【感想】 2019年 エリザベス女王杯と腕の長さのうんたらかんたら

結果知って、倒れて寝ていた。

あー疲れた、うー疲れた、おー疲れた。仕事で疲れてたのもあるけれど。

もうあかん。もうあかん。もうどうでもいい。反省することなんかあるもんか。

人気どころから2頭選んで2頭ともコケた。わかってる。みなまで言うな

夜中に起きだして、youtubeでレース映像を観た。それまで、今回の感想記事は死んだフリしてヤメとこうかと思っていた。でもね、映像観たら目が覚めて、やっぱり独り言でも書いておきたくなった。

クロノジェネシススカーレットカラーは前走の疲労が抜け切れていなかったのだろう。他に理由があったとしても、そういうことにしておく。直近の前走評価だけでこの2頭をチョイスした間抜けさは今日で忘れる。そうしよう。

クロコスミアには騙された。もうテンに行けなくなってるのかと思ってしまった。エリザベス女王杯で、6歳牝馬はこの9年馬券に絡むことがなかったし(6歳の馬券がらみはなんと09年のテイエムプリキュアにまで遡る)。それに、いくらリピーターが来やすいレースったって、3年連続はめったにない。G1に限るとほとんどない(というか知らない)。そういやこの馬、去年も騙したんだっけ。個人的には去年はまだよかった、観るだけのレースにしてたから。今年もそうすりゃよかったかな。あ、いやいや、反省はしない。終わったことだ。

クロコスミアが自分のペースで走れた時の粘り強さは、父ステイゴールドや母父ボストンハーバーの特性もさることながら、母系2代母ショウエイミズキの血統的底力によるところも大きそうだ。ショウエイミズキ、なんたって「ナシュワン×サドラー×アホヌーラ」。重い、晩成、長距離血統の三重奏である。これを活かしきれない環境では三重苦となり、早晩ツブす対象になるのだが、ありがたいことに牝系は生産牧場を変えながら日高で脈々とつながっている。ショウエイミズキの母アルヴォラはディクタットの母、祖母パークアピールはケープクロスの母、こういう血統背景の牝馬を輸入した日高の生産者がいたってのも驚きだ。いっそ有志で、この牝系まるごと、配合育成研究会(=保存会)でも開いて日高の明日につなげてほしいんだが、立ち上げ式や懇親会に金と時間を使い、敵味方にすぐ分かれてしまう精神風土があると難しいんだよな、これが。

 

で、勝ち馬ラッキーライラックだ。出馬表の馬柱を見ると

1800m以上戦での勝ち鞍なし。なんだこれは。

1800mでも勝ったことがないんだぞ。東京2400mオークスでアーモンドアイの3着、これを後付けで「本格化前にアーモンドの0.6差なら強い」と考えることができたとしてもそれがなんになる。検討時点で思いつけよ、このバカ。

「いやしかし、スミヨンなら。いやしかし、スミヨンでも」――そう逡巡して “スミヨンだから買ってみた” ことになるのがイヤで予想にも挙げなかった、買いもしなかったエエカッコしいもいることだろう(はい、私です)。間抜けか、貴様

