1着 レシステンシア(北村友)

刻んだラップは、12.2-10.5-11.0-11.8-12.0-11.2-11.5-12.5。

2歳の牝馬戦である。3コーナーですでに脱落馬が出るハイペース。戦前下馬評が高かったその他の有力馬たちが(リアアメリア除いて)食い下がろうと懸命に脚を伸ばしたが、レシステンシアは止まらなかった。2着馬につけた着差は5馬身、上がり最速。

これは上がり勝負にさせなかった北村友の頭脳プレーだ。スタートでタイミングが馬とズレやすい北村友が、ズレ(ロス)を少しでも少なくするには、逃げるつもりで一気に出ていくしかない。自分のウィークポイントをゼロにし、馬の能力を最大限に生かす騎乗、それが「逃げ」だった。

逃げるのはヤマカツかジェラペッシュと踏んでいた時点で、私の読みは敗北が確定していた。

 

2着 マルターズディオサ(田辺)

関東馬である。これまでなら、関西初遠征がG1の2歳牝馬は興奮して暴れたりゲートに入るのを嫌がったりしてゲート職員を手間取らせるのだが、今年の関東馬は出走5頭とも模範生だった。栗東留学せずとも平常心で走らせる国枝厩舎のノウハウが広まったのかもしれないが、マルターズディオサの場合は、同年齢の僚馬と一緒に輸送されることで落ち着きを維持できたのだろう。

私はこの馬、「関西初遠征がG1の2歳牝馬、鞍上田辺、直前調教がポリトラック」の3点で即消しした。初の右回り中山だった前走で、鞍上が武豊だったのも消しの補強材料になった。だって武豊と田辺とでは、馬制御の技術に天と地ほどの差があるだろうもん。

いやしかし、田辺にしては頑張った。予想外。まったくホントの予想外。

 

3着 クラヴァシュドール(藤岡佑)

確実なのはリアアメリアではなくこっちだった。馬の力を軽んじたわけじゃない。ただ前走の激闘疲れが2ヶ月では抜けないだろうと、そう思ったのである。調教でも、1週前は馬なりで終いをちょこっと追っただけ。当週の追い切りでは、時計的には前走よりはるかに良かったものの、同日の同じ栗東坂路で超抜時計を出したレシステンシアに敵う感じがしなかった。

レース後、藤岡佑は「現状、力及ばずという感じです」とコメントしたが、2000m以上戦なら仕掛けと馬場状態次第で逆転が可能ではないか。

 

4着 ウーマンズハートビュイック

左回りで起伏がゆるやかな新潟でしか走ってないのに買い目に入れたのは、人気だったからだ。「なぜ人気?」と思った時に、不人気で激走した昨年の菊花賞5着馬(グローリーヴェイズ。前走が新潟だった)が頭をよぎってヒモにした。決してビュイックを巧いとか信用したとかではない。むしろ新馬で乗った津村が今回もまたがってたほうが、あまり考えずに買ってたかもしれない。

 

5着 ヤマカツマーメイド武豊

1枠1番の武豊やん、武豊で未勝利を(微妙だけど)逃げ切り勝ちしてるやん、血統ロードカナロア×グラスワンダーで母系にはデピュティミニスターもいるでよ。……ヒモ買いしたのはただそれだけの理由。

上位馬たちとはやはり差があった。ここからどこまで行けるかは未知数。デビューから休みなしにすでに6走。掲示板に入ったことで関係者には欲が出そうだが、クラシック狙いをあきらめる馬たちが出始める4月頃まで休ませてはどうか。降級制度が無くなった今、気力の粘り以外に武器を持たない馬が細く長く賞金を咥えて帰ってくるにはそれしかない

 

6着 リアアメリ(川田)

断然の1番人気で惨敗したこの馬の敗因ははっきりしている。この馬は、10頭以下のスローなレースでしか競馬をしたことがない。そこで追いこんで勝ってきただけ。

……うん、そうなんだ。客観的にそうなんだ。でもね…でもね…

レース前には、その欠点から目を背けさせるほどの

軸で買いたくなる理由があったのさ!(悲痛)

