インティ 4歳 牡

ケイムホーム×ノーザンアスリート×フォレスティ×クリス×アリダー。

これでもかっ!てくらいに北米血統で固め、5代内のクロスは定石通りミスプロの3×4。

生産者の山下恭茂氏と馬主の武田茂男氏、どちらがインティの母系祖母フォレストキティを買ったのか知らないが、当時は相当高い買い物だったろうに(下手すると億)よく日本に連れてきたものだ。

馬主の武田茂男氏を調べると、2002年生まれのストローズティックという牡馬を持ったのが馬主歴の始まり。ストローズスティックは、形だけでもサンデーサイレンスブライアンズタイムの合体版がほしい馬主にアピールするような血統を持ち、2003年の北海道サマーセールで315万円で購買されている(当時はマル市馬のくくりであった)。

はじめ、武田茂男氏は武田文吾氏のご縁の方か、あるいは今は無きメジロ牧場のかつての場長さんか(同姓同名)と思ったが、所有馬一覧を見てみると、ときどきの話題になった種牡馬の産駒を買う一方、よほど北米の短距離ダート血統がお好きなのか、タバスコキャットボストンハーバーコロナドズクエストケイムホームの産駒も購入しておられる。どうやら一般の競馬好きでいらっしゃる可能性が高い。

インティの血脈にはスピード競馬に必要な因子が数種類も散りばめられている。しかし馬はそれだけで走るものではない。全きょうだいであってすら、見かけも中身も違うのが出ることがある。だから馬産そのものが(人間の交配~出産育児同様)ギャンブルみたいもの。インティの馬主さんは祖母フォレストキティと娘キティとの縁でインティを手に入れた。フォレストキティとその子を大事に所有することで自らたぐりよせた奇跡的な良縁、とも言える。

一口クラブ全盛の時代に、こういう馬主さんがまだいたんだなぁと感慨深い。

インティは3歳夏から4歳初夏にかけてなんらかの故障で休養を余儀なくされていた。

有り余るスピードとパワーは本体自体を痛めやすい。このまま大過なく、ダート界を牽引する存在になってほしいと強く願う。