2019年 朝日杯FS(訂正あり)

天栄帰りはいなくて “しがらき” 帰りが頭。ジュンライトボルト、サリオス、タイセイビジョン、ラウダシオン

阪神JFでエライ目に遭ったから、サリオスでその轍は踏みたくない。サリオスもあの馬リアアメリアと同様、少頭数(10頭未満)のスローペースなレースを上がり最速で勝ってきた馬。2戦2勝も、シルクの一口馬なのも同じ。違うのは、性別と、関東馬なことと、母系がND系の強いドイツ産馬であること(アメリアの母はミスプロ色が濃い米国産馬だった)、母産駒にJRAで1勝以上を挙げている馬がいること。さらに父馬や鞍上が違うし、なによりあの馬は栗東厩舎での在厩調整で、過程が違う。

母系血統的にはサリオスのほうが買える。調教も、1週前と直前、ともにいい時計を出していて、少頭数で高速馬場の東京だったとはいえ前走の走破タイムは優秀だ。

リアアメリアは、10頭以上の馬と走るのが初めてで大勢の人間の目にさらされ奇妙な音(音楽)を聴くのも初めて、好奇心のほうが先立ち、レースに気が向いていなかったようだが、牡馬のサリオスはその興奮が闘争心に向かう可能性がある。

主に1200m戦を戦ってきた馬が多いのも追い風になる気がする。前半が狂ったようなハイペースで進んだら、ゴール前200mで後ろからズドンとごぼう抜きが可能だ。

ただ、鞍上ムーアがもうひとつ信用できない。先週、世界的な知名度ではムーアに三枚落ちする川田を選んどいてこういうことを言うのはなんだが、日本の馬場でスミヨン、マーフィー、ルメールより信用できる感じがしない(あくまで感覚的に、ね)。馬もどちらかというと「今この時期」ではなく、3歳初夏以降に大きく成長する血統でもある。かといって軸流しよりボックスを選ぶとトリガミになりそうだし、『羹に懲りて膾を吹く』になるのもイヤだ。馬券種選びが難しい。

穴ではメイショウチタンを狙いたかったが、馬柱をよく見ると中1週。何を慌ててここに出してきたのか。ジュンライトボルトはしがらき帰りとはいえ前走の激闘疲れが心配だし、タイセイビジョンは鞍上が…50歳。サリオスの次を選ぶなら、ノーザン外厩帰りではなく、やや外枠よりなのが気がかりだが、レッドベルジュールがもっとも不安点が少ない。

7番人気以下のをチョイスして複勝買いするのが楽しみ方としては無難かもだ。

【反省】 2019年 阪神ジュベナイルステークス

仕事中だったが、

このレースはタブレットを借りてリアルタイムで観た。

そのあと、自分の携帯を取り出そうとして、

指から物が滑り落ちる現象を体験した。

ああ、俺ショックだったんだなぁ。。。とわかった。

こんなことなら日本じゃなくて香港のレースの

日本馬の複勝脳死で全部買ってたほうがマシだった。

疲れたよ、ママン。

 

 1着 レシステンシア(北村友)

刻んだラップは、12.2-10.5-11.0-11.8-12.0-11.2-11.5-12.5。

2歳の牝馬戦である。3コーナーですでに脱落馬が出るハイペース。戦前下馬評が高かったその他の有力馬たちが(リアアメリア除いて)食い下がろうと懸命に脚を伸ばしたが、レシステンシアは止まらなかった。2着馬につけた着差は5馬身、上がり最速。

これは上がり勝負にさせなかった北村友の頭脳プレーだ。スタートでタイミングが馬とズレやすい北村友が、ズレ(ロス)を少しでも少なくするには、逃げるつもりで一気に出ていくしかない。自分のウィークポイントをゼロにし、馬の能力を最大限に生かす騎乗、それが「逃げ」だった。

逃げるのはヤマカツかジェラペッシュと踏んでいた時点で、私の読みは敗北が確定していた。

 

2着 マルターズディオサ(田辺)

関東馬である。これまでなら、関西初遠征がG1の2歳牝馬は興奮して暴れたりゲートに入るのを嫌がったりしてゲート職員を手間取らせるのだが、今年の関東馬は出走5頭とも模範生だった。栗東留学せずとも平常心で走らせる国枝厩舎のノウハウが広まったのかもしれないが、マルターズディオサの場合は、同年齢の僚馬と一緒に輸送されることで落ち着きを維持できたのだろう。