調教師・松永幹夫、強気でしたけどね。ヘヴンリーロマンスがよぎりましたよ、私。

断言しよう

スミヨンなくしてラッキーライラックの勝ちなし

直線の攻防観ましたか? スミヨンのアグレッシヴなコース取りと馬追い、迫力ありましたね。鬼神ですわ。鬼ですわ。夜中の寝ぼけマナコが一気に醒めました。

日本人騎手にはなかなか引き出せない最後の伸び脚。巷では、同じ位置、同じ折り合い、同じ仕掛けをやっても、日本人だと同じようには伸びないと言われている。

でもこれ、果たして「日本人だから」だろうか

もちろん、結論として「日本人だから」とは言える。なぜか。技術レベルの差か、ハングリー精神か、生まれたときから馬になじんでるわけでない環境のせいか。

どちらもそれぞれ少しだけ原因らしいものになっている。でも、それが全てではなく根本原因ではない、と私は見ている。根本原因、それは腕の長さ差だ

はてなで競馬ブログを始めて私が再三書いてきたことに、「日本人騎手と外国人騎手との骨格の違い」がある。はっきり書けばそれは手足の長さ、リーチである。いつだったかルメールと池添との叩きあいでも感じたし、古くはステイゴールドを勝たせた武豊と勝たせられなかった熊沢、直近では今春のヴィクトリアマイルのレーンと戸崎でも感じた。腕に長さがあれば、ハンドリングに余裕ができ、融通が利く。そのうえ、どんな姿勢でも(落馬しかかってたりアブミから足が外れてたら無理だけど)華麗な見せムチが可能になるから馬をコントロールしやすく、ぎりぎりのところで極限の伸び脚を引き出すことができる。

いま日本に来ている西洋系外国人騎手と日本人騎手、その中で同じ身長の者を並べて肩から指先、股の付け根から足が地についているところまでを測ってみたら、十中八九、外国人騎手のほうが長いはずだ。偉い人は「3cmの違いくらいなら誤差の範囲」と言いそうだが、競馬好きなら指の1関節分の違いでも手綱さばきに影響を与えるかもしれんと想像がつく。

手足の長さの不利は、特に競馬の場合、努力や根性では補いきれない。これは騎手自身が痛切に感じていることだろう。その意味で、川田(JRA公式159.0cm…実際は2cmほど低そうだ)の努力には頭が下がるし、藤岡祐介(JRA公式165cm)のチャンスと見るや……な知恵の使いどころに感心する。

昨年暮れ、朝日杯FS感想記事に、『藤岡佑騎手は、競馬において骨格にハンディのある日本人騎手が、西洋系の血を持った騎手に伍するために必要なものが何かを示唆してくれている。』と書いた。どんなトップ選手にも隙ができる。自馬でその隙を狙えるかどうか、読んで判断する能力が藤岡佑は高い(その自在版が少し前の横山典である)。

JRAの理事たちや競馬学校の騎手上がりの教官たちがこのハンディに気づいていないはずはない。わかっていて競馬学校廃止の方向に傾いているのか、それとも「じゃあどうすればええんやー」と手をこまねいているのか(無策)。

競馬学校や現場(美浦栗東)で、身長比の手足の長さを数値化して、数字に応じた操馬技術や操馬具を改良・開発するのは無理なのか。岩田康誠や蛯名、川田が、馬の背中に負担がかかることを承知で『踊り追い』をしていたのは、骨格という決定的なハンディでしてやられることを少しでも少なくするための工夫だった。しかしあの乗り方は、長い間に騎乗者自身も自分の脊椎をやられるだろう。乗馬素人の私が言うのもなんだが、あれよりもうちょっと合理的な工夫はなかったものか。

見た感じ、身長比で平均より手足が長いのは藤田菜七子。身長や足に比べて腕から手先までが長いのは四位。全盛期の武豊が日本ではなくフランスを拠点にしていれば、もしかしたら彼の地でそれなりの地位まで行ってたかもしれない。 と思う。

2019年 エリザベス女王杯

去年の出走表と今年のを比べてみた。

去年ノーザンF生産馬が17頭中6頭、社台系(サンデーRH、キャロットR、シルクR、東京RH、G1RH)一口クラブ馬4頭

今年ノーザンF生産馬が18頭中9頭、社台系(サンデーRH、キャロットR、シルクR、東京RH、G1RH)一口クラブ馬8頭

去年ディープインパクト産駒2頭出走、真ん中あたりの4枠8番と6枠11番にいた。今年5頭出走、いずれも外目から大外の6枠11番~7枠13番、8枠17番と18番にいる。

また、偶然だろうが、栗東滞在の斎藤誠厩舎の2頭が2枠同枠、隣り合わせ。人間では池添兄弟が大外で隣り合わせ(兄の池添騎手は18番レッドランディーニ騎乗、弟の池添学調教師のサラキアは川田騎乗で17番)。

