【感想】 2018 阪神ジュベナイルフィリーズ

このレースには出ていなかったが、

肋骨を4本もやられて年内復帰は無理っぽかった和田騎手が早々に復帰。

肘を開放粉砕骨折した幸騎手はさすがにまだ加療中だが、

騎手の中には、落馬して頭蓋骨割っただけじゃなく

顔も骨折して目の神経管もやられて、

脳挫傷に脳脊髄液漏などなど、普通ならまだ絶対安静中のはずの怪我でも

二週間足らずで退院して馬に乗る人がいる。

騎手という職業人は、どっかおかしい。

ボクサー並みに脳震盪を繰り返しすぎて

痛みや恐怖を感じる神経がマヒしてるのかもしれない。

 

さて、阪神ジュベナイルフィリーズ

阪神ジュベナイルF(長いので以下、阪神JFと略す)の当日は、香港国際競走とかち合うことが多いので乗り替わりが増える。今年の阪神JFは、出走頭数18頭のうち、前走で騎乗した騎手からの乗り替わりは13頭で、お初の騎手に乗られた馬は11頭。川田岩田ルメデム兄のいない空き巣G1。まるでクラシックや秋天の裏開催である。

レースはほぼ人気順の決着だったが、デムーロ弟(Cデム)を信用できないと、どの馬も「帯に短し襷(たすき)に長し」に見えて買いづらいレースだったと思う。

 

1着 ダノンファンタジー(Cデムーロ

先行して勝ってきた馬で後方待機策。ゲート出が悪かったわけじゃない。デム弟はおそらく事前に、このレースを勝つための知恵をつけられていたのだろう。結果としてダノンファンタジーは高水準の自在脚型を印象づけた。

ダノンファンタジーの母ライフフォーセールは、現役時代、アルゼンチンでスプリントから中長距離までを8連勝した。いずれも3歳牝馬限定戦での勝利で、古馬混合戦では人気になりながら惨敗したが、G1を2勝、G2を3勝、G3を1勝の戦績を買われて2013年1月に繁殖として日本に来た。購買者はノーザンファーム。5代内にカロがいてスキーチャンプがいて、ハーツクライディープインパクトとの交配ではリファール4×5のクロスができる。ノーザンにとって申し分ない繁殖である。

ハーツクライとの初仔、キングカメハメハとの第ニ仔は思惑通りには走らなかったが、筆頭種牡馬のディープをつけて産まれたファンタジーは大成功。<デビュー前の評判が良すぎて、1歳下のハーツクライ牡馬はセレクトのセリで2億3千万の値がついた(競り落としたのはアドマイヤの近藤利一氏)>。

これまでのところ、初戦で敗れたグランアレグリア(こちらもノーザン産のディープインパクト牝馬。ただし馬主はサンデーレーシング)とは、どちらにも傷がつかないようにレースの使い分けがなされている。桜花賞で再び2頭があいまみえるかどうかはグランアレグリアの朝日杯の結果次第である(血統的にはグランアレグリアのほうがマイルに適性がありそうだ。朝日杯を勝てば春はNHKマイルに向けて調整することもありうる)。

 

2着 クロノジェネシス(北村友)

前2走とも勝利、且つ上がりの脚1位、特に前走は東京芝1800OP戦で32.5の脚を披露。この馬に「ステッキ(鞭)に頼らない騎手」が乗ってたらどうだったかな、と思わないでもない。

生き物の体は、同じ種であっても、同じようでいてちょっと違う。騎乗スタイルを見ていて、北村友の背中が気になった。肩や肩甲骨付近がコリやすそうだ。頸椎か胸椎のどこかにズレがあるか、クッションが弱いか硬いか……あるいは、肩甲骨ストレッチを熱心にやりすぎて逆に痛めてそのままか。腕を思い切り伸ばして追うことができないからステッキに頼っているように見えた。4コーナーでロスしたしないより、直線の追い負けが残念だった。

クロノジェネシスの血統は好みだ。父はバゴ、母父はクロフネ。なんとなく重め、の血が好きなのだ。記事を書くのに血統を調べていて、5歳上の姉がハピネスダンサーと知った。ハピネスダンサーは父メイショウサムソン。渋く走り続けて昨春引退した。こういう姉がいる妹にはがんばってもらいたい。

 

3着 ビーチサンバ(福永)