まずは1週前調教。それから川田、ノーザンシルク。

CWコースで追われたリアアメリアは、無駄が多い走りなりに弾けて見えた。イケる、そう見せた。血統的には興奮しやすさと淡泊さが同居していて、どちらかといえば早熟かも。だから大きなところを取るにはここが目イチの「はず」。そして川田だ。川田がノーザンシルクの看板背負って、阪神の2歳G1で無様なレースをする「はずがない」。

思い込みである。刷り込みである。1番人気に支持されてたのも、カラ風呂に追い焚きだった。

ゲート入りでは落ち着いていた。ゲート出も悪くなかった。しかし最初のポジション取りでモヤっとした。

「川田、なんで他馬が一斉に前行くまで様子見てんねん、なんでそんな後ろから行ってんねん」

実況は直前まで小雨がパラついていたと言っていた。そんな馬場で後方二頭目からレースを進めるのが信じられなかった。

検討記事で、私は “勝てないとすれば、そして2着も外すとなれば、その要因は気性と仕掛けどころ” と書いた。が、気性や仕掛けどころ以前の問題で、川田の消極的なレースぶりがこの惨敗を招いたと感じる。

レース後、騎手も調教師も「調整過程も返し馬も抜群に良かったのですが、終始進まないまま、競馬が終わってしまいました。原因をここから探したいと思います」と、そろって同じことを言ってるが、おまえら二人羽織か。お神酒どっくりか。腹話術師とその人形か。川田はいい加減、中内田から離れろ。中内田も川田の将来考えるなら、少しはオトナとして距離を置け。

 

ものすごーく苦い2歳牝馬G1だった。

救いはアドマイヤマーズの香港マイル勝ち。

馬券は買ってなかったけどおめでとう。

 

2019年 阪神ジュベナイルフィリーズ

出走表をざっと見て、まずノーザン含めた社台系生産馬の少なさに驚いた。去年は18頭中11頭いたのに、今年は16頭中たった3頭だ。現時点での完成度が高いと見込まれた馬以外、ここを使わずに成長を促し、明け3歳から賞金を加算して確実にクラシックを獲る、または3着内を独占する方針に転換したようだ。

ディープインパクト直仔が1頭しかいないのも特徴だ。去年ですでに2頭しかいなかったのだからそういうこともある、のかもしれないが、各馬の血統表を見ると、父父または母父にディープが入ってる馬が8頭もいた。父父(父系)の場合、父馬はキズナワールドエース。競馬をやめてた時期だから、一般ニュースでも話題になったキズナは知ってるけどワールドエースはほぼ初耳(20世紀末のワールド冠名馬にいそうな名前である)。時代がいきなり変わったようで、戸惑ってしまった。

ストームキャット血脈あるいはクリムゾンサタンやスパイソング血脈持ち同士の上位争いになるのだろうか。

また、社台・ノーザン以外日高振興局管内の生産馬が多いゆえか、ロベルト持ちの馬が目につく(見落としがあるかもだが、全9頭)。これはマル外ロータスランドの父系にダイナフォーマーの名前を見つけたのをきっかけで調べた。ドラゴンウェルズ、好きだったなぁ……。

 

総合的に見て、15番リアアメリは外せない。データでは、前走で+10kg以上デブって出走してきた馬は阪神JF本番で[0.0.1.19]。20頭中たった1頭がようやく3着らしいが、調教で栗東CWコースの大外を通ってあんな弾ける動きをする馬が連対を外すなんてのは私には考えづらい。勝てないとすれば、そして2着も外すとなれば、その要因は気性と仕掛けどころ。サウジアラビアRCで牡馬の(現時点の)1番馬サリオスとともに3着以下を引き離したクラヴァシュドールがいて、箱根駅伝の山登りトレーニングよろしくみっちり坂路で乗りこまれてきた筋肉ムキムキのウーマンズハートもいて、そこでリアアメリアの前走を見ると不安になるが、連軸信頼という形で安心したい。

調教で「これは」と思った馬で、データ的に外れになる馬はもう1頭いる。4番レシステンシアである。過去10年、前走京都芝1400mを先行して勝利した馬は[0.0.0.11]。データ通りになるならレシステンシアは馬券外となる。レシステンシアは2戦2勝だがいずれも京都芝1400。普通に考えて、途中で垂れる予測がつく。が、しかし。デビュー戦は内回り、2戦目は外回り。そして中間調教は栗東坂路でなかなかいい時計を出している。これは課題をひとつひとつクリアしていってる(賢い上に競走能力も高い)証左ではあるまいか。あとは(鞍上がヘボかまさなければ)ハロン延長をこなすだけだ。