馬齢別では、去年、4歳馬はわずか4頭の出走。でも今年は10頭もいて、うち7頭がゲート番号12番から18番までを占めている

出走もゲートも、狙ってやってるのかと思うほどである。

馬場状態と脚質を考えるに、16番スカーレットカラーかなぁと思う。でも自信はない。とりあえずそこに8番クロノジェネシス秋華賞激闘の疲れが心配だが)を絡めて結果を待ちたい。

 

【感想】 2019年のアルゼンチン共和国杯とみやこステークス

珍しく休みになったので、リアルタイムで東京メインと京都メインをTV観戦。

予想も投票もしないのに、リアルタイムで観ていると、スタート前から妙に気分が高まるのは何故だ。十年ちょっと前までは、「今日は賭けない」と決めてもこのソワソワと高揚感に負けていた。老いにより近づいた今は、金と時間の限界が目の前にあるから抑制が利く。それでも鼓動が早くなり、顔が熱くなるのは止まらない。

 

11月3日、日曜日の2つのレースの感想を一言で言うと、「ちょっと悲しい」。率直に言うと「心が痛い」。こういうとき、「勝ち負けってイヤだなぁ」と思う。矛盾してるのは自分でもわかってる。

 

アルゼンチン共和国杯では、人気で裏切ることが多々あったアフリカンゴールドがホントに1着になれるのか、昨年話題になった障害からの転戦馬、オジュウチョウサンはいったいどこまでやれるのか、この2点に関心があった。

レースは武不在の代打、松岡騎乗のオジュウチョウサンがハナをきり、1000m通過は1分02秒。遅い。松岡はチョウサンに、切れる上がりの脚があるとでも思ってるのだろうか……と怪訝に思っていたら、案の定、直線の上り坂でアップアップ。特に応援していたわけではないが、8歳馬のズルズル後退はやるせないものがあった。

1番人気のアフリカンゴールドは追い上げたものの3着。ペースや展開に左右されやすいメンタルは相変わらずで、はっきりした武器がない。しばらくは微妙な着順が続きそうだ。なお中継では、直線のたたきあいでルメールがポポカテペトルとパリンジェネシスの間を強引に割ったように見えたが、パトロールビデオを見るとコース発見力が凄いだけだった。

 

みやこステークスは、インティが心配だった。単独逃げできないと脆いことが明らかになったうえ、59kgのトップハンデで大外枠。川田が武豊の代理で騎乗するが、武豊と川田とでは骨格(と性格)の違いによる馬アタリが違いすぎることも懸念材料だった。

それでも、「絡まれてもイージーに流せる稽古や重い斤量に耐える稽古をクリアして臨んだはず。掲示板下でも健闘だ」「最悪でも無事ならよい」と、わずかな希望にすがってみたのだが。

とても後味の悪い結果になった。

良の砂ダートなのに3頭で競った結果、1000m58秒9という馬鹿っペースになったことは仕方がない。それで3コーナーを回る頃に踏ん張る気力を無くしていたとしても、まぁ生き物のことだからこれも仕方がない。スミヨンがコーナーで強引に入ってくる、これも予想できないことではない。

問題は、鞍上川田のあの不利アピール。あれで馬を止めるか? 馬はまだ走るつもりでいたぞ。一時(今も?)の四位を彷彿とさせる不利アピールでメイショウウタゲが転げてしまった。とんだとばっちり

インティブレーキにまったく気づかなかった国分自身にもプロ騎手として責任はあるが、馬混みの中で、よっぽどじゃなけりゃ急ブレーキはかけるもんじゃない。念のため、何度もパトロールビデオを観返した。何度もだ。そのうえで、川田のアレはスミヨン(ひいては外国人騎手たち)に対する意趣返しとしか思えなかった。

スミヨンが危険行為をしたのは確かだけれども、ああしなけりゃ裁定委員に危険行為と認識させられなかったからだろうか。

あれでインティが不当に悪者視されるのを私は懸念する。悪いのは馬じゃない

【反省】 2019年 天皇賞(秋)