やっぱり牝馬の福永なんだなぁ……と、感心してる場合じゃなかった。フサイチエアデール、まだ繁殖やってたのか。ビーチサンバは20歳で産んだ仔だぞ。しかもまだ2頭も下にいるぞ。想像だが、関口房朗の焦げつきをエアデールで回収してるのか。やるな、ノーザン(←妄想なので本気にしないでね)。

 

4着 シェーングランツ武豊

鳴り物入りでフランスから繁殖入りしたスタセリタの3番仔。この馬も、2着のクロノと同じく前2走とも上がりの脚は1番。初戦こそ落としたが、2戦目は好位から長い脚、3戦目は追いこんでゴール前強襲と、もしこの馬にルメールが乗ってたらこれが一番人気になっていたんじゃなかろうか。

姉のソウルスターリングは17年の優駿牝馬を勝って以降、とんと名前を聞かなくなった。夏を越して、その年の秋3戦がさんざんだったのにJRA最優秀3歳牝馬を受賞しちゃったもんで、シラケた人が少なからずいそうだ。ルメール→Cデムーロルメール北村宏司の騎手リレーも国民感情としてはあまりよろしくなかったようだ。

妹のシェーングランツは、父がフランケルからディープインパクトに変わった分、軽さが持ち味になった。しかしこのレースでは、包まれてそれが発揮できなかった。2歳牝馬美浦から滋賀への直前輸送がこたえた可能性もある。

 

5着 プールヴィル(秋山)

出走馬中、調教はこの馬が一番良かった。今回は「外厩→1週前にJRA厩舎→本番」パターンの馬が少なかったから、馬券参加はできずとも各馬の調教を観るのが楽しかった。JRA所属の各調教師(厩舎)がどんな稽古をほどこすか、私にはそれを観るのも競馬の楽しみのひとつなのだ。

Mデム→浜中のあとの秋山起用で、なかなか渋いとこを突いてくるなと思った。プールヴィルは、初戦(中京1600・4着)と二戦目(中京1400・1着)に、前が詰まり横に寄られて進路を探してモタモタする不利があり、三戦目(京都1400・1着)でようやくスムーズに能力を発揮することができた。三戦目は鞍上浜中の好プレーでもあったが、その浜中はウオッカの仔、タニノミッションに騎乗する。リーディングでは浜中が上位だが、秋山は有力馬に乗ることはもちろん、騎乗数自体が少ないので本来の腕の優劣はつけがたい。不安は、秋山が先月のあの事故の加害者気分をどれだけ引きずってるか。引きずりすぎてると消極的な騎乗になるだろう。馬は1400にしか実績がないので、それより1F延びるマイル、それもG1での消極騎乗は初戦や二戦目と同じ(またはそれよりひどい)不利をこうむって2ケタ惨敗もあり得た。

しかし、プールヴィル秋山のレースぶりは悪くなかった。直線では気配を消して、内で追い出しのタイミングを計っていた。

池添がメイショウをプールヴィルの進路に強引に入れた時、秋山はまだゴーサインを出していなかった。メイショウ池添に前に入られなかったら上の着順に来れたか否かは判断が難しい。が、短距離というには微妙な、中途半端な距離で勝ってきた馬にしては、プールヴィルは我慢が利いて距離の融通が利くようだ。不利を受けた時、息や脚がぎりぎりであればそのまま沈んだろうが、プールヴィルはそのあと鞍上の気合いづけに応えてぐんと伸び、メイショウ池添を2馬身置き去りにした。

これでちょっとわかった。プールヴィルは意外にジリっぽい。ステッキを数発もらい、トップスピードに乗れたのはゴール前100m足らず。これは、不利を受けやすいマイナス要因であると同時に、少々距離が伸びても「乗り方ひとつで馬券になる馬」の特徴である。それに、今年の阪神JFで、先行しながら掲示板に残った馬はプールヴィルだけだ。

関係者は、これからどういう育て方をするのだろうか。当面の目標は桜花賞だろうが、その先、距離を伸ばして1800~2000mでもいける馬にするのか、短距離路線に向かわせるのか。いずれにしても、今回の当日馬体重426kg(前走より10kg増)、体重はこれを下限にしてもらいたい。体が小さいと、他馬の騎手の標的になりやすい。馬同士はそんな気が無くても、人間には小ささが弱点に見えて潰しにかかる。