私はこの馬、「関西初遠征がG1の2歳牝馬、鞍上田辺、直前調教がポリトラック」の3点で即消しした。初の右回り中山だった前走で、鞍上が武豊だったのも消しの補強材料になった。だって武豊と田辺とでは、馬制御の技術に天と地ほどの差があるだろうもん。

いやしかし、田辺にしては頑張った。予想外。まったくホントの予想外。

 

3着 クラヴァシュドール(藤岡佑)

確実なのはリアアメリアではなくこっちだった。馬の力を軽んじたわけじゃない。ただ前走の激闘疲れが2ヶ月では抜けないだろうと、そう思ったのである。調教でも、1週前は馬なりで終いをちょこっと追っただけ。当週の追い切りでは、時計的には前走よりはるかに良かったものの、同日の同じ栗東坂路で超抜時計を出したレシステンシアに敵う感じがしなかった。

レース後、藤岡佑は「現状、力及ばずという感じです」とコメントしたが、2000m以上戦なら仕掛けと馬場状態次第で逆転が可能ではないか。

 

4着 ウーマンズハートビュイック

左回りで起伏がゆるやかな新潟でしか走ってないのに買い目に入れたのは、人気だったからだ。「なぜ人気?」と思った時に、不人気で激走した昨年の菊花賞5着馬(グローリーヴェイズ。前走が新潟だった)が頭をよぎってヒモにした。決してビュイックを巧いとか信用したとかではない。むしろ新馬で乗った津村が今回もまたがってたほうが、あまり考えずに買ってたかもしれない。

 

5着 ヤマカツマーメイド武豊

1枠1番の武豊やん、武豊で未勝利を(微妙だけど)逃げ切り勝ちしてるやん、血統ロードカナロア×グラスワンダーで母系にはデピュティミニスターもいるでよ。……ヒモ買いしたのはただそれだけの理由。

上位馬たちとはやはり差があった。ここからどこまで行けるかは未知数。デビューから休みなしにすでに6走。掲示板に入ったことで関係者には欲が出そうだが、クラシック狙いをあきらめる馬たちが出始める4月頃まで休ませてはどうか。降級制度が無くなった今、気力の粘り以外に武器を持たない馬が細く長く賞金を咥えて帰ってくるにはそれしかない

 

6着 リアアメリ(川田)

断然の1番人気で惨敗したこの馬の敗因ははっきりしている。この馬は、10頭以下のスローなレースでしか競馬をしたことがない。そこで追いこんで勝ってきただけ。

……うん、そうなんだ。客観的にそうなんだ。でもね…でもね…

レース前には、その欠点から目を背けさせるほどの

軸で買いたくなる理由があったのさ!(悲痛)

まずは1週前調教。それから川田、ノーザンシルク。

CWコースで追われたリアアメリアは、無駄が多い走りなりに弾けて見えた。イケる、そう見せた。血統的には興奮しやすさと淡泊さが同居していて、どちらかといえば早熟かも。だから大きなところを取るにはここが目イチの「はず」。そして川田だ。川田がノーザンシルクの看板背負って、阪神の2歳G1で無様なレースをする「はずがない」。

思い込みである。刷り込みである。1番人気に支持されてたのも、カラ風呂に追い焚きだった。

ゲート入りでは落ち着いていた。ゲート出も悪くなかった。しかし最初のポジション取りでモヤっとした。

「川田、なんで他馬が一斉に前行くまで様子見てんねん、なんでそんな後ろから行ってんねん」

実況は直前まで小雨がパラついていたと言っていた。そんな馬場で後方二頭目からレースを進めるのが信じられなかった。

検討記事で、私は “勝てないとすれば、そして2着も外すとなれば、その要因は気性と仕掛けどころ” と書いた。が、気性や仕掛けどころ以前の問題で、川田の消極的なレースぶりがこの惨敗を招いたと感じる。

レース後、騎手も調教師も「調整過程も返し馬も抜群に良かったのですが、終始進まないまま、競馬が終わってしまいました。原因をここから探したいと思います」と、そろって同じことを言ってるが、おまえら二人羽織か。お神酒どっくりか。腹話術師とその人形か。川田はいい加減、中内田から離れろ。中内田も川田の将来考えるなら、少しはオトナとして距離を置け。

 

