【反省】 2019年 天皇賞(秋)

2着3着を買っていない。買った馬は5着7着。

アーモンド頭で買うからには少点数で勝負するしかなかったが、こんなことならアーモンドの単勝にするか、

“見る” レースにしとくべきだった(´ω`)‥

しかしレース自体は面白かった。私的関心ごとはスミヨンとルメール腹の中の鍔(つば)ぜり合いとアエロリットの粘り。お金は消えたが、見ごたえはあった。

1000m通過は59秒フラット。アエロリットのリズムが良かったせいか、遅いとは感じなかった。6F過ぎてからのペースアップで、形的には実質4Fの追い比べ。だが、最初の1Fはゆっくり(12.8)、あとは11秒台の連続で気がついたら激流になっていた。

勝ちタイムは1分56秒2。実況アナウンサー(?)がしきりに「レコードにコンマ1秒届かなかった」とか「迫った」とか言ってたが、レコードなんかどうでもいい。続けて「造園課の馬場づくりスゲーっ」とでも言うのなら日本の造園技術のアピールになって国益にかなうけど。

 

1着 アーモンドアイは強かった。3歳時の競馬には疑問符がついたが、古馬になってからは文句なし。東京競馬場のマイル~2400mでは無敵だ(安田記念は大きな不利があったから1着に等しいとカウント)。1枠2番でスタートからすんなり、ロス無く最内を回り、直線では、フェアプレーを過剰なほど意識している戸崎の内を抜けて2着に3馬身差つける完勝。あのぎりぎりのところを抜けていける強気かつ指示に素直な牝馬は、そういるもんじゃない。ルメールのホッとした笑顔も印象的だった。これで日本語がデムーロ並みに上手けりゃもっと好感度が上がるのに。

ところで、近ごろの競馬マスコミがアーモンドアイに献上しまくってる『史上最強』の称号。私にはこれ、とても違和感がある。史上と言うからには過去の名馬たちとの比較になるわけで、そうすると、前哨戦やG2を使って本番に臨むローテを組んでそれでも連勝を続けられるかどうか、そこが問題になるし、それで勝ってきた名馬たちに失礼だ。アーモンドアイには『史上最強』よりは『化け物』のほうがふさわしい。もしかすると実体は、外厩から立ち上るゴーストかもしれない。

2着ダノンプレミアム。ここしばらくG1の川田と不利はセットだったが、今回はルメール・武、それに暴虐魔人のスミヨンがいたのに不利を受けなかった。スタートが良かったのに他馬のダッシュにつきあわず、いつもよりやや後ろめに控えたのは、距離に不安があったからか、それとも不利を嫌ったからか。いずれにしても、スミヨンより外の後ろにポジションどりしたのが良かった。先行してアエロリットにつきあっていたら、最後の踏ん張りが利いたかどうか。距離は、小回りコースなら2200まで持ちそうだ。

3着アエロリット。この馬の頑張りは切ない。スピードの持続力と根性をいくら褒めても褒めたりない。目標にされる逃げ馬の宿命と言えばそれまでだが、「あの馬さえいなければ」な、惜しすぎるレースがとても多い。しぶとく粘るクロフネっ娘は好きだし、検討中に「気温が上がれば牝馬2頭あるかも」とは思った。なのに「直線の長い東京2000は……」と、最終的に切った自分が情けない。

4着にはユーキャンスマイル。あんまり強いとは思えない名前だ。でも金子馬だし前走で新潟2000の重賞を勝ってるし(上がり最速)、でも長い距離ばかり使われてたし鞍上は調子がいいとは言えない岩田だし。それがあの流れであれだけ迫るとは。

5着にはワグネリアン。枠がすべて。「わかりきってたのになぜ買ったの?」と聞かれたら、「しゃーないやんけ」と居直ることにする(←答えになってない)。

6着サートゥルナ―リア。この馬のことはホープフル~皐月~ダービーと観てきたので、マスコミの煽り文句ほどには強いと思わなかった。ただスミヨンが怖かった。もしミドルやハイでも持ちこたえられる馬に乗ってたら、勝利騎手はスミヨンになっていただろう。川田ダノンが控えたためにスミヨンはルメールとアエロリットをロックオン。2コーナーでルメールの出鼻を挫き(意図的かどうか知らんが、レース後にそれで戒告を受けている)、ひたすらアエロリットをマーク、狩猟民族の特性をいかんなく発揮していた。誤算はアエロリットを舐めてたことと、あてがわれたサートゥルナ―リアの特性を見誤ったこと。関係者はスミヨンに乗ってもらいたいがあまり、仲人口(なこうどぐち)をききすぎたのではないか。いい面の皮になってしまったスミヨン、接待やおだてに惑わされず自分で各馬の特徴をつかむほど研究熱心になってくれたらいいが。

7着スワーヴリチャード。左回り適性の高さと調教の弾ける動きは嘘だったのか??と疑いたくなる敗戦。負けるにしても、何か特徴(=次のレースの取捨につながるもの)がほしかった。唯一考えられるのは「次走への叩き」。ホンマかどうかは神のみぞ知る。

 

8着以下ではウインブライトとケイアイノーテックの健闘が光った。特にケイアイノーテックにはいつか復活してもらいたい。それまでどうか無事に。