2着3着を買っていない。買った馬は5着7着。

アーモンド頭で買うからには少点数で勝負するしかなかったが、こんなことならアーモンドの単勝にするか、

“見る” レースにしとくべきだった(´ω`)‥

しかしレース自体は面白かった。私的関心ごとはスミヨンとルメール腹の中の鍔(つば)ぜり合いとアエロリットの粘り。お金は消えたが、見ごたえはあった。

1000m通過は59秒フラット。アエロリットのリズムが良かったせいか、遅いとは感じなかった。6F過ぎてからのペースアップで、形的には実質4Fの追い比べ。だが、最初の1Fはゆっくり(12.8)、あとは11秒台の連続で気がついたら激流になっていた。

勝ちタイムは1分56秒2。実況アナウンサー(?)がしきりに「レコードにコンマ1秒届かなかった」とか「迫った」とか言ってたが、レコードなんかどうでもいい。続けて「造園課の馬場づくりスゲーっ」とでも言うのなら日本の造園技術のアピールになって国益にかなうけど。

 

1着 アーモンドアイは強かった。3歳時の競馬には疑問符がついたが、古馬になってからは文句なし。東京競馬場のマイル~2400mでは無敵だ(安田記念は大きな不利があったから1着に等しいとカウント)。1枠2番でスタートからすんなり、ロス無く最内を回り、直線では、フェアプレーを過剰なほど意識している戸崎の内を抜けて2着に3馬身差つける完勝。あのぎりぎりのところを抜けていける強気かつ指示に素直な牝馬は、そういるもんじゃない。ルメールのホッとした笑顔も印象的だった。これで日本語がデムーロ並みに上手けりゃもっと好感度が上がるのに。

ところで、近ごろの競馬マスコミがアーモンドアイに献上しまくってる『史上最強』の称号。私にはこれ、とても違和感がある。史上と言うからには過去の名馬たちとの比較になるわけで、そうすると、前哨戦やG2を使って本番に臨むローテを組んでそれでも連勝を続けられるかどうか、そこが問題になるし、それで勝ってきた名馬たちに失礼だ。アーモンドアイには『史上最強』よりは『化け物』のほうがふさわしい。もしかすると実体は、外厩から立ち上るゴーストかもしれない。

2着ダノンプレミアム。ここしばらくG1の川田と不利はセットだったが、今回はルメール・武、それに暴虐魔人のスミヨンがいたのに不利を受けなかった。スタートが良かったのに他馬のダッシュにつきあわず、いつもよりやや後ろめに控えたのは、距離に不安があったからか、それとも不利を嫌ったからか。いずれにしても、スミヨンより外の後ろにポジションどりしたのが良かった。先行してアエロリットにつきあっていたら、最後の踏ん張りが利いたかどうか。距離は、小回りコースなら2200まで持ちそうだ。

3着アエロリット。この馬の頑張りは切ない。スピードの持続力と根性をいくら褒めても褒めたりない。目標にされる逃げ馬の宿命と言えばそれまでだが、「あの馬さえいなければ」な、惜しすぎるレースがとても多い。しぶとく粘るクロフネっ娘は好きだし、検討中に「気温が上がれば牝馬2頭あるかも」とは思った。なのに「直線の長い東京2000は……」と、最終的に切った自分が情けない。

4着にはユーキャンスマイル。あんまり強いとは思えない名前だ。でも金子馬だし前走で新潟2000の重賞を勝ってるし(上がり最速)、でも長い距離ばかり使われてたし鞍上は調子がいいとは言えない岩田だし。それがあの流れであれだけ迫るとは。

5着にはワグネリアン。枠がすべて。「わかりきってたのになぜ買ったの?」と聞かれたら、「しゃーないやんけ」と居直ることにする(←答えになってない)。

6着サートゥルナ―リア。この馬のことはホープフル~皐月~ダービーと観てきたので、マスコミの煽り文句ほどには強いと思わなかった。ただスミヨンが怖かった。もしミドルやハイでも持ちこたえられる馬に乗ってたら、勝利騎手はスミヨンになっていただろう。川田ダノンが控えたためにスミヨンはルメールとアエロリットをロックオン。2コーナーでルメールの出鼻を挫き(意図的かどうか知らんが、レース後にそれで戒告を受けている)、ひたすらアエロリットをマーク、狩猟民族の特性をいかんなく発揮していた。誤算はアエロリットを舐めてたことと、あてがわれたサートゥルナ―リアの特性を見誤ったこと。関係者はスミヨンに乗ってもらいたいがあまり、仲人口(なこうどぐち)をききすぎたのではないか。いい面の皮になってしまったスミヨン、接待やおだてに惑わされず自分で各馬の特徴をつかむほど研究熱心になってくれたらいいが。