ものすごーく苦い2歳牝馬G1だった。

救いはアドマイヤマーズの香港マイル勝ち。

馬券は買ってなかったけどおめでとう。

 

2019年 阪神ジュベナイルフィリーズ

出走表をざっと見て、まずノーザン含めた社台系生産馬の少なさに驚いた。去年は18頭中11頭いたのに、今年は16頭中たった3頭だ。現時点での完成度が高いと見込まれた馬以外、ここを使わずに成長を促し、明け3歳から賞金を加算して確実にクラシックを獲る、または3着内を独占する方針に転換したようだ。

ディープインパクト直仔が1頭しかいないのも特徴だ。去年ですでに2頭しかいなかったのだからそういうこともある、のかもしれないが、各馬の血統表を見ると、父父または母父にディープが入ってる馬が8頭もいた。父父(父系)の場合、父馬はキズナワールドエース。競馬をやめてた時期だから、一般ニュースでも話題になったキズナは知ってるけどワールドエースはほぼ初耳(20世紀末のワールド冠名馬にいそうな名前である)。時代がいきなり変わったようで、戸惑ってしまった。

ストームキャット血脈あるいはクリムゾンサタンやスパイソング血脈持ち同士の上位争いになるのだろうか。

また、社台・ノーザン以外日高振興局管内の生産馬が多いゆえか、ロベルト持ちの馬が目につく(見落としがあるかもだが、全9頭)。これはマル外ロータスランドの父系にダイナフォーマーの名前を見つけたのをきっかけで調べた。ドラゴンウェルズ、好きだったなぁ……。

 

総合的に見て、15番リアアメリは外せない。データでは、前走で+10kg以上デブって出走してきた馬は阪神JF本番で[0.0.1.19]。20頭中たった1頭がようやく3着らしいが、調教で栗東CWコースの大外を通ってあんな弾ける動きをする馬が連対を外すなんてのは私には考えづらい。勝てないとすれば、そして2着も外すとなれば、その要因は気性と仕掛けどころ。サウジアラビアRCで牡馬の(現時点の)1番馬サリオスとともに3着以下を引き離したクラヴァシュドールがいて、箱根駅伝の山登りトレーニングよろしくみっちり坂路で乗りこまれてきた筋肉ムキムキのウーマンズハートもいて、そこでリアアメリアの前走を見ると不安になるが、連軸信頼という形で安心したい。

調教で「これは」と思った馬で、データ的に外れになる馬はもう1頭いる。4番レシステンシアである。過去10年、前走京都芝1400mを先行して勝利した馬は[0.0.0.11]。データ通りになるならレシステンシアは馬券外となる。レシステンシアは2戦2勝だがいずれも京都芝1400。普通に考えて、途中で垂れる予測がつく。が、しかし。デビュー戦は内回り、2戦目は外回り。そして中間調教は栗東坂路でなかなかいい時計を出している。これは課題をひとつひとつクリアしていってる(賢い上に競走能力も高い)証左ではあるまいか。あとは(鞍上がヘボかまさなければ)ハロン延長をこなすだけだ。

 

以上、意図したわけではないけれど、午前11時45分現在、太文字の馬たちはすべて4番人気以内。しかし騎手を見ると5番人気以下の馬が絡まないとは言えない構成になっている。血統内にSSの無い馬(ヤマカツ・ロータス)と先週ヘタこいた福永の馬にも目を配りつつ、びくびくしながら結果を待ちたい。

 

【感想】 2019年 チャンピオンズカップ

1着 クリソベリル(川田)

川田のレース後コメント通り、枠の並びが良く、インティにつかず離れず沿うことで勝利が6割は保証されたようなものだった。あとはゴールドドリームが外から伸びてきて横に並んだ瞬間にMax追いするだけ。ゴールまで150mの攻防は川田的に想定内だったのではないだろうか。

クリソベリルはこのあと休養に入るが、東京大賞典フェブラリーSに出走しないことは関係者から明言されている。例のサウジアラビアの最高賞金レースに出るかどうかは未定も、海外遠征視野はほぼ確定的だ。

 

2着 ゴールドドリームルメール

「使える脚の長い馬が好き」という私の個人的な好みもあるが、2着に負けたものの、このレースではゴールドドリームが一番強いレースをした。あの直線の伸びで負けてしまったのがほんともったいない。今が6歳で1か月後には7歳になってしまうのも残念だ。ルヴァンスレーヴの復帰見通しが立たないダート戦線、ゴールドドリームにはできれば引退まで衰え少ない馬でいてほしい。