 

以上、意図したわけではないけれど、午前11時45分現在、太文字の馬たちはすべて4番人気以内。しかし騎手を見ると5番人気以下の馬が絡まないとは言えない構成になっている。血統内にSSの無い馬(ヤマカツ・ロータス)と先週ヘタこいた福永の馬にも目を配りつつ、びくびくしながら結果を待ちたい。

 

【感想】 2019年 チャンピオンズカップ

1着 クリソベリル(川田)

川田のレース後コメント通り、枠の並びが良く、インティにつかず離れず沿うことで勝利が6割は保証されたようなものだった。あとはゴールドドリームが外から伸びてきて横に並んだ瞬間にMax追いするだけ。ゴールまで150mの攻防は川田的に想定内だったのではないだろうか。

クリソベリルはこのあと休養に入るが、東京大賞典フェブラリーSに出走しないことは関係者から明言されている。例のサウジアラビアの最高賞金レースに出るかどうかは未定も、海外遠征視野はほぼ確定的だ。

 

2着 ゴールドドリームルメール

「使える脚の長い馬が好き」という私の個人的な好みもあるが、2着に負けたものの、このレースではゴールドドリームが一番強いレースをした。あの直線の伸びで負けてしまったのがほんともったいない。今が6歳で1か月後には7歳になってしまうのも残念だ。ルヴァンスレーヴの復帰見通しが立たないダート戦線、ゴールドドリームにはできれば引退まで衰え少ない馬でいてほしい。

※ルヴァンスレーヴの疾病は、仮に復帰できたとしてもこれまでのようなレースができる保証がない。クリソベリルはいろいろな意味でラッキーな馬だと思う。

 

3着 インティ(武)

「逃げ馬が走る気をなくしたら復活は難しい」――インティの不安点についてそう指摘しているコラムを見て心配だったが、ひと安心。逃げで良績を上げる馬の多くは神経質で、インティもその1頭(私見)。武に手が戻り、いつもの中央、自分のペースで走れた等、条件が好転した。

1000m通過は1.00.6。

レースラップは

12.8ー11.3ー12.5ー12.1ー12.1ー12.0ー12.0ー11.6ー12.1

ハロン目から美しすぎる時計である。

テーオーエナジー川須が競りかけるように見えたが、それも一瞬、川須は行きたがる馬を抑えて二番手に控えた。これがもし控えなければどうだったか。インティの課題はまだ残されている。

 

4着 チュウワウィザード(福永)

福永は昨年の夏以来の騎乗(7月/3着)。レース後の「勝ち馬のポジションでレースをしたかったのですが、その位置が取れませんでした。今日の勝負のポイントはそこですね」のコメントがすべて(他馬を弾き飛ばしておいて他人事風なのはさておく)。

チュウワウィザード自体は決して弱い馬じゃない。しかし福永はこの馬の8勝中6勝を請け負った川田とは手が違いすぎたし、前集団がインティマークで馬群が固まっていたのもアンラッキー。

これまでの成績を見るとウィザードは内枠馬番で閉じ込められたら最後、出足や道中の反応が素早いほうではないようだ。スタートから自信を持って馬に指示を出せる騎手、たとえばマーフィーが乗っていたら……と思うが、馬主の中西さんがなるだけ日本人騎手にこだわりたい方なら、藤岡康太和田竜二はどうだろうか。

「地力で結果的に先頭ゴールはいいけれど、自ら進んで他馬に勝とうとは思わない」は、父キンカメに似た性分か。性格としては可愛いが、ファンのやきもきは続きそうだ。

 

5着 キングズガード(秋山)

中央競馬G1参戦4回目にして初の掲示板、おめでとう、である。私がインティの次に日高馬の中で好走を期待したのがこの馬とヴェンジェンス。正確に言うと、騎手の秋山と幸に期待した。