7着スワーヴリチャード。左回り適性の高さと調教の弾ける動きは嘘だったのか??と疑いたくなる敗戦。負けるにしても、何か特徴(=次のレースの取捨につながるもの)がほしかった。唯一考えられるのは「次走への叩き」。ホンマかどうかは神のみぞ知る。

 

8着以下ではウインブライトとケイアイノーテックの健闘が光った。特にケイアイノーテックにはいつか復活してもらいたい。それまでどうか無事に。

2019年 天皇賞(秋) 追記あり

先週の菊花賞

『売り上げは162億9025万3800円で対前年比88・3%と大きくダウン。20日京都競馬場の入場人員は5万5452人で同100・7%とほぼ前年並みだった(スポニチウェブ)』そうだ。

売り上げは大きく下げたのに入場者は前年と変わらず……ということは、レースと結果に関心はあるものの、いつもなら断然軸の単や複にドカンと100万~1000万円入れる人たちが軸が定まらないから “見るだけのレース” にとどめたか、あるいは、台風19号の影響で東北~関東の馬券投機筋が競馬どころじゃなくなっちゃったか。

投機競馬をやる人には明日の東京メインのほうがいいんだろうが、ちまちま少額賭けるしかない私には、このあいだの菊花のように混戦模様のほうが楽しい。宝くじみたいな感覚だ。当たるも八卦なとこまでおんなじだ。

 

さすが、天皇賞(秋)である。クラシック、ジャパンカップと並んで、ノーザンが他牧場を叩き潰す勢いで臨む東京2000m。天栄としがらき、いずれもNF虎の穴の精鋭たちがぞくぞく出てきている。当節の予想のキモは、「その精鋭たちの中からどれを選ぶか」。

天 栄……アーモンドアイ、マカヒキワグネリアン

しがらき……スワーヴリチャード、ユーキャンスマイル、サートゥルナ―リア、アルアイン

やっぱり、◎はアーモンドアイしか考えられない。希望的展開予想は、

スミヨンがSッ気全開気分になって、ダノンプレミアムの外ななめ後ろに貼りついて川田を閉じ込め、同時にアエロリットを可愛がる。しかしアエロリットはそんなプレッシャーにへこたれるタマではないから、落とすのに時間がかかり、そうこうしているあいだにアーモンドアイが自在脚を繰り出して豪脚一閃、まとめて交わしてゴールに飛び込む。

とても都合のいい妄想である。妄想であるが、妄想するしかないほどつまらない力上位とそれ以外の実績差・力差が大きすぎる面子なのだ。

で、そのアーモンドアイが内から来るか外から来るか。それによってヒモ馬が変わる。

内からなら14番ワグネリアン。外からなら4番スワーヴリチャード

自信度は20%だ \(^o^)/

 

余談ながら、

馬がやる気になってるケイアイ、騎手が虎視眈々なカデナ、厩舎一丸が感じられるアルアイン、3頭出しの死角になってるユーキャン。買わないけど(買わない理由はちゃんとある)この4頭の調教はアーモンド、スワーヴに次いで良かった。 

 

<追記> 10.27 AM8:50

調教で超抜時計を出したのが2頭いる。マカヒキとダノンプレミアムである。この2頭について全く触れなかったのは、まずマカヒキは「やけくそで調教だけ走ってみた」可能性が捨てきれない。ダノンプレミアムは、今年金鯱賞を勝っているから距離に不安はないものの、鞍上がマークされやすく不利を受けやすい川田という点で不安が残った。無論、大きな不利さえなければダノンプレミアムは馬券内候補に十分である(1着のイメージはわかないが)。