※ルヴァンスレーヴの疾病は、仮に復帰できたとしてもこれまでのようなレースができる保証がない。クリソベリルはいろいろな意味でラッキーな馬だと思う。

 

3着 インティ(武)

「逃げ馬が走る気をなくしたら復活は難しい」――インティの不安点についてそう指摘しているコラムを見て心配だったが、ひと安心。逃げで良績を上げる馬の多くは神経質で、インティもその1頭(私見)。武に手が戻り、いつもの中央、自分のペースで走れた等、条件が好転した。

1000m通過は1.00.6。

レースラップは

12.8ー11.3ー12.5ー12.1ー12.1ー12.0ー12.0ー11.6ー12.1

ハロン目から美しすぎる時計である。

テーオーエナジー川須が競りかけるように見えたが、それも一瞬、川須は行きたがる馬を抑えて二番手に控えた。これがもし控えなければどうだったか。インティの課題はまだ残されている。

 

4着 チュウワウィザード(福永)

福永は昨年の夏以来の騎乗(7月/3着)。レース後の「勝ち馬のポジションでレースをしたかったのですが、その位置が取れませんでした。今日の勝負のポイントはそこですね」のコメントがすべて(他馬を弾き飛ばしておいて他人事風なのはさておく)。

チュウワウィザード自体は決して弱い馬じゃない。しかし福永はこの馬の8勝中6勝を請け負った川田とは手が違いすぎたし、前集団がインティマークで馬群が固まっていたのもアンラッキー。

これまでの成績を見るとウィザードは内枠馬番で閉じ込められたら最後、出足や道中の反応が素早いほうではないようだ。スタートから自信を持って馬に指示を出せる騎手、たとえばマーフィーが乗っていたら……と思うが、馬主の中西さんがなるだけ日本人騎手にこだわりたい方なら、藤岡康太和田竜二はどうだろうか。

「地力で結果的に先頭ゴールはいいけれど、自ら進んで他馬に勝とうとは思わない」は、父キンカメに似た性分か。性格としては可愛いが、ファンのやきもきは続きそうだ。

 

5着 キングズガード(秋山)

中央競馬G1参戦4回目にして初の掲示板、おめでとう、である。私がインティの次に日高馬の中で好走を期待したのがこの馬とヴェンジェンス。正確に言うと、騎手の秋山と幸に期待した。

その理由は前走のみやこSにある。前3頭の鍔ぜりあいをはるか後方遠目から眺めていたこの2頭がワンツーできたのは、半分は偶然ではない。ベテラン日本人騎手の “機を見るに敏なちゃっかり戦略” がハマったのである。ヴェンジェンスの鞍上、幸は自馬に余力があるのをわかっているから3コーナー手前から外をまくりあげた。キングズガード秋山はその進路をなぞるようにぴったりついてきた。2頭は4コーナーで内がごちゃついているのを尻目に楽々外を走り抜け、直線ではヴェンジェンス先頭、エンジンのかかりが遅いキングズガードはゴール前30mもない位置でウェスタールンドを差し切ってゴール。

秋山は改装前から中京で巧かった騎手だし、幸はダートで信用が置ける騎手。二人とも、みやこSから「インティが出る以上、騎手たちの関心は前に行き、後ろへの注意は手薄になる」と踏んでの臨戦だったはずだ。特にキングズガードは久々の重賞2着でホメられて、馬的にも気分が良かったろう。

哺乳類は基本的に人間の幼児と同じ。気分がいい時に頑張らせる千載一遇のチャンスだったわけで、左回りが苦手な馬のための秋山による二度目の “直線まで死んだふり作戦” は見事功を奏した。レース後コメントを見る限り、秋山はもっと上の着順を目指していた(「やはり左に行きますね。最後は来ていますし頑張っているのですが......」)ようだが、力は出し切ったのではないだろうか。

 

6着 オメガパフュームデットーリ) 

 地方の砂のほうが合っているようだ。

 

7着 ヴェンジェンス(幸)