小さいけれど地力がある馬。本賞金の上積みに焦って数使われることがないように願う。 

【感想】 2018 チャンピオンズカップ

このレース、チャンピオンカップではなく、チャンピオン「ズ」カップと言うらしい。

地方・海外のチャンピオンが集結するわけでもないのに、なんで「ズ」なんだよと思うが、父親が同じでも「きょうだい」と言わないのと同じく、競馬の専門用語のひとつなのかもしれない(嘘)。

レースは面白かった。レースを和田・川田・横典のどれかが引っ張るとワクワクする。好きな騎手だからというせいもある。しかしこの三人は、自分の騎乗馬より人気になってる人馬にひと泡ふかせるようなレースをつくる。結果的に人気馬に負けたとしても、観る側の私は納得できる。<ひと昔前はそこに小牧や松岡もいたが、両方ともG1で見かけることが少なくなった。小牧は橋口弘次郎師の引退によって有力馬の騎乗依頼が少なくなったので仕方がないにしても、松岡はある時期から騎手という職業への執着が薄れ、それが今に祟っているように感じられる。>

 

1着 ルヴァンスレーヴ(Mデムーロ

前評判通りに強かった。素質(身体能力&気性)はもちろんだが、それを注意深く開花させた育成・外厩の勝利でもある。アーモンドアイのダート牡馬版と言っていい。

実況の民放アナウンサーはゴールよりも早い段階でルヴァンスレーヴの名前を連呼し、ゴール寸前からゴール後にかけて、しきりに「怪物!」と絶叫していた。ルヴァンスレーヴやアーモンドアイが、医療・食餌管理や育成に先端の科学的知見を導入され、意識・目標に叶うだけのお金と手をかけて送り出された競走馬の中でも特に優秀な馬であることは否定しない。が、「怪物」は言いすぎ。「怪物」と言うなら社台グループの意識と実行力を「怪物」と言うべきだ。

ともあれ、騎乗したMデムーロは、大阪杯以来の中央G1勝利。好きではない騎手だが、ちょっとホッとした(誰だろうが、落ち込んで打ちひしがれた顔は見たくない)。彼は学習能力が高くて、怖い騎手、イヤな騎手をよく研究している。このレースでは横典アンジュをマーク。逃げると踏んでいたのだろう。

ルヴァンスレーヴは、このレースを回避したチュウワウィザード(ノーザンF生産、個人馬主、父キングカメハメハ)と同い年のいとこ同士である。同じ一族&同年齢のいとこでも、外に出された母から生まれたタガノヒルクライム(父ハービンジャー)はダートを試されることなく、1勝馬のまま中央登録を抹消されている。同族の光と影と言ってしまえばそれまでだが、なんともシビアな話である。

 

2着 ウェスタールンド(藤岡佑)

先に結果を知っていたから2着とわかって録画を観られた。しかしリアルタイムで見ていたら、2着をミツバと誤認しそうである。それほど、ウェスタールンドは途中までレースに参加していたようには見えなかった。

スタートから向こう正面の走りを観る限り、ウェスタールンドは非力に見えた。言っちゃ悪いが、新馬でも混じっているのかと思えるほどに。それが3コーナー手前から一変。シタタタタ……と擬音が聞こえてきそうな忍者走りで、まぁコーナリングの巧いこと巧いこと。4コーナーで先団の数頭を除く他馬が大きく外に振られる中、ほぼピタリと内ラチに添った進路をとり、離されたビリッケツから5番手に浮上。

これは鞍上・藤岡佑の巧さでもある。中京のダートコースはコーナーがタイトな上に、1800m戦ではスタートからしばらく上り坂、3コーナーから下り坂、下りが終わるとすぐに急な上り坂と、かなりトリッキーな形状になっている。気がせいて追い出しのタイミングを誤ると外に振られて50m~70mは距離損し、損している間に直線のいいポジションを他馬にとられて右往左往することになる。しかし藤岡佑は、乗り馬の武器とコースを熟知して臨んだ。しかも彼は慌てなかった。ゴールまであと250mの地点で、ウェスタールンドと藤岡佑は前が開かなければ5着、よくて4着の位置にいた(慌てなさすぎだろ!)。斜め前にいたルヴァンスレーヴの能力が高い(ゆえに抜け出しが早い)ために恵まれた結果オーライだったが、慌てなかったからこそルヴァンスレーヴの抜け出しにすぐ反応できたとも言える。

