2018年度JRA賞が発表されたが

JRA賞って、受賞したらなんかもらえるんだろか。

賞状や盾やトロフィーの類だけだったら

警察消防からの感謝状や学校のなんとかコンクールの表彰と変わらない気がする。

でも記録として残るから、トレードの書類審査には有効か。

高額トレードをハイレベルお受験と考えれば、

馬売りには「あって損はない」称号なんだろう。

 

SNSでは最優秀3歳牡馬の得票数が話題になっていた。

得票数1位で選ばれたのは、有馬記念を勝ったブラストワンピースだが、

ブラストワンピースのファンや1口持ちらしき人々の歓喜に混じり、

「クラシックを勝てずにGⅠを有馬ひとつしか勝っていない馬が3歳の代表でいいのか、ダービー(優駿競走)の意義はどこにあるのか」という、日本競馬の成り立ちに迫る問いかけや、

ダート馬のルヴァンスレーヴが69票も得票して、ブラストワンピースの114票にあと45票、得票数二位だったダービー馬ワグネリアンにあと19票に迫ったことに対する賛否があった。

個人的には、ブラストワンピースに票が入りすぎたと思う。ワグネリアンはダービー後が神戸新聞杯の1戦だけなので相対的に「やむなし」という感じ。逆にクラシック皆勤の皐月賞エポカドーロにはもうちょっと票が入っててもよかった。ルヴァンスレーヴの得票数69には、実際強いと思ってるので違和感がなかった。ルヴァンスレーヴは安定して強かった。

ところが、やっぱりいるんだ。いや、おられるんだ。「ダートは格下! 芝でやれない馬がダートに行く。ダートは落ちこぼれの受け皿!」と強力に主張される方々が。

中でも、「ルヴァンスレーヴが最優秀3歳牡馬でもよかったのに」という声に対して「JRA賞なんだからダート馬が受賞出来ないのは当然」という反論?があったのには驚いた。反論者は未成年か学生なんだろうか。あまりにきっぱりと言い切ってるもんで、私の認識が間違ってたのかと不安になった。じゃあ、JRA所属のダート馬はJRAのなんなんだよ。JRA賞に『最優秀ダートホース』部門があるように見えるのはただの幻なのか。

日本の競馬が芝偏重なのは知っている。

言われてみれば、JRAの造園管理課かなんかの人が、昔、「ダート競走は芝の保護育成のために必要」と競馬雑誌の記事に書いてたことをうっすらと思い出すこともできる。

んじゃダート馬って、芝馬のために走ってるようなもんなんだろうか

JRA主催の芝G1は22レースある。対して、ダートG1は2つしかないフェブラリーステークスチャンピオンズカップである。

ダートで走る馬は、芝オンリーを走る馬に比べて加齢による衰えが少ないと言われる。そのぶん、ただでさえ少ないチャンスのダートG1に歴戦の古馬が数多く集まり、3歳ダート馬にとってのハードルは、「チャンスが多いぶん陣営の思惑次第でいくらでも回避できる芝G1」より高くなる。その敷居が高い中で勝った3歳ルヴァンスレーヴは、今年の3歳牡馬の中で出色に強いと言っても言い過ぎではないはずだ。

なのになぜ、2018年度当年くらいは変えてもいい「ダート馬は芝馬より格下」論を変えない人が多いのか。

日本の競馬は、芝競馬のみを権威認定競馬にしていたイギリスを手本にして始まった。なので、長らく生産者にも馬主にも「芝コースで一番早く走れて強い馬が一等賞」と考えられてきたことは理解できる。それはバクチとして馬券を買うこちら側も、日本競馬会、日本中央競馬会も同じだ。

しかし、2018年度のノーザン生産&一口クラブの3歳駿馬たちのように、グレードが高くて賞金が高いレース以外には見向きもしないでスペシャルな外厩で鍛え育てる芝馬が増え、強い「はずの」馬同士が対決するような芝GⅠ戦が少なくなってきたのが現状である。そろそろ、「昔からこういうものと決まっているからコレデイイノダ」的なものの見方を脱して、ダート馬にも芝馬と同等の正当な評価を与えてはどうかと思う。