正直、キングズガードよりこっちのほうが上の着順になると思ってた。

この馬を選んだ理由はみやこS以外に2つある。

ヴェンジェンスと幸の軌跡を見ると、幸がコースとメンツ、馬場状態を勘案してどうにかこの馬を勝たそうと工夫しているのがわかる。その傾向は昨秋から顕著で、各レースごとに異なる位置取りでヴェンジェンスを走らせ、3着内に持ってきている。調べてみると、ヴェンジェンスはデビュー時からダートの新星として期待された馬らしい。それが2歳の暮れ、デビュー3戦目の寒椿賞後に故障発症、1年半の治療休養を余儀なくされた。1年半のあいだ、陣営も幸も、この馬の復活復調を待ち望んでいたのは想像に難くない。昨秋、落馬負傷して外部から競馬を観るしかなかった幸が最も気にしたのはこの馬の状態とレースだったのではないだろうか。復帰した幸は、なお一層この馬のランクアップに腐心したように思える。

また、栗東坂路での最終追い切りも悪くなかった(幸 52.7-37.8-24.2-12.2 馬なり)。

このレースでは直線で内外に他馬が並び、前を行くG1馬たちは止まらず、残念な結果になった。しかし初G1でここまでやれた。層の分厚いダート中距離戦線だが、ハイペースの短距離ダートでも好勝負を重ねてきた馬である。体の無事は当然のこととして、左回りに慣れていけばチャンスが無いとは言えない。

救いはレース後の幸の前向きコメント。ちょっと感動したので載せておく。

よく走っています。最後も伸びてくれました。手前を替え切れないところがありましたから、スムーズならもう少し結果は違っていたかもしれません。馬の具合も良かったですが、この相手でも十分やれる力を見せたと思います

 

8着 タイムフライヤー(マーフィー)

1枠1番が仇になった。道中は淀みないペース、4コーナーから直線にかけては馬群が密集、動くことままならず。休養明け4戦目だったことや、急遽?調教日を増やしたのも妨げになった感。

 

9着 ウェスタールンド(スミヨン)

鞍上の腰痛が全て。というか、この馬は藤岡祐介で観たかった。

 

10着 ロンドンタウン(岩田康)

馬柱見て右馬っぽいと感じたがやっぱり右馬だった。そもそも中京ダート(0.0.0.4)。中間~最終とも調教はとても良かっただけに、右回りのダートG1がないのが調子を上げた右馬には不幸だ。余計な芝G1はつくるくせにダート軽視のJRA、まともな了見を期待するのが間違ってるのか。

サウジの主催者よ、サウジカップは右回りにしてくれ。そしたらノーザンがJRAに「右回りG1をつくれ」と圧力かけて北海道と阪神にダートG1つくってくれるから。

 

11着以下は割愛。

ボディアタックを受けたテーオーエナジーの心身に問題が残らないことを祈る。

2019年 チャンピオンズカップ

今年の出走馬、ノーザン生産馬が5頭、社台生産と白老生産馬が各1頭。全16頭中7頭が社台系。昨年は全15頭中、ノーザン生産馬は1頭、社台生産馬が1頭、白老生産馬が2頭。

毎年、社台と白老は自分とこ生産の上位ダート馬を少数ながら送りだしているから例年通り。やはり、ノーザンだけがわかりやすく数を増やした。

今年2月に、サウジアラビアが世界最高額のダート競走を創設するとのニュースが流れた。

総額18億円超!!サウジで世界最高賞金の新レース創設― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル

高額賞金大好きノーザンなら必ず食いつくだろうと思ってた。中東の政情が不安定だからどこまで現実化するか様子見が必要だったが、サウジは8月に、アメリカのサラトガニューヨーク州)で公式発表。

来年2・29「第1回サウジカップ」開催、世界最高賞金に― スポニチ Sponichi Annex ギャンブル

「第1回サウジカップ」として2020年2月29日に開催、舞台は首都リヤドにあるキング・アブドゥルアズィズ競馬場のダート1800メートルでフルゲートは14頭、総賞金は2000万米ドル(約22億円)、1着賞金は1000万米ドル(約11億円)になるという。主催者は1月のペガサスワールドカップ、3月のドバイワールドカップの中間に行うことで、世界のトップホースの参戦を見込んでいるとのこと。

このオイルマネー豪華賞金レースまであと2ヶ月。今年、凱旋門賞参戦にあたってノーザンがイギリスに拠点を置いたのも、サウジアラビアへの輸送が容易で、中東情勢をいち早くうかがいやすい情報国家だからだろう。無駄のない拠点づくり。さすがだぜ、ノーザン。

 