【感想】 2019年 菊花賞

今年の菊花賞は面白かった。

馬券的には、外厩組や前走条件戦組をバッサリ切り、秋華賞の反省を踏まえて6頭ボックスで勝負、サトノルークスが来てくれたおかげで首の皮1枚つながった。しかし決して、「トリガミじゃなかったから面白かった」わけではない。

何が逃げるか皆目わからなかったこのレースで、逃げたのはなんとMデムーロのカウディーリョ。レースの開始直後からデムーロの逃げを観られるなんて滅多にないこと。もしかしてG1では初か。

カウディーリョは、最後の直線で早々に武ワールドプレミアにロックオンされ、ゴールまであと少しのところで力尽きて8着に終わった。けれど、デムーロが試みた逃げは美しく、また巧かった。一般的に、“巧い逃げ” とは “自分の騎乗馬を勝たせる逃げ・勝たせた逃げ” を指すが、私は “レースを引き締めるラップ刻み”に巧さを感じた。2コーナーを回って向こう正面、スタートから1400m~1800m付近で馬群をひきつけすぎもせず、離しすぎもせず、わずかな揺らぎだけで粛々と逃げるカウディーリョのリズムに、初めて“逃げ”を「きれいだ」と思った

2019年菊花賞の決着タイムは3分6秒0。去年(2018年)は3分6秒1。

JRA発表の馬場状態は去年も今年も同じ「良」で、時計はたった0秒1しか変わらない。なのに感じた面白さには雲泥の開きがあった。あの逃げのおかげで各馬のスタミナと騎手の技術力が問われ、目が離せないレースになったのは確かだ。

菊花賞ラップタイム
2019年 12.9-12.4-12.3-12.6-12.2-12.2-12.7-12.7-12.5-12.8-12.5-12.0-12.0-11.8-12.4
2018年 12.8-11.9-12.5-12.9-12.6-12.4-13.3-13.0-12.8-12.7-12.8-12.2-12.2-10.7-11.3

発表は「良」でも、コースの内側は芝が剥げていた。そして当日の京都芝のレースは距離・条件問わず上がりがかかっていた。そこを、調教で言うと12ハロンを強めに追われ、さらに3ハロンを一杯に追われるマラソンラップ。器用さや瞬発力だけではどうにもならない。ましてや本質的な適性距離が2000mそこそこの馬には厳しすぎた。

デムーロが逃げたことで生じた “何かが起こりそうなワクワク感” は、全馬のゴール後、全着順がわかったあとも裏切られなかった。

 

まずはニシノデイジー。位置取りが後ろ過ぎた面はある。しかし道中でスタミナが削られたのか、追い出されても速い脚は長く続かなかった。

直線の攻防でヴェロックスの脚が鈍く映ったのも残念だった。ヴェロックスとニシノデイジーは夏を越しても胴の長さが変わらず、2000m前後までの馬に見えなくもなかった。それでも、ルメールにはマジック、ヴェロックスには気力や粘りによる、“力差があからさまでない健闘”を期待した。が、実際にはルメールはマジシャンではなく、ヴェロックスは長くいい脚を使える2頭に屈し、さらに大伏兵の2頭にも迫られた。

大伏兵ディバインフォースメロディーレーン。2頭とも前走条件戦の抽選突破組である。馬柱をちらと見て、ディバインフォースは前走で0,2差とはいえ負けているのを確認して切り、メロディーレーンはナイママとタメを張る12戦消化馬、しかも小柄と言われる馬よりさらに100kg小さい体で、前走より斤量が6kgも増える。これではアラブの牝がサラブレッドと同じレースに出てるようなもんである。なので切った。競馬に熱中して条件戦にもかじりついてた昔なら、メロディーレーンの応援複勝を買ってただろう。だが、もう今や、そういう馬を応援で買って「何かあったらイヤじゃないか!」。……というわけで、メロディーレーンのことは早々に『いない、見ない』忘れる馬にした。