たらればだけれど、逃げた1番アンジュデジールが早々に脱落していれば、勝ったのはウェスタールンドになっていたかもしれない。

全姉のミクロコスモスは、鋭い差し脚を武器にしながら、頭に血が上りやすくて重賞未勝利で終わったが、ウェスタールンドは去勢されて「我」がほどほどに収まった。他陣営の警戒さえ薄れれば、そのうち母ユーアンミーに初の産駒重賞勝利をプレゼントできるのではないだろうか。

 

3着 サンライズソア(モレイラ)

サンライズノヴァとソア、両方買った人が多そうだ。ノヴァとソアは成長曲線とコース適性、脚質が異なるだけで力差はそんなにない。一方が3着なのに一方が着外になったのは、展開の向き不向きと、ノヴァの差し脚が仰天レベルではなかっただけの話だ。

スタート直後のモレイラの動きには少々ひっかかりを感じないでもなかった。彼は「様子見した」ように見えた。穿った見方をすれば好意的な見方と悪意ある見方の両方ができる。しかし事実はモレイラ本人にしかわからないことなので、ここでは不明としておく。

ただ、この馬は4コーナーで大きく外に振られたにもかかわらず、前との位置関係を崩さなかった。それは多分にモレイラの腕によるところが大きい。日本にわざわざ短期免許をとりにくる外国人騎手は、さすが損失に対するリカバリーが素早い。

 

4着 アンジュデジー横山典

チャンピオンCまでの17戦で、牡牝混合戦に出走したのは2戦のみ。2歳暮れの500万下特別こうやまき賞と今夏の札幌エルムSである。それ以外は牝限街道まっしぐらだった馬の参戦を決めたのは、よほど調子が良かったからか。

相手は歴戦の古牡馬とスター候補や売り出し中の3歳馬。そして枠順は願ってもない1枠1番。ならば逃げるのが最善手。

逃げるだろうという予測はできても、急坂をしのぎきり牡馬の一線級相手に0.6差のあわや馬券内に健闘すると予知?できた人はどれほどいたか。私は無理だった。横典マジックでギリ掲示板ならあるかもしれないとは思ったが。

横山典氏はやっぱり巧い。ペースを機械的に判断すればスローの2ハロンよーいドン。しかしこれはダートという名のサンドレースである。ハロンラップで12.5以上に落ちたのは最初の1ハロンと3ハロン目だけ。ダート馬場良の流れとしてはかなり厳しい。横典は騎乗馬ができないことはしないから、「できる、やれる」確信があったのだろう(それはレース後コメント「これくらい走っても驚くことはない」にも表れている)。おそるべしヨコテン、おそるべし昆貢

 

5着 オメガパフューム(Cデムーロ

社台生産馬にしては使われて、年明けデビューから8戦め。ヒラボクよりはマシ(ラターシュは年明けデビューで10戦め)だけど、それでよく掲示板に踏みとどまった。人馬は頑張ったが、疲れには勝てない。来年が心配である。

 

 

眠いので 感想は5着馬まで……。

 

ジャパンCダートあらためチャンピオンC

私は毎年、ダートG1を阪神に返せ!と腹の中で叫んでいる。

「右回りだから強いアメリカ馬が来ない」ってな声があったが、

これまで中京で開催された4回分を見る限り、そんなのは関係ない。

新装なった中京競馬場に目玉をつくりたくて

わざわざ名前変えて中京開催にしただけだろう。

本気で強いアメリカンダート馬に来てほしいなら、お薬OKにして検疫を短くし、賞金をチャンピオンCそのままで大井か川崎で開催すればいいだけの話だ。

 

勝てそうにないから?回避したのが2頭いて、ルヴァンスレーヴの戴冠は盤石のように思える。出自(生産牧場)◎、調教◎、騎手◎、血統◎、経過◎だかんね。

昔人間だからサンライズ冠が好きなんだが、オッズ観る限り「穴」とまではいかなそうだ。

展開を鑑み、うしろから差し込んでくることを期待して、12番ウェスタールンドを穴指定する。

マイルCSのようなことがあるから、リアルタイムでパドック見てレース見て、ができないのはちょっと辛い。

でも止められないのね、競馬。依存症かしら?