というわけで、今日のG1チャンピオンズカップはクリソベルが不動の軸。

ゴールドドリームとチュウワウィザードの調子がとても良く、最内には、厩舎的に社台系馬主の信頼度を上げたいマツクニさんが今もっとも不安のない騎手マーフィーを確保したタイムフライヤーがいて、唯一の関東馬サトノティターンは早々に中京競馬場入り(木曜)して万全の体制(ちなみにこのサトノ、1週前調教が上々の左回り巧者である)。古馬の布陣がすごいからクリソベルは良くて3着かもしれないが、昨年の覇者ルヴァンスレーヴと同じ3歳ながら、斤量は55kgと古馬より2kg軽い(ルヴァンスレーヴは56kgでの戴冠だった)。

しかも、内有利と言われるだけに、ノーザンをはじめとする社台系馬が6枠11番から内に揃う中、やはりノーザン生産のクリソベルは内外馬の様子をうかがえる5番枠だ。

なお、12番から外には日高の中小・個人牧場生産馬が並び、非ノーザンの星インティは4番枠ではあるが内にチュウワウィザード、外にクリソベル、福永と川田を使って武インティを潰しにかかっていると見られてもおかしくない配列になっている(インティおよび武田氏が憎い上に、武を中心にした栗東騎手会潰しの意図もあるのか?…笑)。

本日午前10時現在、1番人気はクリソベル、2番人気はゴールドドリーム。前走後にノーザン外厩に放牧に出されていたのはこの2頭だけで、いずれも「しがらき発→JRA栗東トレセン」である。みなさんよく知ってるわぁ。

 

まぁ私はクリソベリルが平坦巧者なのを願いつつ、狭い地方レースを走ったことでレースに嫌気がさしちゃった神経質なインティのメンタル復活を祈ると同時に、日高の中小・個人牧場馬の応援に回ることにする

【感想】 2019年 ジャパンカップ

かつてインタビューで、「競馬は馬7、人3ですよ」と言った騎手がいる。彼は、事実以上に自分の腕を持ち上げられる(=常に神がかり的好騎乗を期待される)ことを嫌って「レースは騎手の力だけで勝てるようなもんじゃないですよ」と言いたかったのだろう。しかし実際、レースには「馬5、人5」、条件戦では「馬3、人7」は確実にあるし、場合によっちゃ「馬2、人3、運5」だってある。

今年のジャパンカップ勝ち馬の場合は「馬5、人5」だろう。エリザベス女王杯マイルチャンピオンシップもそうだった。

勝利の瞬間はなぜか美しい。人馬一体が顕現したように映る。この美しさも、サラブレッドという生き物が付帯的に持つ美しさのひとつなのだろう。

 

優勝(1着)スワーヴリチャード。これはもう「おめでとう!」だ。鞍上のマーフィーは巧かった。今さら言うことではないが、さすが “東京コースのマーフィー” 、道中は前過ぎず後ろ過ぎず、直線ではカレン津村の外を突こうとして「難しい」と知るや内にスパッと切り替えた。鞍上の指示に従うことをしっかり躾けられた馬は、鞍上の迷いを自分のこととして迷い、場合によっては混乱してしまう。『いい加減な指示は出さない』――勝っても負けても馬乗りにはこれが大切な基本で、スワーヴリチャードは今回とてもいい鞍上に恵まれたと思う。

2着レンブーケドール。今年のジャパンカップで一番難しかったのはカレンの取捨だった。私は買えなかった。“最内は水を含んで荒れている” という先入観で不安が先立ってしまった(確かにコーナーは荒れていた。が、直線は芝がところどころ剥がれていたものの、状態としては乾きが早く、重というほどでは無かったようだ)。カレンブーケドールは勝ち馬に競り落とされて4分の3差の2着。津村にとっても陣営にとっても悔しい2着だが、直線のたたきあいで、素人目にも、馬だけでなく津村自身がまさにパワーアップしているのがわかった(レース後、「カレンに乗ってたのが外国人なら勝ってた」と呟いた競馬ファン?がいるが、それならビュイックでも乗せて二ケタ着順にするがよかろう)。津村は33歳、身長165cm(JRA公式)、さる筋に囲い込まれていなければ、「次代の日本人騎手のエースはこの男」と目されてたかもしれない。個人馬主さん、津村にどんどんいい馬を回してやってください<(_ _)>

