【感想】 2019年のアルゼンチン共和国杯とみやこステークス

珍しく休みになったので、リアルタイムで東京メインと京都メインをTV観戦。

予想も投票もしないのに、リアルタイムで観ていると、スタート前から妙に気分が高まるのは何故だ。十年ちょっと前までは、「今日は賭けない」と決めてもこのソワソワと高揚感に負けていた。老いにより近づいた今は、金と時間の限界が目の前にあるから抑制が利く。それでも鼓動が早くなり、顔が熱くなるのは止まらない。

 

11月3日、日曜日の2つのレースの感想を一言で言うと、「ちょっと悲しい」。率直に言うと「心が痛い」。こういうとき、「勝ち負けってイヤだなぁ」と思う。矛盾してるのは自分でもわかってる。

 

アルゼンチン共和国杯では、人気で裏切ることが多々あったアフリカンゴールドがホントに1着になれるのか、昨年話題になった障害からの転戦馬、オジュウチョウサンはいったいどこまでやれるのか、この2点に関心があった。

レースは武不在の代打、松岡騎乗のオジュウチョウサンがハナをきり、1000m通過は1分02秒。遅い。松岡はチョウサンに、切れる上がりの脚があるとでも思ってるのだろうか……と怪訝に思っていたら、案の定、直線の上り坂でアップアップ。特に応援していたわけではないが、8歳馬のズルズル後退はやるせないものがあった。

1番人気のアフリカンゴールドは追い上げたものの3着。ペースや展開に左右されやすいメンタルは相変わらずで、はっきりした武器がない。しばらくは微妙な着順が続きそうだ。なお中継では、直線のたたきあいでルメールがポポカテペトルとパリンジェネシスの間を強引に割ったように見えたが、パトロールビデオを見るとコース発見力が凄いだけだった。

 

みやこステークスは、インティが心配だった。単独逃げできないと脆いことが明らかになったうえ、59kgのトップハンデで大外枠。川田が武豊の代理で騎乗するが、武豊と川田とでは骨格(と性格)の違いによる馬アタリが違いすぎることも懸念材料だった。

それでも、「絡まれてもイージーに流せる稽古や重い斤量に耐える稽古をクリアして臨んだはず。掲示板下でも健闘だ」「最悪でも無事ならよい」と、わずかな希望にすがってみたのだが。

とても後味の悪い結果になった。

良の砂ダートなのに3頭で競った結果、1000m58秒9という馬鹿っペースになったことは仕方がない。それで3コーナーを回る頃に踏ん張る気力を無くしていたとしても、まぁ生き物のことだからこれも仕方がない。スミヨンがコーナーで強引に入ってくる、これも予想できないことではない。

問題は、鞍上川田のあの不利アピール。あれで馬を止めるか? 馬はまだ走るつもりでいたぞ。一時(今も?)の四位を彷彿とさせる不利アピールでメイショウウタゲが転げてしまった。とんだとばっちり

インティブレーキにまったく気づかなかった国分自身にもプロ騎手として責任はあるが、馬混みの中で、よっぽどじゃなけりゃ急ブレーキはかけるもんじゃない。念のため、何度もパトロールビデオを観返した。何度もだ。そのうえで、川田のアレはスミヨン(ひいては外国人騎手たち)に対する意趣返しとしか思えなかった。

スミヨンが危険行為をしたのは確かだけれども、ああしなけりゃ裁定委員に危険行為と認識させられなかったからだろうか。

あれでインティが不当に悪者視されるのを私は懸念する。悪いのは馬じゃない