【感想】 ジャパンカップ

見事に危なげない1等賞。

天栄の全長900m高低差36mの坂路でどれだけ鍛え、

ウッドコースでどれだけ古牡馬と模擬戦したか知らないが、

持てる素質に強い精神力が備わっていなければ

本番で成果を発揮することは叶わない。

これはもうジェンティルドンナを超えている。

ルメールの巧さが3割、アーモンドアイの強さが7割。

それをしみじみと感じるレースだった。

 

キセキ川田も惜しかった。もしアーモンドアイにルメールでない他の騎手が乗ってたら……と、たらればを想像してしまういいレースを作った。

レースでは2ハロン目に相当速い脚を使い、3ハロン目に落とし、8ハロン目からまた脚を使わせるように仕向けたが、アーモンドアイは鈍ることなくぴったりついてきた。1000mの消耗戦に持ち込んで負けたのだから、相手が悪かったとしか言いようがない。

それにしても、日本人騎手には川田と岩田ぐらいしか外国人騎手と真っ向から渡り合える騎手はいないのか。馬質が同じなら、和田や横山典もかなりの腕前と大手生産牧場や大手馬主の顔色を見ない器の持ち主だが、和田は年内復帰が難しそうだし、横山典は加齢で無理が利かなくなっている。20代から40代前半までの、反骨精神と騎乗技術が高いレベルで折り合っている騎手が出てくればいいのだが、G1常連の日本人騎手の多くは日本競馬の殿(との)にお仕えしたい個人事業主ばかりになっていて、どうやら望むべくもないようだ。

やはり、地方騎手をどんどん呼ぶしかないか。外国人騎手にそこそこのハードルで免許交付できるなら地方騎手にも可能なはずだ。

 

地方と言えば、なぜ参戦したのかわからなかった地方馬ハッピーグリン。7着の大健闘。社台ファームの生産馬だから、幼少期の栄養状態と馴致・育成環境は申し分なかった。とはいえ、デビューは地方、現在も地方在籍馬。

アーモンドアイは今日で7戦目なのにハッピーグリンは17戦目。2歳3歳での出走数の多さはそのままハンデだ。噂によれば、ハッピーグリンの馬主さんはシルク会員でアーモンドアイの一口でもあるらしい。それが事実だとしたら、あんまり無茶な欲かかんと来年の同じレースを目標にして、成長に溜めをつくる余裕ある逆算ローテをとってほしいが。馬は父系の影響が大きいなら晩成傾向だろうし、後々に活かすやりかたで大きな儲けに近づくなら損な話ではないはず。

また、JRAは外国馬には優しいが、地方馬には差別的に厳しい。前日入りしかJRAが認めないので、ハッピーグリンは北海道から長距離輸送で翌日の競馬。同じことを中央の馬にもさせてみて初めてフェアな競走と言えるのではないだろうか。

 

余談ながら、当日のWin5、おもしろいことになっていた。

Win5の4レース目、京都11RオータムリーフS終了時点で残っていた当たり票数は451票。それが、断然の1番人気だったアーモンドアイが勝ったジャパンカップが終わってみると255票に減っていた。

減った200と少々の票は、アーモンドアイに入れてなかったわけだ。Win5の1レース目で10番人気ミックベンハーに入れて生き残っていたのに土壇場で高配当を逃した人の悲嘆を想うと、気の毒やら可笑しいやらで複雑な気分になる。もっとも、各レース3頭以上に結構な資金を配分していた人についてはその限りではないが(はい、貧乏人の僻みです)。

明日はジャパンカップ

今日の京都最終みたいに、どうせスローのよーいドンになるんじゃあるまいか。

東京最終のように江田照みたいなのが飛ばしてくれて、結果的に人気馬が来てもタフなレースになったほうが観る側には見ごたえがある。一番いいのは人気無いのが残って「波乱」になることだが。

どの馬がどの馬に不利受けたとかではなく、穴馬に展開がハマって誰も取れそうにないレースになるのが、たとえ馬券が外れても私的には愉快だ。

しかし明日のジャパンカップも5番人気、いや、現時点での4番人気内で収まる気がして仕方がない。予定調和度8割。

アーモンドアイが斤量53kgって、ちょっとこれはごっつあんレースすぎやしないか。しかも少頭数の1枠1番。後ろから行っても見晴らしがいいからいくらでもさばける。初古馬との対戦がG1ジャパンカップでは敷居が高いと言われてもいるが、どうせ天栄で古牡馬と段階別模擬レースを繰り返してたんじゃなかろうか。