3着ワグネリアン。不利をこうむるのを嫌ったか、2番枠なのに外に回して仕掛けも遅れ……。どうやら川田は敗者のメンタルに落ち込んでるようだ。オレサマ目力で威嚇してても性根は素直で不器用そう。川田よ、オレサマのままでいいからさ、可愛げのあるオレサマになろうよ。可愛げがあっても脇締めて、足元すくわれないように生きてる見本(先輩)が近くにいるじゃないか。

4着にはびっくりマカヒキ。復活の兆しが見えたとは思わないが、武豊のコメント、「これしかない、というレース」に納得。

5着ユーキャンスマイル。スタート直後に5番と7番に挟まれたのが痛かった。テンから出していく稽古をしていたのに、あれで後ろの位置取りになってしまった。スタミナがあるのはわかってる。だが、だからと言って「直線まで待たないで上がっていけば5着より上の着順になった」かどうかはわからない。そこが競馬の難しいところだ。

6着ダイワキャグニー。これもマカヒキに次ぐビックリだった。逃げたから粘れた面はあるにせよ、7着の菊花賞2着馬とは0.3差。下級条件とはいえダート2400mで2勝してる半兄(アイアムイチバン)がいるのだから、成長と共に中長距離適性が出てくる可能性はゼロではなかった。それを引き出したのは石橋脩の積極騎乗。女性人気の高い石橋騎手だが、ときどきほんとにカッコいいから困る。

7着エタリオウデムーロの不調と調子を合わせるように不振に陥っている本馬、いっそまたデムーロか和田に戻したらどうか。今後も横典続行が決まってるようだが、エタリオウ的にはどうなんだろう?

 

8着以下は割愛。ここで前記事を振り返ってみる。

まずは、ムイトオブリガードの父馬を間違えていたこと。これは恥ずかしい。

次に、ノーザン外厩から帰厩して出走する馬のどれが勝つかと書いたこと。これも恥ずかしい。どれも勝てなかったやないか。勝つどころか良くて3着、悪くてブービー。マーフィーもデットーリも乗らない馬だから調整に熱が入らなかった、てなオチじゃあるまいな。……冗談はさておき、ノーザン外厩に今春までの勢いがない。というか、同じ預託馬でも、重点馬と非重点馬の区別を明確にしたようだ。凱旋門賞のド敗戦をきっかけに、セールのための忖度競馬に内部からも批判があったのかもしれない。

そして、レイデオロだ。騎手がビュイックだから当てにしなかったが、当てにしない以上に、本馬場入場ですでに「あれで外国人騎手?」と思った。馬はいたって普通なのに、表情おどおど、腰が引けてましたやん。芝の重馬場に何かトラウマがあるのか、それともどっかのマフィアに「やらなきゃ意味ないよ」と脅されてたのか。「馬乗リノ経験アリマス、自信アリマス」と牧場に自分を売り込んで、実際にはまたがるのが精いっぱいな牧童見習いのようだった。一体誰がレイデオロの鞍上にビュイックを選んだのか。東京芝(3.1.0.0)、2400芝(2.1.0.0)、重成績(1.0.1.0)の昨年の秋天馬、有馬記念2着馬が11着だよ。体調が悪かったなら、申告して北村宏司か松岡に交代してほしかった。

 

2019年 ジャパンカップ

 

先週のマイルチャンピオンシップはパスした。公私ともにごちゃごちゃした状況で、あんなメンツ(馬・騎手とも)のレース検討や予想は、私の頭では無理だった。そもそも整理整頓ができないくせに、データの整理整頓が必要な競馬をやるってのが間違いなんだが。

帰宅後にyoutubeで観た感想は「池添、怖い!!」。当たり前のことだけど、結果を先に知って観るより、なんの情報もなく観るほうが驚きが大きい。久しぶりに池添の “華” を見た気がした。あとから思うに、池添的には、凱旋門でオルフェに乗れなかった恨み、ブラストワンピースに乗れなかった恨みのリベンジレースだったのかもしれない。

 

さてジャパンカップ。先週のマイルチャンピオンシップと打って変わってノーザン生産馬が大挙出走。全15頭中11頭がノーザン馬。春のクラシックと秋天エリザベス女王杯ジャパンカップと(賞金が上がってからの)有馬記念はノーザンにとって是が非でも獲りたいレース。昨年、14頭中6頭と比較的少なかったのは、ある種の “アーモンドアイ効果” が働いただけのこと。経歴に傷をつけたくない馬が何頭もいるとやりくりが大変だ。