その理由は前走のみやこSにある。前3頭の鍔ぜりあいをはるか後方遠目から眺めていたこの2頭がワンツーできたのは、半分は偶然ではない。ベテラン日本人騎手の “機を見るに敏なちゃっかり戦略” がハマったのである。ヴェンジェンスの鞍上、幸は自馬に余力があるのをわかっているから3コーナー手前から外をまくりあげた。キングズガード秋山はその進路をなぞるようにぴったりついてきた。2頭は4コーナーで内がごちゃついているのを尻目に楽々外を走り抜け、直線ではヴェンジェンス先頭、エンジンのかかりが遅いキングズガードはゴール前30mもない位置でウェスタールンドを差し切ってゴール。

秋山は改装前から中京で巧かった騎手だし、幸はダートで信用が置ける騎手。二人とも、みやこSから「インティが出る以上、騎手たちの関心は前に行き、後ろへの注意は手薄になる」と踏んでの臨戦だったはずだ。特にキングズガードは久々の重賞2着でホメられて、馬的にも気分が良かったろう。

哺乳類は基本的に人間の幼児と同じ。気分がいい時に頑張らせる千載一遇のチャンスだったわけで、左回りが苦手な馬のための秋山による二度目の “直線まで死んだふり作戦” は見事功を奏した。レース後コメントを見る限り、秋山はもっと上の着順を目指していた(「やはり左に行きますね。最後は来ていますし頑張っているのですが......」)ようだが、力は出し切ったのではないだろうか。

 

6着 オメガパフュームデットーリ) 

 地方の砂のほうが合っているようだ。

 

7着 ヴェンジェンス(幸)

正直、キングズガードよりこっちのほうが上の着順になると思ってた。

この馬を選んだ理由はみやこS以外に2つある。

ヴェンジェンスと幸の軌跡を見ると、幸がコースとメンツ、馬場状態を勘案してどうにかこの馬を勝たそうと工夫しているのがわかる。その傾向は昨秋から顕著で、各レースごとに異なる位置取りでヴェンジェンスを走らせ、3着内に持ってきている。調べてみると、ヴェンジェンスはデビュー時からダートの新星として期待された馬らしい。それが2歳の暮れ、デビュー3戦目の寒椿賞後に故障発症、1年半の治療休養を余儀なくされた。1年半のあいだ、陣営も幸も、この馬の復活復調を待ち望んでいたのは想像に難くない。昨秋、落馬負傷して外部から競馬を観るしかなかった幸が最も気にしたのはこの馬の状態とレースだったのではないだろうか。復帰した幸は、なお一層この馬のランクアップに腐心したように思える。

また、栗東坂路での最終追い切りも悪くなかった(幸 52.7-37.8-24.2-12.2 馬なり)。

このレースでは直線で内外に他馬が並び、前を行くG1馬たちは止まらず、残念な結果になった。しかし初G1でここまでやれた。層の分厚いダート中距離戦線だが、ハイペースの短距離ダートでも好勝負を重ねてきた馬である。体の無事は当然のこととして、左回りに慣れていけばチャンスが無いとは言えない。

救いはレース後の幸の前向きコメント。ちょっと感動したので載せておく。

よく走っています。最後も伸びてくれました。手前を替え切れないところがありましたから、スムーズならもう少し結果は違っていたかもしれません。馬の具合も良かったですが、この相手でも十分やれる力を見せたと思います

 

8着 タイムフライヤー(マーフィー)

1枠1番が仇になった。道中は淀みないペース、4コーナーから直線にかけては馬群が密集、動くことままならず。休養明け4戦目だったことや、急遽?調教日を増やしたのも妨げになった感。

 

9着 ウェスタールンド(スミヨン)

鞍上の腰痛が全て。というか、この馬は藤岡祐介で観たかった。

 

10着 ロンドンタウン(岩田康)

馬柱見て右馬っぽいと感じたがやっぱり右馬だった。そもそも中京ダート(0.0.0.4)。中間~最終とも調教はとても良かっただけに、右回りのダートG1がないのが調子を上げた右馬には不幸だ。余計な芝G1はつくるくせにダート軽視のJRA、まともな了見を期待するのが間違ってるのか。

サウジの主催者よ、サウジカップは右回りにしてくれ。そしたらノーザンがJRAに「右回りG1をつくれ」と圧力かけて北海道と阪神にダートG1つくってくれるから。

 

11着以下は割愛。

ボディアタックを受けたテーオーエナジーの心身に問題が残らないことを祈る。