いっそサトノダイヤモンドかキセキに勝ってもらいたくなってきた。

【感想】 2018 マイルチャンピオンシップ

とめどなくビックリした。

ビックリが収まるのに少し時間がかかった。

ワイドは買ってなかった。

1日置いて、憑きものが笑う声が聞こえた(危)。

 

1着 ステルヴィオビュイック

ビュイックの思いきり騎乗がすべて。これをモズ・アエロ・アルアインより軽視したのは、母父のファルブラヴを私があまり好まない(距離がもたない、クラスが上がるほど勝てない馬が多い)のと、来日したばかりのビュイックでは内で包まれて終わるのではないかと思ったからだった。考えてみりゃ、世界の名だたるレースで賞金稼ぎをする馬乗りに、日本の整った環境のG1レースなんぞ、釣り堀みたいなもんだわな。

2着 ペルシアンナイト(Mデムーロ

GⅠで勝てない続きで腐ったかと思ったが、Mデムーロ、ガッツであった。力を出せれば上位なのはわかっていたが、ゲート出が悪くなり不利も受けやすくなってたから切ってしまった。JRAのHPを見ると直線でビュイックに斜行されたらしいので、それがゆえの2着か。アタマ差なんだし、「斜行」判定するなら1着繰り上がりにせえよ、JRA。

3着 アルアイン(川田)

どんな流れになっても、開催終盤近い京都の馬場なら来ると思った。位置取りは前2走の北村友のポジション取りが参考になったか。

4着 カツジ(松山)

本気出した松山。馬が京都得意なのも良かった。人馬でつかんだ4着賞金。1-2-16で決まっていたら、三連単は146万5千円。1着馬から4着馬の表示見て、携帯画面を二度見、三度見しましたよ、あたしゃ。

5着 ミッキーグローリー(戸崎)

馬はカツジの全兄である。兄弟そろっておんなじ位置から追い出して、おんなじようなタイミングでゴール。同じ血統なら、京都得意とはいえ前走で14馬身差で敗退した弟より兄を選んだという人は多かったのではないか。しかしこれで、「戸崎ってあんまり上手くないのね(対松山比)」と思った人も多くいそうだ。実際私は検討時、ミッキーグローリーをかなりいい馬と思ったものの、鞍上が不安で買うか買うまいか迷いに迷った。

6着 ジュールポレール(石川)

これもまた鞍上不安で迷った1頭。G1で馬券内、あるいは掲示板に入るためには位置取りが重要。若き石川騎手にそれができるとは思えなかった。しかし中団前め、出たなりだったのかもしれないが、道中はいい位置で競馬していた。3コーナーからがやはり経験不足を露呈したが、とりあえず現状の騎手力でやれることはやった感。どうせ二ケタ着順、と見てたのが掲示板下だったから、負傷欠場していた幸じきじきの代役だっただけあると一応評価せざるをえない(馬と馬主は賞金を手にする機会を失ったが)。若手に経験積ませる進言、信頼されてる幸だからできたのだろう。幸、男前。それを受けて馬主さんを説得(?)した西園先生も男前。

7着 レッドアヴァンセ(北村友)

追い負けてしもたなぁ。外回した分、ロスしてる。それでも今回はまだ良かった。北村友は騎乗にムラがありすぎる。馬質のせいもあるだろが、巧いときと粗いときの差が極端。もうちょっと戦略的な思考を持てば連対率や複勝率、ぐんと上がるはずなんだけどなぁ。

8着 ヒーズインラブ(藤岡康)

新聞系のトラックマンで、妙にこの馬推してる人がいた。17番人気で8着だから力はあった……のか?