そのアーモンドアイ、今年は香港カップにまわる。おかげで、天候も出走メンツも馬場状態も混沌としている。デットーリやムーアとおんなじレースに乗る津村って何よ、田辺って何よ……いやいやいやいや、そんなこと言うたらあきまへん、これはワールドオールスタージョッキーズジャパンカップ” やさかいに。

最終追い切りで良く見えたのはレンブーケドール、ムイトオブリガード、スワーヴリチャード、ユーキャンスマイル、ジナンボー。次点でまずまずなのがダンビュライト

調教と斤量で選ぶなら、レンブーケドールが一番いい。しかし、未勝利勝ち以来の牡馬とのレースで、不良馬場の翌日の1枠1番。午後1時現在すでに雨は上がっているようで、また母系は荒れ馬場や重馬場もこなせる血筋だが、本馬には未体験の路盤がどう出るか。

ムイトオブリガードは、ハロンごとのペースアップ調教に好感。気がかりは中2Wなこと。2014年から2018年までの5年間で中2Wで馬券になったのは2016年に3着に食い込んだシュヴァルグランのみ。2014年、凱旋門賞帰国緒戦で検疫等もあったのに2着したジャスタウェイなんてのもいるが、あれは変わり種と見ていい。ただシュヴァルもジャスタもムイトオブリガードと同じハーツクライ産駒。ハーツクライの牡馬には叩き2走めの中2Wは苦にならないのかもしれないバカが隣枠の父馬と間違えてましたorz (2019.11.26)

スワーヴリチャードは良くも悪くも、強いのか微妙なのか「よくわからん」馬。これもハーツ産駒。しかし前走より調子が上向きでマーフィー鞍上は追い風だ。

ユーキャンスマイルは今回5頭出しの友道厩舎の1頭。この馬の調教に関して、1週前追い切りがしまいタレで、直前追い切りの時計が遅いことを懸念する向きがある。が、むしろ全体時計がとてもいいことに注目したい。前3走で後ろから行っていたのを、前ポジションに切り替える予行練習のような気がするし、友道師のことだから、休養明け3戦目になるJCの調教でガシガシ追う必要はないと判断したのではないだろうか。

ジナンボーは元気いっぱい。3勝クラス戦だが2走前に不良馬場の東京2000で勝っているのもいい。ただ、今のところ重賞では2000がぎりぎりではないか。ムーアがどこでどう潜りこむかは知れないが、大外になったここでは様子見が無難か。

ダンビュライトは、本質的に寒い時期は苦手と思われるが、鞍上が松若だと走る。愛は寒さも強敵も乗り越えていく……かもしれない。

なお、ワグネリアンルックトゥワイスの調教がさして目を引くものに見えなかったのは、“大一番に備えてテンションを上げすぎないため” の可能性がある。でなきゃわざわざ川田やデットーリを確保していない。想像だけど。

 

というわけで、2着3着に来そうなのはいっぱいいるけど1着が見当たらない今年のJC、単勝1番人気はワグネリアンだが依然として4倍を割れない。

こんなレースで期待馬を1頭に絞るのは無理だ。

無理だが、あえて。そこをあえて。

とするなら

8番レイデオロかな な… … …

レイデオロは、2年前のJCでルメールを背に2着している。4歳になり、秋天を勝った去年こそJC優勝のチャンスだったが、ルメールが確保できないからか(ルメはアーモンドアイに騎乗)JCを回避して有馬に参戦、結果2着。レイデオロは一口クラブキャロットの馬である。レイデオロ担当スタッフや会員の立場になってみれば、チャンスをみすみす逃した口惜しさは強いだろう。「もし本気で口惜しいなら何故パッとしないビュイックを乗せるのか」という疑問は湧くが、そこは無視する(ノーザン的にキャロットの位置づけが低くなってるのかもしれんしね)。

ついでに言うと、出走馬の中でこの中間にノーザン外厩で調整したのは

天  栄…レイデオロ

しがらき…ワグネリアン、ダンビュライト、シュヴァルグラン

NF空港…ジナンボー

らしい。

2歳戦や3歳春のクラシックに比べると外厩のお得感は3割減になるけども、上記の中のどれが勝ち馬になるか、馬券内に何頭が入るか(下半期の古馬混戦ではだいたい1頭)、そういうことも楽しみながら秋の目黒記念を迎えたい。