これら前走条件戦の抽選突破組が4着5着と掲示板に乗ったことで、このレースを「レベルが低い」と見る向きがある。が、馬場状態を頭に入れてラップを観れば、今年の菊花賞が例年に比べても低くない、むしろ高いほうのレベルであることがわかる。「サートゥルナ―リアが出てたらタダもらいだった」「リオンリオンが出てたら楽勝だった」かどうかはわからない。無事に走りきれることを前提にしたうえで “馬券の堅軸を1頭決めやすい” ということならわかるが。

明け3歳以降に重賞を勝った馬がG2ひとつだけ勝利の2頭しかいないことでレースレベルの高低を語るのは、ナンセンスだ。

むしろ、長距離の名手と言われる騎手たちの戦略と手綱さばきが見られたことと、今の日本では条件馬に甘んじるしかないようなステイヤーが柔らかめな馬場とよどみないラップによって上位に食い込んだ事実を喜びたい。

 

ともかく、 今年の菊花賞を面白くした殊勲は、デムーロとカウディーリョにある

デムーロ、ありがとう。この逃げができるあなたに、スタミナお化けで、且つ切れる脚もある駿馬(近20年でたとえるならテイエムオペラオーか)を持ち馬にしてくれる馬主さんが現われるよう願っている

 

馬主と言えば、勝ち馬ワールドプレミアのオーナー、大塚亮一氏にもドラマがあった。

戻ってきた武豊騎手に握手を求めたシーンで、「えらい小さい人がいるな」と思った。それが大塚亮一氏だった。騎手になりたかったが親に「せめて高校を出てから」と反対され、高校三年時に不利を承知で競馬学校の騎手課程を受験した経歴の持ち主である(レース後、ネット検索して知った)。それだけでなく、大塚氏には馬主になって以来の大望があり、それがこの菊花賞で実ったのである。

サンスポ【オーナー直撃】(2019.7.16)

武豊騎手でG1を……という願望はワールドプレミアに託したい』

https://race.sanspo.com/keiba/news/20190716/etc19071605030003-n1.html

 

大塚亮一さん、おめでとうございます。

また、友道師もおめでとうございます。かねてより友道師の、個々の馬に合わせた馬育てに敬意を表しているわたくしですが、ワールドプレミアを◎にも○にもできなかった非礼をお許しください。

そして、令和になってもタケユタカ

武豊氏には、「50歳じゃキツイよな」と思った非礼をおわびしたい。

 

わしゃ、おわびばっかりである <(_ _)> 

2019年 菊花賞

豪G1のコーフィールドC(芝左2400m)で、メールドグラースが優勝したらしい。

騎乗したのはDレーン。この春、短期免許で日本に来て、またたくまに乗る馬乗る馬、どんな馬でも過剰人気にした若き名手である。

コーフィールドCでのメールドグラースの斤量は55,5kg。トップハンデ馬は58kgだった。メールドグラースは遠征直前の小倉記念で57,5kgのトップハンデで勝利してるので、それより2kgも軽い斤量は恵まれたとも言える。

日本馬は、オーストラリア・香港・ドバイでなら勝てるのに凱旋門賞だけなかなか勝てない。勝てないどころか成績は年々悪くなっている。日本とフランスのロンシャン、馬場の違いは大きい。が、最大のネックは斤量じゃないかと、今日のコーフィールドCの結果で思った。4歳以上で凱旋門賞に参戦するなら、半年程度の現地滞在はもちろん、日本にいるあいだにハンデ重賞に最低58kgのトップハンデで出走して勝利する力がなければ「行ってもムダ」になりそうだ。馬場状態がどんなでも、増えた斤量を気にせず走れるのはステイゴールドの直仔かエルコンドルパサ本体くらいのものだろう。

 

さて菊花賞

去年の菊を思い出すとまだ腹が立つ。コケにされたような、後味の悪いレースだった。

今年はたぶんあんなレースにはならないだろう。なぜなら、スミヨンがいる。スミヨンは性格的にたくさんの欠点を持つが、誰はばかることなく唯我独尊なだけに、“自分以外の誰かの利になるような忖度”を許さず、自分への忖度であっても“忖度を仕向けた側が頭を抱える”ようなレースと振る舞いをする。これがいい方向に働けば、良い意味でレースを壊してくれる(はずだ)。