9着 ウインブライト(松岡)

この馬の母系、好きなんである。好きなんである、が、買いにくかった。左回りはさっぱりなんだから、来年の秋は10月アタマから栗東滞在してMCSの前哨戦にスワンSを使い、京都に慣れてみてはどうか。お金かかるけど。

10着 エアスピネル(福永)

これもビックリだった。なんでこの馬で二ケタ着順になるのか。胃腸風邪でもひいていたのか。

11着 ケイアイノーテック(藤岡佑)

「スローになる気がしていたので、外枠が当たった時点で(前に行く)意思表示をしないといけないと思いました。馬場が良かったですし、直線でもうひと反応して欲しかったです。現時点では力の差でしょうか」。レース後の騎手コメントの中で、この藤岡佑のコメントが一番しっくりきた。人柄が誠実なんだろな。

 12着 アエロリット(ムーア)

ムーアをもってしても遠征×は克服されなかった。それ以上に、ムーアがあんなに逃げるの下手だったとは。つい、ウィリアムズを思い出した。

 

13着 モズアスコットルメール

いくらモズが左回りに比べて右回りがぎこちないとしても、さらに4コーナーでぶつけられる不利があったとしても、この着順はない。

18日当日はメインまでにデムーロ弟にしてやられたレースが多くて、モズよりもルメールの精神状態が悪かったんじゃないだろうか。デム弟が来て、ムーアが来て、ビュイックが来て、いやが上にも「同じ外国人の中で日本人に比較される自分」を感じただろうし。その気分がわかったから異常を感じてモズもひどく発汗したんじゃなかったかと。

アウェイでは、ピンポイントならばいくらでも開き直ることができる。どうせピンポイント。意思疎通における「難」が、しがらみの防波堤になってくれるのだ。ところが一旦そこが(仮としても)ホームになると、こちらが相手の言葉を理解し望みを理解するにつれ、相手は要求を高め、しがらみが増えていく。そうしてどんどん「自分のセンス、思いつきでやれること」が少なくなっていく。

ジャパンカップまでに、ルメールはどれだけ自分の気分を仕切り直すことができるだろうか。切り替えには、二つの手順が要る。まず、短期免許で日本に来ていた時のことを思い出すこと。そのうえで、他の外国人騎手にありがちなマイナスの傾向が自分には少ないこと(つまり性格・性分)に自信を持つこと。

デムーロ弟は、兄と融通しあって実績を積み、将来的にはJRA所属試験を受け、ライバルになるだろう。また、ムーアやビュイックに比べられて、ノーザンから落ちたなりの扱いを受けるかもしれない。しかし、デム弟が日本社会のさまざまなトラップにひっかからないとは限らないし(かつてはペリエもそこに溺れた)、短期に求められる役割と長期でこそ求められる役割は違う。「スタートダッシュだけはいい」よりは、「中よし、しまいよし」のほうがいいではないか。

デムーロ弟にイラついたであろうルメールに伝えたい。グーグル翻訳だけど。

Christophe, Ne vous laissez pas influencer par votre adversaire !

 

眠いので、14着以降は割愛。年かのぅ。

マイルチャンピオンシップ

競馬歴は長いのに、このレース、当てたことがない。

順当に力上位で固めたらクソ荒れしたり

荒れるだろうと思って手広く行ったら軸がこけて軸以外の人気馬で収まったり

ろくなことがない。

んで、何年も、エリザベスが終わったら有馬まで競馬を休むのをルーチンとしてきた。

それが今年は手を出そうとしている。

たぶんブログを始めてしまったからだろうな。

 

昨日は検討していて脳味噌が疲れきった。

 

もう関東馬関西馬って時代ではない、

輸送やローテがどうこうも意味がなくなってきた、

休養が実際上の意味での休養ではなく、

どの馬がどの外厩を使ってきたかが大事で

さらにルメデム以外の外国人がどれだけ京都のマイルコースを熟知してるか

そんなことをぐちゃぐちゃ考えながら検討していたら

さらに頭がぐちゃぐちゃになってしまった
 「あー、この馬がんばってるなー、こいつヒモに入れてやりたいなー、がんばれよー」が、競馬の楽しみのひとつでもあったのだが、戦略的に馬券を獲るスタンスに立つと、競馬を投機と割り切ってないと苦しくなるだけなのだ。

 

ところが、疲れきって寝て、今朝起きたら、

「なんや、このレース結局三強や」と、なぜか憑き物が落ちたようにアタマ晴れ晴れ。

アルアインとアエロリット、そこにモズアスコット。あとはステルヴィオが食い込むかどうか。

憑き物が落ちたのか憑いたのかは6時間15分過ぎにわかる(笑)。