騎手の腕はブースター血脈を凌駕した!…のか?
結局、騎手かぁあぁぁぁ!!
今年の菊花賞はそういうレースになりました。
昨日は快晴、きれいな秋晴れの京都でしたが、決着タイムはスタート直前まで雨が降ってた2010年の菊花賞と同じ3分6秒1。
どないでしょうか、このタイム。天候・晴、馬場・良としては近年にない超遅時計です。
逃げ・先行あわせて10頭いたのに、どうしてあんな馬群が固まったままのレースになるのか。
8年前のは、良発表ではあったけど数時間は小雨がしとしと降っていた。だから実質的には稍重に近い良。蹄鉄つけてる馬は車と同じで滑りやすいからスタートはバラバラ、それでもレースじゃコスモラピュタが果敢に引っ張った。
今年のはただのスローのよーいドン。
逃げ宣言したけど集団の先頭にいただけのジェネラーレウーノや、道中行きたがって体力を消耗したメイショウテッコン、エポカドーロは8着以下に沈み、馬をがっちり抑え込めるか、なだめるのが巧い騎乗達人の馬たちが、正味800m戦のワンツースリーになった。
ジェネラーレウーノ田辺は、あの逃げでどうにかなると思っていたのか? 百歩譲って、自分は着外に沈んでも他の逃げ先行勢をかからせて潰し、エタリオウ(ウーノと馬主が同じ)に戴冠させたいと考えていたとしても、Mデムーロ以外に巧い騎手・怖い騎手はいないと舐めていたのか? そしてメイショウテッコン松山やエポカドーロ戸崎は、あのペースを「遅い。ならば自分が先んじよう」と思わなかったのか?田辺に遠慮しなければならない理由でもあったのか?
まだアイトーン国分が逃げたほうが、見せ場が長いレースになって面白かったのではないだろうか。
先記事に、血脈ブースターについて書いた。これには種類があって、ひとつだけではない。たとえばサンデーサイレンスは日本の競走馬の質を塗り替えるほど強力で万能なブースターだったし、競走馬としていいところを、相互に引き出し増幅する血脈的相性であるニックス(有名な例ではステイゴールドとメジロマックイーン牝馬)もそのひとつである。先記事に書いたSS系に作用する(とみなしうる)ブースターもまた、数ある血脈ブースターのひとつにすぎない。
仮に、それを「ブースターNaB」とする。
今回の菊花賞出走馬18頭のうち、ブースターNaBを持たない馬は5頭いた。
1頭はタガノ牧場産(アイトーン)、3頭はノーザンファーム産(ユーキャンスマイル、フィエールマン、グロンディオーズ)、残り1頭はレイクヴィラファーム産(グローリーヴェイズ)。
5頭中4頭が社台グループ系列の産で、彼らはいずれも、母系または母系底流に「重い」と言われる欧州血脈を多く持つ。それは日本の競走馬のスタンダードではあるのだが、そういう馬をSS仕様の軽い馬場にした日本の競馬場の中長距離の芝重賞で勝ち負けに持ち込ませるには、これまでなら配合で8代内にブースターNaBを紛れ込ませるか、当日の雨を願うか、さもなくば当日午後から馬場に散水する以外なかったはずだ。
しかし昨日は、雨または散水の事実がないにもかかわらず、「ブースターNaB無し」の社台系産4頭のうち、3頭が5着内入線(1着3着5着)。3着内の騎手はすべて京都芝複勝率4割以上、うち2人は外国人騎手。
展開の助けと騎手の腕。
社台グループの特にノーザンFはバクチの勝ち方をよく知っている。