そのスミヨンが騎乗するのはヒシゲッコウ。午前10時現在4番人気。直前追い切りは出走馬中1番か2番くらいにとても良かったが、これは調子の良さで人気になっているのではなくスミヨン人気だろう。ルーラーシップ産駒の火事場のクソヂカラは重々承知しているし、ヶ月で10回も調教馬場に駆り出して乗り込まれいるところから陣営の気合いがうかがわれるが、逆に筋肉が硬くなってるおそれもある。私的には「注か?」くらいの怪しげなヒモ印を回すのが精いっぱいだ。

スミヨンという当て馬で、興奮を余儀なくされているのがルメール。馬だけじゃなく騎手も駒なのね。“持ち馬”って概念は遠い昔のアナログ世界に弾き飛ばされてしまった。今回、ルメールはヒシゲッコウやサトノルークスでなくニシノデイジーに乗る。出馬表を確認したとき、びっくりした。衝撃だった。「ルメールはノーザンの寵愛から外れたのか??」と。ニシノデイジーの実力は不明だ。前に行きたがる癖を修正しようとしているあいだに、負け癖がついてしまったように見える。調教は1週前・直前ともに悪くない。馬力があるのはわかっている。皐月賞以外では大きく負けていないので立ち回り次第の馬だが、ルメールはどう乗るだろうか。

昨年の制裁王デムーロは、前走で2勝クラスを勝ったばかりのカウディーリョに騎乗。デムーロは今年、ファウルの回数減少と共に勝ち鞍を減らし、精彩を欠いている。ヒシゲッコウとカウディーリョの2頭出しで臨む堀師が、デムーロにどんなレースを期待しているのか。前走後のカウディーリョは、北海道のNF空港という外厩にいて、そこから美浦に運ばれた。外厩で対策をほぼ済ませたのか、同厩のヒシゲッコウに比べて美浦での調教は「斤量慣れと末脚強化・確認」に終始している。アテにならないデムーロというマイナス材料が手伝ってか、現在11番人気。全姉にディアデラマドレ、半兄に先ごろ京都大賞典で大穴をあけたドレッドノータスがいる血筋、このまま低人気で推移するようなら、鞍上には目をつぶって複勝買ってみるのも面白い

外厩といえば、今回、いわゆる外厩からJRA厩舎に入厩した馬は18頭中4頭と、春までのG1に比べて非常に少ない。これはおそらく、ノーザン天栄の調教主力が凱旋門賞出走馬のために渡欧していた影響だろう。天栄組がザダルとホウオウサーベル、追分ファーム外厩組がディバインフォース、そしてNF空港組が先述のカウディーリョである。

夏の降級制度がなくなって上がり馬の実力に疑問符がつきまとい、全馬が初となる今年の3000m菊花賞

上記、外厩組の中では、人気であっても私はホウオウサーベルは買わない。成長を促しながらの慎重な使われ方に好感はもつものの、55kg以上の斤量で馬券内がなく、初の右回り実戦。それ以上に鞍上の蛯名が気がかりだ。斤量負けしないメンタルとフィジカル、および右回り走のトレーニングを外厩でみっちり施されたとしても、良くて掲示板だと思うのだ。

私の狙いは4番ユニコーンライオン12番レッドジェニアル

ユニコーンは一発狙いで定評のある矢作(厩舎)だし、レッドジェニアルは血統的に面白く、ちょうど昨日、半兄のノワールギャルソンが新潟障害OP3250mで61kgを背負って逃げ切り勝ちしたばかりだ。

3番カリボールに類稀なセンスを感じて、こちらを中心にしたいと思ったが、今日のところは様子見にとどめる。

もちろんニシノデイジーやワールドプレミア、ヴェロックスも買うし、サトノルークスも買うつもりでいる。サトノルークスは外枠になったためか人気を落として8番人気。確かに内枠だったら良かったと思う。でも、こういう人気のないときの福永は、有力馬の壁になったり気配を消したりするから怖いんだよね。